2012/02/11 埼玉県秩父市・秩父鉄道武甲線
 
 
 ここは埼玉県秩父市影森。現役の秩父鉄道の線路の脇に、何故か廃レールが延びている。ここは、秩父鉄道武甲線の跡地で、かつて武甲山から産出した石灰石を輸送するための貨物専用線として1918年に開業した路線だった。武甲線は1984年に廃止されたが、何故か影森駅からここまでの区間は、レールが撤去されることもなく今も残っている。
 今日はツーリングの初めに、TKさんに案内していただきました。
 

 
 
 この線路の進む先の区間は、現在では琴平ハイキングコースとして整備され、レールも撤去されているが、そこも元々はこの武甲線の廃線跡を転用したものだそうだ。
 それにしても何故、ここまでの区間はレールをそのまま放置しているのだろう。特に撤去に手間のかかる場所とも思えないが・・・。
 ともかく、こんな住宅地に程近い場所に廃レールがそのまま残されているなんて、まるで川越の安比奈線みたいだな。テンション上るぜ!
 

 
 
 思いのほかテンションが上がって写真を撮りまくっているところを撮られてしまいました・・・。
 

 
 
 線路脇には、コールタールで黒光りした木製の架線柱も残されたままとなっている。こういうちょっとした心配り(?)がまたニクイねえ。
 

 
 
 線路が途切れた地点から藪を越えて少し進んでみた。この先は影森駅まで線路が続いているようだ。
 

 
 
 列車が通ることもなくなり、放置されたまますっかり赤茶けてしまったレール。イイ!すごくイイぞ武甲線!
 

 
 
 続いて琴平ハイキングコースへとやってきた。こちらの道沿いには、レールを利用した架線柱が残されている。
 

 
 
 レールを用いた架線柱というのも珍しい気がするが、既に架線としての役目を終えた古レールが青空へと向かって真っ直ぐに伸びている様は、何だか不思議な光景だ。
 

 
 
 更に、道沿いにはちょっと気になる遺構も。何の目的の施設だったのかは分からないが、当時の武甲線絡みのものということで間違いないだろう。

 そして、ちょっと気になったのだが、現在のハイキングコースの一段下にもう一列、古い路盤が平行して延びているのが分かった。調べてみると、どうやらこの辺りで線路が分岐をしていたらしい。何やら橋脚跡のようなものも見えた気がしたが・・・そのうちまた探索しに行ってみるとするか。
 

 
 
 線路の上を渡る湯澤橋から。冬枯れた下草の中に浮かび上がる廃レールのシルエットが素敵。
 

 
 
 あの先は現役の線路との高低差が無くなって行くので、徒歩での散策はあまりよろしくないかもしれないが、いずれ、あの先まで歩いて行ってみたいな・・・。
 

 
 
 また撮られちゃいました。TKさん、いちいちお待たせしてスイマセン・・・。
 

 
 
 そして、この日のツーリングの最後に、林道鉢久保線の先にあるダート区間から武甲山を望むことが出来るポイントへと案内していただいた。
 

 
 
 元々は山岳信仰の対象でもあり、その名前は日本武尊が「武人が甲冑を身に付けたよう」な山容から名付けたとの言い伝えもあるこの武甲山も、大正以降の石灰石の採取により、その姿を大きく変えてしまった。今日見てきた秩父鉄道武甲線も、その歴史は武甲山の変化にずっと関わって来たものなのだ。