レンタカーで早朝の南国林道ドライブ 2008/08/10 沖縄県名護市の林道 |
まだ夜が明けない朝4時45分、携帯のアラームを目覚ましに、ホテルのベッドから一人起き上がる。窓の外は小雨がぱらつき、そろそろ5時になろうというのに一向に明るくなる気配がない。
静かに部屋を出て、薄暗いフロントで、預けてあるレンタカーのキーを受け取り外へと出る。空を覆い尽くす雲からは、相変わらず雨が降り落ちてきているが、許された時間は僅かしかない。エンジンを掛け、迷わず目的地へと走り出す。
ここは沖縄県恩納村。昨日から旅行で訪れているのだが、沖縄へ来たら絶対にやりたいことがあった。それは・・・。
沖縄の林道を走る。
出発前にしっかり買ってきましたよ、ツーリングマップル九州沖縄版。宿泊するホテル周辺をチェックすると、さほど遠くない地点に林道が記述されている。ダートを示すオレンジの破線は書かれてはいないので、おそらく舗装林道であることはわかるが、今回はレンタカーで走る予定なので、むしろ都合がいいと言えるかもしれない。ほら、自分は林道なら舗装路でもおいしくいただけるクチだし。
沖縄自動車道に乗り、名護市の宜野座ICへと向かう。高速を走行中、かなり雨足が強くなり、ワイパーを最速にして走っていく。先行きが少々不安になるが、今回は車なのであまり気にしないようにして目的地へと進んでいく。高速を降りて国道329号〜国道331号〜県道18号と走り継ぎ、まず最初の目的地である番城林道へと向かう。出発から30分程で林道の分岐する県道へと辿り着いた。地図によれば、県道を3km程進むと林道との分岐地点があるらしいのだが・・・。
うお。県道でいきなり通行止めですよ!
実は、この手前にも通行止めの看板が立っていたのだが、大した柵も無くまるっきりのウェルカム状態だったので、「どうせ通れるんだろ」くらいに思ってそのまま走ってきてしまったのだが。
(ちなみに今回の写真で、ところどころ画像の左上が暗いのは、カメラの調子が悪くてレンスカバーが開ききらないことがあった為です。)
歩道の端までビッチリ閉鎖されています。ダメだこりゃ、完全に成す術無しです。
いきなり予想外の展開に、どうしたものかと思いつつ、途中のコンビニで買ってきたおにぎりをパクついていると、なぜか向こう側から1台の車が走ってきた。あれっ、と思っていると、上の写真で言うと柵の向こうの左側に道が分岐しているのだが、その道のほうへそのまま走っていった。あぁそうだ、本来自分のいるこっち側が通行止め区間なんだよな。
・・・ん?ってことは、どこかに向こう側へ抜けられる迂回路があるってことじゃん!
今来た道を引き返し、最初の通行止めの看板のあった地点まで戻ると、確かに左手に分岐する道がある。沖縄の特徴的な瓦屋根を持つ民家が建つ細い田舎道を辿っていくと、先ほどのあの屈強なガードの向こう側へ出ることが出来た。そのまま先へ進み、番城林道を探すが、今ひとつ分岐地点がよくわからない。地図上の線形と見比べると、それらしい道はあるのだが、綺麗な舗装路に整備されたその道は、林道というにはあまりにも規格が良すぎるようにも見えるうえ、林道の標識などもいっさい見当たらない。とりあえずその道をしばらく先に進んでみたものの、どうにも目的の林道だという確信が持てなかったので、途中で引き返し次の林道へと向かうことにした。
県道への迂回路の途中で見つけた行き止まりの分岐。非常に気になるが今回はスルーします。
更に、同じ道で見つけた選挙ポスター。お二方とも存じ上げませんが、どちらも名前が沖縄っぽさ満点でいい感じ。妙なところで今自分が沖縄にいることを実感。
一旦国道へと戻り、海沿いの道を走り次の林道へと向かう。この頃になると先ほどまでの雨もだいぶ落ち着き、空には晴れ間も見え出した。海を眺めながら林道を目指すっていうのもなかなかいいね。
ナビにセットした位置情報から瀬嵩地区へ向かい、目印の学校を見つけ、その奥へと伸びる道を進んでいく。
到着しました、瀬嵩林道です。(ツーリングマップル九州沖縄・P80B5)
ここでも標識の類は見当たらないのだが、どうやらこの辺りが起点らしい。
で、林道標識は見つからなかったものの、代わりにこんな看板を見つけた。
イノシシ捕獲用の何かを売ってくれるらしい。3万円で。
って、だいぶ古そうな看板だが、まだ売ってるのかな?
起点から坂道を登っていくと、程なくして路肩が崩れている地点があった。(この写真は帰り際に撮ったものなので、この時点での進行方向とは逆向きだけど。)
こんな風に崩れるなんて、向こう側は結構な斜面になっているのだろうか?草木の茂り具合が凄くてよくわからないが・・・。
路面は綺麗に舗装されているものの、両側に生い茂る草木のせいで非常に野趣溢れる細い道を進んでいく。
だんだんジャングルっぽくなってきた。雨が降った直後で辺りが湿っているせいもあるが、所々で見受けられるシダ植物が南国っぽさを醸し出していると言えなくもないような。
なんてことを思いながら走っていたら、突然道端にこんなでけぇ得体の知れない植物が!すげーな、植物園でしか見たことないようなのが普通に生えてんの!
テンション上がってきた!ビバ沖縄!
と、この辺まではかなりワクワクした気分で走ってこれたのだが、更に先へと進んでいくと、次第に道の両サイドから草が路上に迫り出してくるようになってくる。
はじめのうちは局所的なものなのだろうと思いながらゆっくりと進んでいたのだが、先へと進めば進むほど、路面に迫り出す草の量が増してくる。
狭イヨー。
ただでさえ狭い1車線の道に覆い被さる草の間を潜り抜けるたびに、ゴソゴソと容赦なく車体を撫でていく。っていうか、これレンタカーなんだよね・・・車体に傷をつけたりしないように気を使いながら走ることと、それによって思うように先へと進めないことが結構なストレスとなり、あまり芳しくない天気とも相まって、先ほどまでのテンションも次第に下がり気味になってくる。
はぁ・・・どこまでこんな状態が続くんだろう。このまま進んで行っても大丈夫なんだろうか。それよりも、朝飯の時間までに帰ることが出来るんだろうか・・・。
ここへ来る前は、(どうせ舗装林道だから車でもスイスイ快適に走れるんだろうなぁ〜)なんて気楽に考えていたのだが、意外なところで苦戦を強いられることになってしまった。せめてこれが自分の車だったら、車体を擦ることなど気にせずに走れるのに。っていうかそもそもバイクで走りてぇよ!
と、ふと道の脇に目をやると、少し開けた木々の隙間から海が見えた。
この景色を見て、それまで少々焦っていた気持ちがふっと落ち着いた。
そこから少し進んだ先で、路肩が広くなっている地点があったので小休止。起点からここまでの走行距離をみると、あと1km弱も走れば次に走ろうとしていた林道に接続するはずなのだが、その先の路面状況もどうなっているのかは分からないし、こんなところで無理をしてもしょうがない。今回はここで引き返すことに決めた。
この場所のすぐ脇には、こんなオイシそうな未舗装路が口を開けているのだが、今回はパス。だけど、できればいつかはバイクで走ってみたいもんだ。
まぁ引き返すってことは、来た道同じ道を通るってわけで、さっきまでと同じように車体を擦る草に気をつけながら下っていく。
ようやく道幅の広くなる地点まで戻って来た頃、空にはまだだいぶ雲が残っているものの、徐々に高くなりだした太陽の光が雲の隙間から射してくるようになってきた。せめてもう少し早く晴れてくれていればなぁ。
さよなら沖縄の林道。今回はこれで引き返すけど、いつの日かまた来るぜ!
さぁ、再び海沿いの国道を走って帰ります。っていうか晴れ間は出てきているものの、空からは再び雨が振り落ちてきている。今日も海で遊ぶ予定なのに、大丈夫なんだろうか?
あ、虹・・・。
この後、いままでの雨が嘘の様にいい天気になりましたとさ。