雨だの晴れだの、忙しい天気なんだぜ。
2009/06/14 林道御岳山線〜中津川林道〜川上牧丘林道・他

ここひと月ほど、miyakenさんと毎週ツーリングの計画を立てていたのだが、週末になるたび仕事になったり天気が崩れたりで、ずっと延び延びになっていた。
この日も、予定していた秩父エリアは午後から雨との予報が出ていたが、隣の山梨の予報を見ると、なんと晴れマークが!そういえばいつのまにかもう6月だし、山梨といえば川上牧丘林道の冬季閉鎖も解除されているはず・・・。よし、当初計画していたルートを少々変更し、今日こそ決行だ!

miyakenさんと東青梅で待ち合わせをし、飯能を抜けて秩父を目指す。早朝こそどんより曇っていたものの、秩父市街に着く頃には徐々に晴れ間も顔を出してきた。ここまで山の中をだいぶ一気に走り抜けてきたけど、最初の目的地まではあともうすこし走らないと。コンビニで食料を買い込み、林道へ向けて再び走り出す。

到着しました、林道御岳山線です。ようやく林道に入れると思ったが、さっきまでの晴れ間はどこへやら、空は再び曇りだし、ポツポツと雨粒も落ちてくる始末。まぁ、もうここまで来てしまったら、たとえどしゃ降りになっても先へと進むしかないんだけどね。

どしゃ降りだー!
くっそぅ、林道を走り出した途端にこれかよ!さっきまでの晴れ間はなんだったんだよ!
木陰でカッパを着込み、さらに先へと進む。途中、一頭の鹿が目の前を横切り、谷側へと走り去っていった。驚かせてごめんよ。

降りしきる雨の中、いくつものコーナーを越えて高度を上げていく。御岳山トンネルを越えると、いつの間にか雨は上がっていた。
いつもの展望スポットも、こんな天気だと視界が今一つだな。本当は晴れた日のここからの景色をmiyakenさんには見せたかったんだけど天候ばかりは仕方がないな。

しばらく休憩したあと、国道側の起点へ一気に下って行く。続いて向かうは中津川林道。中津峡へ向けて一気に進むが、ループ橋を越えた頃、またしても雨が降りだした。

国道から中津峡へ入り最初のトンネルで雨宿りをしていると、すぐに景色が霞むほどのどしゃ降りになってしまった。ただ、山梨方面の空を見ると、なんだか陽が射しているようにも・・・。とりあえずまたカッパを着込み、10分ほどで小降りになってきたので、トンネルを出て先を急ぐ。

やって来ました、中津川林道です。写真を見ていただけるとお分かりになるかと思いますが、さっきまでの雨が嘘のようなドライコンディション。それどころか、路面には非常に清々しい陽射しまで射すようになってきた。着たままのカッパが暑いッスけど、今日の天気はまだ油断はできないので、とりあえず上だけ脱いで、下は穿いたまま走り続ける。

川原に降りて化石探しをするmiyakenさん。そういえば、すぐ近くの群馬の神流町には恐竜の足跡化石なんてのもあるけど、この辺りも何か出たりするのかな?今度調べてみよう。

かつては森林軌道が走っていたという前半のフラットな区間を越えると、それまでとはうって変わり、幾つものコーナーを経て一気に高度を稼ぐ区間へと入る。空を見ると、またしてもどんよりとした雲に覆われはじめてきた。こんなんじゃ、いつまた降られるかわからないし、このまま一気に峠まで上ってしまおう。

三国峠に到着しました。秩父方面は雲の中に入ってしまったのか、何も見えません。
そろそろお腹もグーイングなので、切通を越えて、長野側のベンチで昼飯。ここは普段の休日ならたくさんのオフ車が並んでいるのに、今日はこんな天気のせいか誰もいない・・・。


空は相変わらず雲の流れが早く、ちょっと晴れ間が出たと思うと、すぐにホンの数十m先が霞んでしまったり。
ふと脇を見ると、いつもはロープで閉じられている未舗装路が開いている。・・・これは行ってみるしかないっしょ。



しかし、400mほどの地点でd○c○m○の無線中継所で行き止まりに。

お昼を終えて、いよいよ次の目的地、川上牧丘林道へと向かう。天気予報では、山梨は晴れになっていたけど、はたして当たってくれるだろうか?
峠を下り、川上牧丘林道へと向かう前に、途中で分岐する林道相木川上線に寄り道。

・・・したかったんだけど、今日はゲートが閉まっている。もしかしたら手で開けられるかも、と思ったけど、錠前でガッチリロックされてた。ぶっちゃけ、ゲート脇から入れないこともないのだが、もし出口で閉じられていたりしたら、またここまで戻ってこなければならないので今日はパス。
そのまま進むと、すぐ先でダートの分岐に気付いたので入ってみることに。

お、橋の上に直接水を流してるよ。洗い越しってやつだな。先を進み、もう一度洗い越しを越えて、割りとすぐに行き止まりとなった。恐らく、この沢を管理するための作業道かなんかだろうな。さっさと引き返し、次へ向かいます。川上村の畑が広がる中を進み、続いて川上牧丘林道へ。

大弛峠をまたぎ、長野県川上村と山梨県山梨市を結ぶこの道、よくいっしょくたに「川上牧丘林道」と呼ばれるが、正確には山梨側の舗装区間が「林道川上牧丘線」で、長野側のダート区間は、かつては峰越林道と呼ばれ、現在は「川上村道秋山川端下線」となっています。それでも川上牧丘林道って呼んじゃうけどね。
キャンプ場との分岐を越えると、道の脇にたくさんのツツジが咲いている。天気もかなり回復してきたし、3年振りの川上牧丘林道、非常に楽しみだ!

ダートに入ってからはしばらくデカい石がゴロゴロした路面が続く。ここって最初っからこんなにガレてたっけ、と思いつつ、後ろに積んである荷物は大丈夫かと振り返ると、案の定キャリアに積んでおいたカッパがなくなってる・・・慌ててUターンすると、後ろから来たmiyakenさんが拾ってきてくれました。

それにしてもこの天気!距離的にはそれほど離れているわけではないのに、午前中の秩父でのどしゃ降りが嘘のよう。陽射しも路面も、そして周囲の植生も、なにもかもが素晴らしい!更に先へと進み、白樺に囲まれた地点で休憩。

木漏れ日の中を走って行きます。最高!

ここは川上牧丘の中でも特にお気に入りの場所で、必ず写真を撮ります。

陽を浴びて輝く新緑が本当に綺麗。やっぱりこっちにルートを変えて良かった。

さあ、峠まではあと少し。清々しい緑の中を一気に駆け上がろう。

地面に埋まった石がゴツゴツと顔を出す路を進んでいると、峠まであと少しの地点で、道の真ん中に何か立っている・・・。

鹿だ!今日2回目の遭遇だけど、こいつはじっとこっちを見たまま立ち止まっている。しばらく見つめあっていたけど動く気配が無いので、余裕で写真に取れた。ただ、ずっとこうしているわけにもいかないのでエンジンを掛けて前進すると、ようやくこいつものっそりと動き出した。割と人の姿に慣れちゃってるのかな。

というわけで大弛峠に到着。さすが標高2360m、6月も半ばだというのに、まだ雪が残ってました。
ここからは舗装の川上牧丘線を一気に下っていく。

一気に下ってきた。このまま次の林道へと向かおうかと思っていたのだが、ふと脇の斜面を見ると、バイクが1台通れるだけの轍が出来ているのに気付いた。これはどこへ向かっているんだろう?

というわけで、ちょっと入ってみた。こっちもさっきの川上牧丘に負けず劣らずのいい雰囲気。路面に散らばる茶色い部分は、全てカラマツの落ち葉です。

路肩には、何の花かわからないけど、小さく白い花が無数に咲いていた。野いちごか何かかな?

この道を進んでいる途中、目の前を走って横切る動物に出合った。バイクの音に驚いたのか、慌てて走り去っていったのだが、黒くて丸っこくがっしりとした体型・・・熊だ!サイズこそまだ小さい小熊だったものの、他の野生動物と違い、やはり熊を目の当たりにしたときって心拍数が上がり具合が段違いだな。しかも、近くに親熊がいるんじゃないかと思うと、ホント気が気じゃない・・・。

おお、こりゃスゴイ。崩れる心配は無いと思うけど、けっこうコワイので足早に通過します。

しばらく進むと、こんな場所に出た。「キケン」ってわざわざ書かれなくても、誰がどう見たって危険以外の何物でもないっすね。

崩れた路肩の下を見るとこんな感じ。この辺りは地質も柔らかそうだし、ちょっと大雨でも降れば、いつ完全に道が無くなってもおかしくない雰囲気。
他にも、落石や倒木などがそこかしこに起きていて、見た感じもうこの道を復旧させる気なさそうだな。恐らく、こんな地質のせいで何度直してもキリがなかったんじゃないのかな。あの山梨がサジを投げたんだから、相当なモンだぜ?

この先、さらに進んだ地点で分岐するダートの支線に入る。

倒木をどかしますよっと。

この道に入って10km程も走っただろうか、いよいよすんなりと進むのが困難になってきた。ただ、先を見るとなんだか行き止まりっぽく見える・・・。いよいよ終点に到着か!?と思い、バイクを停めて歩いて進んでみたが、

残念、切り通しのカーブを抜けて、まだ先が続いていた。でも、そろそろ時間も押してきたし、いずれ再び探索することにして、名残惜しいが今日はここで引き返すことにしよう。

バイクを停めた地点まで戻っていく。改めて思うけど、よくこんなところに道を造ったもんだよなぁ。

鹿獲ったどー!
帰り道で見つけました。拾って帰ろうかと思ったんだけど、(持って帰ってきたはいいけど、結局どうしようコレ・・・)となっている自分が容易に想像できたので置いて帰りました。そういやさっき、この道でも鹿に出会いました。鹿は今日3回目、いっぺんにこんなに見たのは初めてだよ。

この道を抜ける頃には、すっかり夕刻になってしまい、本来行こうと思っていた林道はパスしてそのまま帰ることに。まぁ、多分こっちのほうが全然面白かったと思うからいいんだけどね。

そのまま一気に勝沼に下り、1000円渋滞の中をすり抜けて談合坂まで戻ってきました。ここまでだいぶいい天気が続いていたけど、雨雲レーダーを見ると、この先でだいぶ強く降っているようだ。面倒臭いけど、もう一度カッパを着込むとするか。
今日は前半はかなり雨に降られたけど、後半はところどころで夏のような天気の中林道を楽しむことが出来た。梅雨時だからこんなむらっ気のある天気なのは仕方ないけど、はやく夏になって、まぶしい太陽の下で心置きなく走りたいもんだ。
それにしても、久しぶりの川上牧丘だったけど、やっぱりいい林道だな。梅雨があけたらまた行っちゃおっと。