山奥の遺構を求めて
2009/07/05 山梨の林道

先月、miyakenさんと訪れた山梨の林道。前回は時間の都合もあり、全線走破はかなわなかったが、実はこの林道の奥地には、とあるモノが眠っている。
今回は、そのとあるモノと、全線走破を目的に、約ひと月ぶりに訪れることにした。

本日の参加者は、miyakenさん、トレールMD36さん、ナノレカワの3名。林道に入り、針葉樹の生い茂るダート路をガンガン進んで行く。

しばらく進むと路は舗装へと変わるが、舗装だから路面状況が良いかと言えばそんなことはなく、至るところで崩落や落石のオンパレード。

この「キケン」の場所も、谷側はこんな感じに崩れている。

この周囲の地質はどこもサラサラの砂地で、よくもまあこんなところに道を造ったもんだと感心するが、今残っている路面だって、
いつ全部崩れ落ちてもおかしくはない雰囲気。そう遠くないうちに、ここから先へと行くことが不可能になってしまうかも知れないな。

更に奥へ奥へと進んで行く・・・。

ここからは未舗装の路をしばらく下って行く。と、ここでmiyakenさんが何かを見つけたようだ。

・・・おそらく鹿だろうが、周囲には体毛や蹄が散乱している。これって明らかに・・・

熊に喰われたあとだよなあ??

こんな山深い場所は、もうとっくに奴らのテリトリーだ。俺等がこんな姿にならないよう祈るのみ。

ずいぶんとデカイ砂防ダムだな。こんなの初めて見たよ。

どれだけ奥まで進んだだろうか、路面が雑草に覆われ始めた頃、突如前方を遮る瓦礫の山に行き当たった。

こ、これは駄目だ・・・!
崩れ落ちた岩石は、僅かな道幅も残すことなく堆く積み上がり、バイクでのこれ以上の前進はどう考えても不可能。
目的の場所はまだこの先なのだが、地図を見ると、終点まではどうやらあと1kmも無いようなので、ここにバイクを停めて、ここから先は徒歩で向かうことに。

不安定な足場を崩さないよう、慎重に渡って行く。
崩落地点を超えてしばらく歩を進めると、路の脇にあるモノが姿を現しはじめる。

おお・・・。

ここには、かつての森林軌道跡が今でも残っているのだ。後に出来た車道によって、ところどころで分断されてはいるが
おかげで車道を進みながらもいたるところで道の脇に軌道跡を見ることが出来る。

木に碍子が括り付けてある。

ほら、こんなところにも軌道が。

崩落地点から数百m進んだ地点で終点に着いた。車道はここで終わりだが、更に先へと下っていくと、その先にも軌道跡が延びている。

木がレールの上に腰掛けてしまっている。

うーん、素晴らしい。

おや、こんなところにコンビニ帰りの人が。

ひとしきり周囲を探索をして軌道跡を堪能し、ここで昼食を摂ったあと、停めてあるバイクのところまで引き返す。

探索している間に、新たに岩石が崩れ落ちてきてバイクが埋まってたらどうしよう、なんて考えたけど、とりあえず無事で一安心。本線に戻り、更に先へと進む。

一気に本線の終点まで到達。晴れていればかなりの絶景が望めそうな場所だが、空は生憎ご覧のような状態。

向かいの山肌に見える一本の筋は、地滑りの痕か何かだろうか。
眼前は切立った山々に囲まれ、とてつもなく山深さを感じさせる。こういうところへ来るたび、よくぞこんな山奥まで道を造ったものだと感心する。

本線を引き返し、続いて前回終点まで到達できなかった支線へとやってきた。
奥に見える防護壁の上に積もった砂地と、そこに埋まる岩石が、今にも崩れてきそうな雰囲気で少々落ち着かない。まぁ実際は見た目ほど脆くは無いのだろうが・・・。

前回断念した切り通しの地点。今回は、路面に散らばる岩を手作業で退けて通れるようにする。

作業を終えて再びバイクに跨り先へと進むが、この地点からほんの数百m程の地点で・・・

おや?

ここでも大崩落が起きていた。切通しで無理矢理道を造ったのが仇になったのだろうか。
路面は全て岩石によって寸断されてしまっているので、またしても徒歩で先へと進む

が、その切通しを抜けた地点で、すぐ路は終わっていた。

終点も確認したことだし、熊でも出てこないうちに引き返そう。そういえば、熊こそ出なかったものの、今日はこの林道内で鹿、雉、リスを見かけた。相変わらず野趣溢れる林道だ。

ひとしきりの探索を終え、トレールMD36さんとは道の駅でお別れ。いろいろ案内していただき、ありがとうございました。また遊びましょう。
miyakenさんとナノレカワは、相変わらずの渋滞の中央道を通り帰路に着いた。

談合坂SAまで一気に戻り、ここで最後の休憩。ここに来るたび、駐輪場でのオフ車率の低さを嘆くmiyakenさんとナノレカワなのであった。
今日の林道は、思っていた以上に探索に時間が掛かったが、その分中身の濃いツーリングだったな。さーて、次はドコへ行きますか。