金色のロングダート2009
2009/10/18 川俣桧枝岐林道〜田代山林道

季節の移り変わるのは早いもので、気がつけばもう10月も半ば。山は既に紅葉を纏い始めている様子。
で、紅葉といえば、自分的に是非とも訪れたいのが、栃木と福島を跨ぐ2本のロングダート、川俣檜枝岐林道と田代山林道。2年前のこの時期に初めて完走し、そのあまりの素晴らしさに翌年の再訪を誓うも、去年の秋は半端なく忙しくて、結局訪れることが出来ずじまいだった。今年はその分まで取り返してやるぞ!

朝5時に起床し、空を眺めると、まだ真っ暗な空には星が瞬いている。ここ1週間、毎日天気予報を眺めていたのだが、週末はあまり空模様が芳しくならないとの予報にやきもきしていたが、どうやら今日は前半は晴れ間に恵まれそうだとのこと。早速支度をし、6時きっかりに自宅を出発。東北道〜日光宇都宮道路と走り継ぎ、日光を目指す。

いきなりですが、霧降高原道路です。目の前に広がる山々は、既に紅葉が真っ盛り。これから走る林道もかなり期待できそうだ!

お、雲海が見える。いいねいいね!

2年前も写真を撮った、牧場の中を走る地点にて再び撮影。印象的な景色なので、ついつい停まってシャッターを切ってしまうけど、帰ってきてから前回の写真を見てみたら、停車位置までほぼ同じだ・・・。
それにしても、今朝は本当にいい天気だ。多少の雲に覆われるのは覚悟してきたのだが、それどころか一ちぎりの雲すら見当たらない。もう嬉しくって、ついつい急ぎ足になってしまう。

出発からほぼ3時間、川俣大橋を渡り、ついに川俣桧枝岐林道の入口に到着!2年ぶりのロングダート、さっそくスタート!

川俣湖沿いの道を進んで行くと、道路情報を示す看板が。・・・台風18号のため通行止め?まぁ、事前情報で通れるのは分かっているので構わず進むけど。そういえば、この区間は現在では正式には村道馬坂線というらしい。この区間をよく「馬坂林道」という呼び名で聞くけど、この村道馬坂線に由来してるのかな?

やはり前回も写真を撮った橋の上でパチリ。進行方向は、奥に見える山に向かって行くのだが、そのままだと前回と全く同じ写真になってしまうので、わざわざBAJAをUターンさせて撮影。
いやー、それにしても、見てよこの山!色とりどりの葉が交じり合って、何ともいえない奥深い色彩を放っている。やはり期待したとおりの素晴らしさで迎えてくれてます。

温かみのある柔らかな色に囲まれて走っていく。言葉にならない至福の時間です。

↑この写真を撮るとき、エンジン掛けっぱなしでBAJAを離れた途端、振動で倒れやがった。まぁ、足場の悪いところに無理矢理停めた俺が悪いんだけどね・・・。特に面白みの無い写真だけど、悔しいので無理矢理使います。

それでも走り出せば、辺り一面に広がるこの紅葉と青空。コカしたことなど忘れて軽快に走り続けて行く。

やがて、田代山林道方面との分岐地点に到着。ちなみにここからは村道馬坂2号線となるようだ。ここでも道路情報では、台風18号により通り抜けは出来ません、などと書かれているが、さっきから頻繁に乗用車も通っているのでまったく心配せずに先へと進んでいく。

ここから少し行くと、湖面から枯木の突き出た、あの砂防ダムがある。今回写真には撮らなかったが、やや気味の悪い雰囲気は相変わらず。そのダムから少し上流にいくと、歩いてなら川岸に降りられるところがあったので、BAJAを降りてすこし歩いてみた

上流方面を望む。こうやってみると、なかなかいい景色ではあるが、堆積した砂の上を緩やかに流れる水の音だけが響く中、その音が「ボソボソ・・・」と人の話し声に聞こえて、少し気味が悪くなった。砂防ダムの立ち枯れた木に対する、もともと変な先入観があったせいだろうか・・・。さっさと先へ進むとするか。

どこまでも続く紅葉の山に沿って奥へ奥へと進んで行く。

春の山が”萌え”ならば、秋はまさに”燃え”である。

峠付近でちょっと印象的な枯木を発見。松だと思うけど、葉が全部なくなるとこんなんなっちゃうんだ。

そして、峠まであと少しという地点で、こんな看板に気がついた。

随分真新しく見えるけど、前回来たとき、こんな看板あったのかなぁ?っていうか、「関係者以外の通行を禁止します」って、ここってそういう扱いなの?

ようやく馬坂峠までやってきました。この辺りまで来ると植生も変わり、あまり紅葉は見られなくなってくる。
そして、峠を越えて下り始める地点に、「10/19より約十キロ先舗装工事のため通抜けできません」と書かれた衝立が立っている。
今日が18日、つまり年内にここを通ることが出来るのは今日が最後ということになる。実は事前にこの情報を聞いていたおかげで、今日ここに来ることが出来たのだ。

桧枝岐方面に一気に下って行く。あぁ、なんていい景色なんだろう。俺、本当にこの林道が大好きだ。

寒い季節の暖かな景色、何とも心が穏やかになる気がします。

そして、そろそろお腹も空いてきたので、河原でランチタイムに。
前回と同じ場所で、前回と変わらぬ紅葉が迎えてくれました。

川の流れをBGMにしばしの休憩を取り、再び走り出す。ここまで来たら終点まであと少し。と、ふと脇に逸れる道があることに気付いた。ちょっと入ってみるか。

おお・・・これは凄い。路面を覆う草も枯れ色に染まり、四方から秋の色彩で覆い尽してくる。ちょうどこの写真の左枠にはちょっと広くなった場所もあり、ここで休憩するのもいいかもしれない。
それにしても、だんだんと雲が多くなってきたような・・・。天気予報では確かに「晴れのち曇り」と言っていたが、そんな予報、当たらなければいいのに。

既に舗装工事の準備が進んでいる地点を過ぎ、ダートも残すところあと数百mというところで、川俣桧枝岐林道の、桧枝岐側の銘板に気がついた。しかも、そのすぐ脇に「舟岐川林道」なる看板も。これってどういうことだろう?併用林道みたいなものなのか。どちらにしろ、ここも今では村道になっているのだが。
そして、この地点を過ぎて遂にダート区間が終了。川俣大橋の入口からだいたい37km程だったろうか。紅葉の川俣桧枝岐林道、最高でした。鮮やかな景色に囲まれながらのロングダートを満喫し、既に大満足だけど、まだまだ復路があります。

ダートを抜けてすぐの地点で。こ、この歪みっぷり・・・なかなかそそられます。
この後、一旦R120へ抜けて、緑資源幹線林道を走りついで田代山林道へと向かう。

飯豊・桧枝岐線にて。この辺りは既にどこを通っても鮮やかな紅葉に囲まれている。舗装路ながらも、なかなかグッと来る景色。

そして、ダート3km程の唐沢林道をショートカットするトンネルを工事中の地点に。2年前も工事中だったが、まだ完成していないのだろうか。
唐沢林道を抜けると、トンネルから抜けてくる道が既に接続していた。ちなみにこれが2年前の写真。あのときはまだ橋は全く出来ていなかったのだが、いよいよあと少しで完成のようだ。
・・・今日は工事もお休みみたいだし、真新しいアスファルト、ちょっと走っちゃおうっかな〜、と思ったが・・・。

橋桁の接続地点に大きな溝を残しているため、残念ながら進入出来ず。大人しく先へ進みますよ。

さぁ、ここを進むと、いよいよ田代山林道県道栗山舘岩線)に突入だ。

こちらも鮮やかな紅葉が見事。しかも先へと進んで行くと、黄色い葉の目立つ川俣桧枝岐林道に対し、こちらでは文字通りの紅い葉が多く見られるのが印象的なのだが・・・。

あちゃー、とうとう雲ってきてしまった。まだ昼を少し過ぎたばかりだというのに、辺りは薄暗く寒々しい感じに。しかもこの林道、何故かカメムシが多く、停車すると途端にバイクがカメムシだらけに!ひぃぃぃ!
走りながら肉眼では紅葉を楽しみつつも、そんなこんなでなかなかシャッターを押す機会のないまま、そのまま一気に田代山峠まで走り抜けてしまった。なので、川俣桧枝岐林道に比べ、極端に写真の枚数が少ないのです・・・。

峠にある丘の上に登って辺りを周囲の景色を望む。こちらは栃木側。

そしてこちらが福島側。180度のパノラマを見渡せる非常に見事な景色。薄曇りながらも、その雲の隙間から射すわずかな光が照らす山肌が何とも幻想的。

さぁ、ここまで来たら田代山林道の出口まではあと少し。左手に広がる紅葉の山々を眺めつつ、あと僅かとなったのダート区間の名残を惜しみつつ走っていく。

ゲート付近までくると、断続的な舗装区間が増えてきた。この辺、こんなに舗装されてたっけかなぁ?

峠から下ること6km程だろうか、遂に栃木側のゲート地点に到着し、田代山林道を走りきりました。BAJA君、お疲れ様!

2年ぶりに訪れた紅葉の川俣桧枝岐林道と田代山林道は、やはり期待通りの美しさで迎えてくれました。今もこのレポを書きながら余韻に浸ってます(笑)。特に川俣桧枝岐林道のほうは、年内に通行できるのはこの日が最後だということもあって、ギリギリ間に合うことができて本当によかった。この2本のロングダートがいつまでも残されることを望みながら、また来年の再訪を誓うナノレカワなのでした。
さあ、これからの時期は近場でも紅葉が始まる頃だ。次はどこへ行こうかな?