梅雨の晴れ間に、4年ぶりのマイナー林道散策
2010/07/04 埼玉県飯能市〜毛呂山町の林道

 梅雨ってホント鬱陶しいですね・・・。
 まぁそもそも、ここのところなかなか時間がとれずに、晴れだろうが雨だろうが関係ない週末を過ごしていたわけだけど、今週は久々に時間が取れそうなうえ、なんとか天気も持ちそうだということで、久しぶりに林道へ出かけることにした。そうは言っても梅雨時なので、そんなに遠出をする気にもなれず、だったら近場で、久しく訪れていないマイナー林道を再訪してみることにした。

 R299から、東吾野駅を少し過ぎたところで間野地区へと向かう道へ入る。空を見ると、青空も顔を出して、思いのほかいい天気!やっぱり出てきて良かった。
 この道を直進してくと、程なくして左手に最初の目的地が現れる。

 さぁ、到着しました、本日一本目。

 林道分木線です。
 ここを訪れるのは実に4年ぶりになるが、旧タイプ標識も相変わらず無事に立っていて一安心。

 こんな小さな橋を渡った地点に起点があります。橋の下を流れる沢も涼しげでいい感じ。
 ここも延長数百mの行き止まりだけど、久しぶりの分木線、それじゃさっそく進んでみようか。

 起点から200m程で、舗装路と未舗装路に分岐する地点に着いた。あれ?ここってこんな地点あったっけかなぁ?4年も前に一回走ったきりだからよく覚えてないや。
 とりあえず舗装のほうを進んでみると、すぐに民家に行きついて行き止まりとなったので、引き返して未舗装のほうへ進んでいく。

 今日は天気もそんなに期待していなかったけど、木々の間から射す木漏れ日が眩しくて、なんだか嬉しくなっちゃうな。

 舗装との分岐から200m程進んでくると、路面に割と真新しい感じの砂利が敷かれた地点に出た。以前来た時はもっと廃道じみたイメージで、シダが鬱蒼と茂る地点で終点になっていたのだが、なんだかだいぶ雰囲気が変わっている。どうやらこの先もまだ道が続いているようだが、先へと進んでみると、いきなり斜度がきつくなり、途中で失速。ブレーキをかけるも、BAJAの自重でズルズルとタイヤが滑って後ろへ下がってしまう。なんとかその場で切り返し、元の場所まで戻って、一旦BAJAを置いて歩いて進んでみることに。って、またこんな展開ッスか。こんなことになると思わないから、今日も満タンクで来ちゃったよ・・・。

 急坂をヒーヒー言いながら登り切り、ちょっと落ち着いてきたところで振り返って今上ってきた道を撮影。路面や道脇の法面も、本当につい最近開削されたような雰囲気が漂っている。旧タイプ標識が立っていると、それだけで既に放置された林道のような印象だけど、実際はちゃんと現役で管理されているんだな。

 さらに進んでいくと、直進して急坂で高度を上げる道と、右手に伸びる道の二股に分かれる地点に着いた。
 ・・・ちょっと坂のほうはきつそうなので、まずは休憩がてら水平に伸びる右手の道を進んでいこう。

 道自体はフラットなまま直進しているが、開削されたばかりの路面は、最近の雨でかなり柔らかくなっていて結構歩きづらい。

 ふと道の脇に目をやると、遥か下方に置いてきたBAJAが見えた。黙々と歩いていると気づかないんだけど、結構上ってきちゃったな。戻りを考えると憂鬱だ・・・。

 そして、そこからすぐにこちらの道は行き止まりとなった。引き返してもう一方の道を進むとしよう。

 ふと上を見上げると、送電線の鉄塔が見える。これを管理するための道・・・ってわけでもなさそうだけど?

 分岐まで引き返し、続いてもう一方の道を進んでいく。晴れ間が覗いているのは嬉しいんだけど、かなり上昇してきた気温と、濡れた路面から湧き上がる湿気が纏わりつき、既に体中汗だくになってしまっている。あ、暑い・・・しかし、ここまで歩いてきたからにはもう後には引けねーぞ(笑)。

 しばらく進むと、パワーショベルが止まっている地点で行き止まりになっていた。このパワーショベルに書いてある名前って、確かR299沿いの木工の工房だよな?なるほど、ここんちが木材を調達するための作業道ってことか?

 さあ、行き止まりを確認したので、BAJAのところまで戻るとしよう。あー、あの下に見える道まで戻らなきゃならんのか・・・。

 BAJAに跨り、起点まで戻って橋の上でメモを取っていると、道の向いの民家から一人のおじさんが歩いてきて、橋の下の川に下りて農具を洗い出した。

 実はこの分木線、標識の文字を見ると、真ん中の縦棒が下で跳ねているので、今までずっと分「」線だと思ってたんだけど、横棒がまっすぐ繋がってるように見えるので「」にも思え、正直どっちの文字なのか判別がつかなかったのだ。分水嶺の「分水」だとすると、ちょっと素敵な名前な気もするけど、こんな中途半端な地点で分水嶺もないだろうし。うーん、悩ましいぜ旧タイプ。

 橋の上からこのおじさんを見ていて、ふと思った。そうだ、地元のおじさんならこの林道の正しい名前を知っているかもしれない・・・。

「すいませーん、この看板の名前、なんて読むんですか?」
「あぁ、ブンギ。林道分木線。」

 わお!即答だよ!ブラボー、おじさん!!

「あ、分『木』なんですね、ありがとうございます。『水』かと思ってました。」
「行き止まりだよ」
「あ、今行って、行き止まりで引き返してきました(笑)。」

 いやー、さすが地元の人だ。長年の謎が一気に解決したよ(笑)。
 分木線の読みの判明に気を良くして、次の林道へと向かうことに。

 恐らく林道松倉線と思われる舗装路。ここを進んでいくと途中でコンクリート舗装となり、路線図では行き止まりだと思っていたのだが、最後は林道権現堂線に接続する。

 続いてやってきたのは林道間野線。ここも先ほどの分木線と同じく、訪れるのは4年ぶりだ。ここは以前のままなのか、それとも分木線のように、新たに開削が進んでいたりするのだろうか。

 相変わらず蒸し蒸しとする林の中を進んでいく。確かここは本線は最後まで舗装路だったはず。

 記憶の通りの舗装路を終点まで来ると、先に来ていた軽トラからおばさんが下りてきて、何か作業をし始めた。何してんだろう・・・と思ったが、向こうは向こうで何やら怪訝そうにこちらの様子を窺っているようだ。別に何らやましいことをしているわけではないが、なんだか気まずいので早々に立ち去る。

 終点から引き返し、続いて本線の途中で分岐する林道間野支線へ。

 こちらは起点から未舗装だが、周囲は鬱蒼として路面には草も生い茂り、やや廃道っぽい雰囲気。

 途中で見かけた、岩を削り取って道を拓いた地点が印象的。これを造るのは相当大変だったろうなぁ。

 やがて、車道の終点と思わしき地点に到着。すでに路面は雑草だらけで、もう久しく人が訪れていないような雰囲気を醸し出している。

 道の脇に転がっていた看板を見ても、確かにここが道路としての終点となっている。

 しかし、その先をみると、堰に沿ってまだ道が伸びている。雑草に覆われ、路面の判別は困難だが、ちょうど同じ場所を、4年前に訪れたときに撮った写真があった。

 これがその写真。この時はまだ堰を造ったばかりのようで、道も開削されたばかりの真新しい雰囲気だったが、4年もたつとこんなに変わってしまうんだな。

 さて、間野線を引き返して次へ向かおうとしていると、突然ポツポツと雨が降り出してきた。さっきまであんなにいい天気だったのに・・・。



 間野線を抜け、隣に起点のある林道阿寺線の起点に生えた大木の下で雨宿りをしていると、次第に雨脚が強くなってきた。合羽を着こみ、この後どうしようか考える。もう帰ろうかとも思ったが、少し待ってみると、雨脚も弱まってきたようなので、このまま阿寺線を抜けて、鎌北湖のほうへ向かうことにしよう。

 久々の鎌北湖です。さすがにこんな空模様だからか、晴れ間こそ出てきたものの、湖畔にいる人もまばらで、ちょうど腹も減ってきたので、ここで昼飯を食べて少し休憩。この後は、やはり4年ぶりとなる林道を走って帰ることにしよう。

 鎌北湖から林道権現堂線方面に向かい、そのまま権現堂線の右手に分岐する道を直進すると、目的の林道阿諏訪線に到着。

 路面は100m程の舗装の後、すぐに未舗装に変わる。少し進むと、策で囲われ、「送電線工事中」とある地点に出た。その奥には、まだ建ったばかりと見える鉄塔が立っている。よく見ると、向こう側にはまだ電線が張られていないようだ。

 この阿諏訪線、4年前に走った時は、真新しい砂利が深くてなかなか走りづらい印象だったが、久々に訪れてみると、路面もだいぶ締まってかなり走りやすくなっていた。

 それとは対照的に周囲の風景は、ガードレールなども草に草に覆われ、かなり鬱蒼とした雰囲気に変わり、時間の経過を感じさせる。

 約1.1km程の道のりを経て、阿諏訪線を抜けてきた。写真の向かって右手に、林道阿諏訪支線が伸びているので、ついでにそっちも走ってこよう、と思ったのだが・・・。

 ありゃ、つい最近倒れたように見えるが、倒木がガッチリ道を塞いでいる。ちょっと手で動かしてみたけどびくともしそうになかったので、ここはあきらめるか。

 この阿諏訪線と阿諏訪支線の分岐点にあった道標。「ガニ穴林道」って何だ?この道の地元の呼び名か?それとも「ガニ穴」と「林道」は別物なのかな?阿諏訪支線のほうも「林道」としか書かれていないし・・・。

 このまま、県道へ下って今日は帰ろう。ただ、その前にもう一本、途中で分岐する林道があるので、最後に立ち寄ることにしよう。

 林道阿諏訪坂線です。って、あ!標識がなくなってる!!

 と思ったら、こんなとこに立て掛けてありました。こんなの誰も気づかないよ・・・。
 で、道自体は相変わらずこれといった特徴もない舗装林道でした。一応400m程先の終点まで行ってみたけど、終点標識の写真を撮っていたら、終点脇に建つ民家の人に、物陰から怪訝そうに見られてしまいましたとさ。おしまい。