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去年、知り合いから小川町に「官倉林道」という路線があるということを聞いていた。しかし、その直後から仕事が忙しくなってしまい、その後、官倉林道のことはすっかり忘れたままになっていた。最近になってふとそのことを思い出し、webで色々調べてみたのだが、「官倉林道」として検索に引っかかったのは、小川町が平成17年に発行した、「小川町50年のあゆみ」というpdf書類のみで、それによると、官倉林道は昭和49年に開通したということだけが記されている。他には、ハイカーのブログなどに、官ノ倉山を巡るハイキングコースの途中に、林道の存在が示唆される記事が幾つかヒットするのみ。官倉林道についての詳細な情報は全くと言っていいほど見つけられなかったが、幸い、その知り合いから大まかな場所のヒントだけは聞いていたので、近場の探索なら冬の今のうちにやっておこうと思い、今日は小川町まで出掛けることにした。 冬の朝の寝床の心地よさに抗えず、10時という遅めの出発。R254を進み、目星を付けておいた老人ホームへと折れる道を進んでいく。そのまま直進すればお目当ての官倉林道に着くのかと思っていたのだが・・・。 ・・・は? いきなり通行止めッスカ、そりゃないぜ・・・。今日の目的地であるはずの道がいきなり通行止めだという事実が信じ難く、そのまま隙間をかいくぐって進んでしまおうかとも思ったのだが、コンクリートの足のついた重厚な車止めの隙間は、BAJAが通るには微妙に幅が足りない。 悔しいので柵の向こうを少しだけ歩いてみたが、どこまで延びているのか、ひたすらこんな感じの廃道が続いていた。どうやらかつてこの辺りで、ゴルフ場を造ろうとして途中で頓挫した計画があったようだが、その為に造った道なのだろうか。これはこれで興味があるが・・・。 ただ、事前に調べていた感じでは、官倉林道は未舗装林道のような感じだったので、まだ諦めきれずに他の道を探すことに。ちょうど通行止めの地点から左手に延びる道があったので、そちらへと進んでいく。 道の脇には、ハイキングコースを示す道標も建てられていて、さっきの通行止めの道よりも、こっちの道のほうが、確かに「らしい」っちゃあらしいが・・・。 道端に落ちていた道案内には、直進方向が官ノ倉山方面と書かれている。方向的には間違ってはいないはずだ。とりあえずこのまま進んでみよう。 おっと未舗装路きたー!やはりここか!? ・・・違う。絶対ここじゃない・・・。 案の定、道はすぐにシングルトラックとなり林の中へと消えていった・・・。 道の脇の貯水池には薄氷が張り、冬の山の美しさを演出しております。それはともかく、残念ながらここも目的の道ではないようだ。 こりゃあ改めて調べてから仕切り直しかな・・・と思いながらここを引き返す途中、雑木林の中で作業をしているおじさんを見かけた。地元の人ならもしかして官倉林道のことも知っているかもしれないと思い、近付いて声を掛けてみた。 「すいませーん、この辺りに官倉林道ってありませんか?」 「官倉林道・・・(今、俺が走ってきた方向を指さし)こっちからも行けるんだけど、もっと向こうから回って行けるよ。」 「え、こっちからも行けるんですか?」 「あー、でも、バイクじゃちょっと無理かなー。」 「(あぁ、こっちってのは登山道のことね・・・)さっき、老人ホームのほうから来たら通行止めの道があったんですけど、あれは・・・」 「あ、それは全然違う道。」 「あ、あそこは違うんですね(あー良かった)。」 「どこへ行きたいの?」 「どこへ行くっていうか・・・単にその道を走ってみたいだけなんですけど(やった、今日はちゃんと言えたぞw)。」 「今来た老人ホームに入る道あったでしょ?あそこからもう少し、200mくらい先に行くと、モトハシ食品ってのがあるから、そこを左に曲がって進んでいくと林道のほうに行けるよ。ただ、バイクだとどこまで行けるかなぁ?」 「わかりました、とりあえず行けるところまで行ってみます!」 と、親切に教えていただいた。こういうところで会う人ってホント、みんなやさしいよなぁ〜。 おじさんに丁寧にお礼を言って、元のR254へ出て、教えてもらった方向へと進んでいく。 あ、あれだな。信号脇の建物の屋根に看板が見える。近付いて名前を確認すると・・・。 いし本食品・・・。「モトハシ」じゃなかったよおじさん(笑)。ともかく、ここで間違いないだろうと、この道を左折して民家の並ぶ中を延びる道をしばらく進んでいく。はたしてこの先に官倉林道はあるのだろうか・・・。 やがて、道が180度Uターンして未舗装路になった。 ただ・・・なんとなくだが、ここはまだ林道ではないような気がする。林道というより、集落を繋ぐただの未舗装路のような・・・ホントになんとなくなんだけど。 ん・・・何だこの建物?特に入口も見当たらないんだが・・・。しかも、既に使われていないようで、道沿いに柵も立てられ、中に入ることもできないようだ。それでも取り壊さないのは何らかの理由があるのだろうか・・・。 続いて、道の片側が開けた地点に出た。 どうやら棚田のようだが、みたところ結構荒れた様子で、ここも既に耕作が放棄されてしまっているのだろうか。 そのすぐ先で、右手に折れる道が現れた。 道脇の道標には、直進すると小川町の駅、右折で官ノ倉山に至ると記されている。 ただ・・・このハイキングコースってのが気になるんだよなぁ。実際ついさっき、ここをハイカーの団体が下りて行ったばかりだし。バイクで入って行っていいものかどうか・・・。路面の様子では車道なのは間違いないんだけれど。 と思ったら、後ろから来た車がそのままハイキングコースの方向へ進んでいった。ええっ、そこ、車で入って行って大丈夫なの? とりあえず、小川町駅方面に直進してみるが、すぐ先で舗装路になってしまったので引き返し、さっき車が進んでいった、官ノ倉山方面へと分岐する道へと進んでみる。なるべくならハイカーの邪魔はしたくはないが・・・。 事前に調べたときにヒットしたハイカーのブログによると、官ノ倉山から下る林道の途中には、林道の開設記念碑が立っているとの情報があったが、果たして・・・。 あ、あった。 ビンゴ!官倉林道開設記念碑じゃーい!さっきのおじさん、ありがとう!ついに見つけましたよ官倉林道を! そして、もしやと思い裏面に回ってみると、やはりこの林道の成り立ちが記されていた。
なるほど、通常の農林振興センターなどが管理する民有林林道と違い、どうやら地元の有志が中心となって開設した道のようだ。どうりでなかなか情報が見つからないわけだよ。ともかく、開設から40年近くが経った現在、「林道の維持管理の万全」という面においては、ハイキングコースとして利用されることによって今なお叶えられていると言えるだろう。 ようやくこの林道の詳細を知ることが出来て一息ついたあとは、更に奥へと進んでみよう。 あ、さっきの車・・・。 登山届を出すためのポストも設置されている。どうやら登山者はここに車を停めて官ノ倉山へと登って行くこともできるようだ。 そのすぐ先に、石灯籠の脇から山の斜面を登って行く石段がある。 ここには北向不動と三十六童子が祀られている。石段を登って行くと三十六童子に至り、この石灯籠から道を挟んだ対面に北向不動が彫られた石碑があった。 更に先へと進んでいくと、先行するハイカーの姿が見えてきたので、ここでBAJAを下りて歩いて進んでいく。 路面は所々で沢から流れる水が凍りついているので注意が必要なンだっ! BAJAを下りて歩きだした地点からすぐに、車道の終点となった。 更に、この林道終点の奥から登山道が続いているようだ。いつの日になるかは分らないけれど、自分もいずれはここを歩いて登ってみたいものだ。 ほほう、かなり本格的な訓練をしているようだけど、「登山者皆様の御協力」ってなんだろう?まさか訓練に参加しろ、ってことじゃないよな(笑)。 ようやく念願だった官倉林道の探索が終了。この後は、R254を更に八高線沿いに進み、寄居町に入ったところに残る未踏の林道を走りに行く。 途中で通過した林道梨子ノ木線にて。舗装林道ながら、ここからの眺めは結構好き。 その先で、八高線の折原駅脇の踏切を渡り、南西方向へ進んでいく。ここを直進すれば、次の目的の林道に着くはず。 ・・・採石場に着いちゃったよ。 んー、っかしいなぁ、道はこっちで間違ってないはずなんだけど・・・と、ふと脇を見ると、左手に何やら怪しげな未舗装路が延びている。 立て看板には、「町道」と書かれている。俺が探しているのは林道なんだけど・・・とりあえず他に道もなさそうだし、こっちへ進んでみるか。 ・・・思いっきり構内に入っちゃってないっすか? いや、道はまだ先に続いているようだ。こうなりゃもう構わず進んでやる。 あ、出た。 ようやく見つけた!林道栃谷線です。 早速先へと進んでみると、最初のうちは気持ちのいいストレートが続いている。 ひぃ〜〜〜。日付を見ると、ちょうど明日までの1年間のようだが、とりあえずサイレンは聞こえなくて良かった・・・。 その後、何故か100m程の舗装路を挟み、起点から500m程進んできた地点で・・・。 路面凍結きたー! まぁ路面凍結とはいえ、ほんの一部だけなんだけど、よーっく凍りついてます。氷の上にBAJAを乗せて写真でも撮ってみようかとも思ったけど、試しに足を乗せてみたら、まあよく滑ること。なのでBAJA君は氷を避けて通過です(笑)。 で、この地点は支線との分岐点なのだが、まずは本線を終点まで行ってきます。 その分岐点からすぐ先で、栃谷線の終点となっていた。路面はなにかで穿り返されたようにボコボコしている。良く見ると霜柱のようだが・・・。 霜柱っていうか、氷柱?地面の中から、氷の塊が思い思いの形で土の表面を持ち上げている。試しに上に乗ってみたが、ガチガチに凍りついた霜はびくともしない。 うーん、ピンボケなのが悔しいが(笑)、こんな霜柱って、どうやって形作られるんだろう。 不思議な霜柱を見た栃谷線の終点を引き返し、続いて林道栃谷支線です。 起点の脇には、白いポールだけが立っている。かつては起点標識が付けられていたのだろうか。標識が落ちていないかと辺りを見回して観たが、残念ながらそれらしいものは見当たらなかった。 早速先へと進んでみると、こんな奥まった場所の林道の更に支線の割には、路面は荒れていることもなく、穏やかで走りやすい。 道は短い距離の間で九十九折を繰り返して高度を上げていく。 そして起点から300m程の地点であっさり終点となった。これにて本日の林道探索は終了! 今日は覚悟してたほどの寒さは感じなかったけど、午後からは陽の傾くのも早いし、本気で寒くなる前にさっさと引き返すとするか(笑)。そろそろ腹も減ってきたし、途中でラーメンでも食って帰ろうっと。 |