林道で春の兆しを感じよう
2021/04/11 群馬県桐生市の林道-@
 
 今日は、元々先週末に行こうと思っていた、群馬県桐生市エリアの林道へ走りに行くことにした。ただ、このエリアはそもそも林道を目当てにしていたわけではなく、まず「とある物件」を見に行きたいという動機があり、その周辺で良さそうな林道をいくつかチョイスしてみたというわけだ。
 そして、今日はまずその「とある物件」にやって来た。
 
 それがここだ。
 
 ここがその「とある物件」である、上毛線第104号踏切だ。遮断機は無く、柵で仕切られて歩行者だけが通行できるようになっている。
 
 場所は、富士山下駅のすぐ東側に位置している。さて、この踏切の一体何が目的なのかと言うと。
 
 この踏切警報機は、電鈴式(打鐘式)警報器というもので、上部先端に付いている警報音発生器から機械的に音を鳴らすというものだ。
 先日、とあるテレビ番組で、同じく打鐘式の電鐘式警報器が紹介されていたのをたまたま見て、その「カンカンカン・・・」という素朴な音色に聴き惚れてしまい、その後自宅から一番近場そうなこの電鈴式踏切の存在を知り、直接その音を聴きたくてやって来た。
 
 線路は、渡良瀬川を渡ってこの踏切を通過して駅へと至る。ここで周囲を見回したりしていると、到着から5分ほどで、遠くの踏切警報機が鳴る音が聞こえてきたので動画を撮ってみた。是非、この警報機の音色を聞いて欲しい。
 
 青空の下で聴く、この「キンキンキン」という素朴な音色が心地よく耳に響いてきた。電車が通り過ぎるとすぐに止んでしまうのも(当たり前だけど)儚さがあってとても良かった。
 
 電車が通過したので、もうしばらくは警報機も鳴らないかなと思い、周囲の物件を眺めて過ごした。
 踏切の向かいにある建物の屋上の手すりに取り付けられたこの看板、事前にストリートビューで見たときに、絶対これも写真に撮って行こうと思った。いまはもう使われてはいないようだが、かつてはきっと、あの周囲に取り付けられた黄色い電球が、ひとつ置きに点滅なんてしてたんだろうなあ。素敵すぎる。
 
 その建物の壁際には、こちらももう使われなくなったカップヌードルの自動販売機が放置されていた。色褪せたサンプルが味わい深いぜ・・・。
 
 そんなものを見つつ、警報機の音もちゃんと聴けたし、そろそろ林道へ向かおうかと思ってBAJAのエンジンをかけて走り出すと、駅の向こう側の踏切が鳴り出したので慌ててBAJAを停めてもういちど動画を撮った(笑)。
 
 電車は渡良瀬川を渡り走り去った。さあ、俺も林道へ向かうぞ!
 
 まずやって来たのは、先ほどの踏切から20分弱、県道338号線を最奥まで進んだ地点から分岐する林道赤柴線。上の写真は戻りに撮ったものなのでBAJAがこっちを向いているが、林道はここを左折して進んで行く(ちなみに奥へ向かっている道はこの地点で通行止め)。
  この地点は登山口ともなっているらしく、道沿いにはハイカーの乗って来た乗用車がいたるところに停まっていた。
 
 このエリアの林道を走るのは初めてだ。どんな道が待っているだろう。さっそく行ってみよう!
 
 沢に沿って伸びる道は、300mほど(だったかな?)で未舗装に切り替わる。こんなところにもハイカーの車が停まっているが、道にはときおりハイカーも歩いているので気を付けて走って行こう。
 
 小さな橋を渡って道は対岸へと移る。明るい陽射しと芽吹き始めた新緑、それを写し取る水面がとても印象的で、林道に入ってまだ僅かなのにさっそく写真を撮るための足止めを食らう(笑)。
 
 冬から春へと移り変わりつつある空気の中に佇む、道を通すために切り取られた岩肌がとても好い。
 
 ここでは大岩を回りこむように道を通している。
 
 カーブの先に見えた川沿いの石垣がとても印象的だったので、川を渡って撮ってみた。まだ数百mしか走っていないと思うが、目に留まる景色が多く、ついつい停車を繰り返してはシャッターを切る。
 
 その先で、大きく民有林林道と書かれた、この赤柴線の看板があった。なぜこんなに民有林林道であることをアピールしているのだろうと思ったが、後から気づくのだが、この辺りは国有林林道も多く存在しているようなので、そのためなのかも知れない。
 
 その先で、沢に沿って構造物が設置されていた。
 
 恐らく水路か何かだとは思うのだが、あのホイール状のものは何だろう?近くまでは寄れなかったのだが、気になるな・・・。
 
 なだらかな斜面に囲まれた谷を縫うように道は伸びていき、新緑を透かして降り注ぐ陽の光が路上を明るく照らし出す。春の暖かな空気に包まれているこの空間がとても心地よい。
 
 その先で、路面が川底状に荒れている地点が出てきた。大きめな石くれの転がる区間を過ぎて、そろそろ道も終わりかな・・・と思っていると。
 
 何と、その先、起点から約1.5kmの地点で道は突然舗装路に切り替わった。ここまでの赤柴線は地図に道が描かれていなかったこともあって、てっきり行き止まりの道だと思い込んでいたので、初めこの舗装路に出たときは状況が飲み込めなかった。これは、どこかに抜けているのか?
 そして、舗装路は写真手前方向に伸びているのだが、ここから写真左手に分岐するもうひとつの道があり、この分岐地点には林道赤柴支線の標識も立っていた。
 
 これがその赤柴支線の入り口だが、残念ながらチェーンゲートで閉鎖されていた。この先にも楽しそうに見える道が延びているようだが、入れないものは仕方ない。奥へと進む本線を進んでみよう。
 
 そう思ってそこからさらに200mほど進むと、左右に伸びる、かなり高規格で造られた道に突き当たった。
 
 この道はなんなんだろう。この次に向かう林道は、方向的にはここから右手方向にあるのだが、残念ながらそちら方面はバリケードで閉鎖されている。
 
 もっとも、後から地図を見てみると、ここを進んでも現状この先で道は途切れているようだ。そして、反対方面に進むと目的地から遠ざかってしまうだけなので、ここは赤柴線を引き返していくしか無さそうだ。ってか、もともと行き止まりの林道だと思っていたから何も問題は無いんだけどね。
 
 で、「なんなんだろう」と思ったこの道だが、ここに停めてある(これもハイカーのものと思われる)車の陰に、林道の標識が支柱から外れて落ちていた。これがこの道を示すものかな。
 
 林道梅田小・・・むむむ、読めん・・・。で、後から調べたら林道梅田小平線、というらしい。
 とりあえずここは当初の想定通り来た道を戻ろう。
 
 この赤柴線、未舗装区間延長はそれほど長いわけではないけど、雰囲気の良い林道でとても好かった。あと、繰り返すけどこの林道、普通にそこかしこにハイカーが歩いているので、もし走りに来ようと思っている人はくれぐれも気を付けて・・・。
 
 次の林道へと向かう途中、コンビニの向かいの家の塀に付いていた桐生中央デパートの看板。相当古そうなものに見えるけど、帰宅後に調べたら、このデパートは既に存在していなかった。それでも、これから先もずっと「見やすく気やすく買いやすい」デパートであることを地域の皆さんにアピールし続けるのだろう・・・。
 
 さて、続いてやって来たのは、先ほどの県道338号線から東に1本移動した県道66号線沿いから入っていく林道岡平線。先ほどの赤柴線はかなり雰囲気の良い林道だったが、こちらはどんな道が待っているだろう。
 
 起点から約200mで路面は未舗装に切り替わる。先ほどの赤柴線と違い、こちらは頭上に空の開けた開放感のある区間が続いている。
 
 降り注ぐ陽光に照らされて、芽吹き始めた新緑も鮮やかに輝き、周囲にその色彩を溶け込ませる。
 
 今日めちゃめちゃ天気いいなあ。もともとこのエリアは先週末に走りたいとは思っていたものの、雨で土曜しか走れなそうだったから八徳の一本桜を選んだけど、一週明けてこんなにいいコンディションになるなんて、諸々いい感じに収まったなー。
 
 そうして幾つかのカーブを抜けてくると、突然斜面が伐採されて広々とした地点に出た。その奥に見えている山肌は、既に鮮やかな緑に包まれている。
 
 おおお!春だ!林道に春が来たぞ!
 
 思えば前回ダート林道を走ってから既に2ヶ月近く経っているわけだけど、その間に山の景色はこんなにも様変わりをしていた。2〜3月頃の、春に向けて生命力を蓄えているような山の雰囲気もとても好きなんだけど、こうして新緑が芽吹いて活力が漲っているような山も、これはこれでやっぱり嬉しくなってしまう。
 
 そして、起点から約1.7km(未舗装に切り替わってから約1.5km)で、道は突然ぷっつりと途切れるように行き止まりとなった。先ほどの赤柴線もそうだったが、距離的には決して長くはないのに、今日は満足感が半端無いぞ。それは冬が終わり春となって走る最初の林道ということもあるだろうし、初めての林道をこんなにいい天気の中で走れていることも理由のひとつにはなっているだろう。
 
 うーん、こんな景色を見せてくれる岡平線、めちゃめちゃ良いじゃねぇか!実際の距離以上に充実感があったけど、恐らくここでも頻繁に停まってシャッターを切っているからそう感じたのだろうな(笑)。
 
 この岡平線からは、現在幾つかの作業道が分岐しているが、そのうちのひとつの名前がちょっと目に留まったので写真に撮ってみた。
 
 水無改良1線・・・やけに機能的な名前だ。
 
 この岡平線を一旦県道66号線まで引き返し、次の林道へ向かおう。
 
  続いては、県道66号線を少し北上した先で分岐する県道343号線に入り、その際奥で道なりに続く高沢林道へやって来た・・・が、ここは国有林林道で、この写真で見えているカーブの先でゲート閉鎖となっていた。うーん、事前にこのエリアの林道を調べたときに見た情報では、民有林林道か国有林林道かの区分けが無かったから、ここへ来るまで分からなかったんだよなあ。この県道343号線を上って来たのは全くの無駄足になってしまった・・・。
 それと、この高沢林道の起点の手前は、地図には描かれていないが、先ほどの赤柴線の先で見た舗装路のような高規格の道との十字路となっていた(その様子は、航空写真には写っている)。
 ただ、その道は現状左右どちらも行き止まりとなっているようだ。恐らく左手の道は先ほど見た通行止めの先の区間と繋げるつもりなのだと思うし、右手の道と合わせていずれこの山腹を横断する道を完成させるつもりなのだろう。地図に道が描かれるのはその後かな・・・?
 
 というわけで、この県道沿いでは何の成果も無かったので、途中で見かけた八重桜の手前で写真だけとって引き返すよ(笑)。
 続いてはまたしても県道66号線まで引き返し、さらに1本東側の道へと入って次の林道を目指す。
 
Aへ続く。