紅葉の林道・・・は、どこ?
2021/10/24 山梨県山梨市〜長野県川上村・林道川上牧丘線
 
 10月も下旬になり、場所によってはそろそろ紅葉の便りも届く時期になってきた。家から割と近場の林道で言えば、そうだな、川上牧丘辺りはそろそろ紅葉にはいい頃合いかもしれない。川上牧丘のカラマツの黄葉、綺麗なんだよなー。
 
 というわけで、本日は林道川上牧丘線にやってきた。川上牧丘を走るときは、秩父から中津川林道を通り、長野側のダートを走って大弛峠に至るのが黄金ルートなのだが、生憎現在は中津川林道が一昨年の台風災害の復旧工事で通行止めのため、山梨側の舗装林道から大弛峠を目指す。
 
 途中、路面工事のため未舗装になっている区間などもありつつ、峠に近づいていくと、徐々に路肩に白いものが見え始めた。はじめは霜かと思っていたが、どうやら雪のようで、標高を上げるにつれ、木々の葉に積もる雪も次第に多くなってきた。
 
 そうして峠の手前2kmほどまで上がってくると、突如路面が凍結した箇所が現れた。
 
 とりあえずここは難なく通過できたが、こっちは紅葉狩りの気分で来ていたので、まだ10月にこんな光景を見たのはちょっと意外だった。さすが一般車両の通行できる日本最高所の峠だけはあるな・・・。
 そんな光景も見つつ、俺は長野側の紅葉の色づきがどんなもんか楽しみすぎて、山梨側は写真もそこそこに急ぎ足で峠を目指していた。
 
 さあ、大弛峠に着いたぞ!ここでこんな雪景色を見るのは初めてだ。
 
 林道の終点標柱を覆うように生える木にも、しっかりと雪が積もっていて、なんだかクリスマス感ある。ただ、この積雪はこの峠がピークで、長野側に下り始めればもう雪はないんじゃないか、そうこの時は思っていた。なにせ、こっちは紅葉を見ることだけを考えて走ってきていたからね・・・(笑)。
 
 だけど、峠を越えた瞬間、山梨側とは比べ物にならないくらいの雪が残り、周囲の景色は冬のそれに様変わりしていた。ちょっと一気にテンション上がったよね(笑)。
 
 うわあ、綺麗だなあ。雲一つない青空に、白い雪を纏った木々がよく映えるぜ。これはもしかしてめちゃめちゃいいタイミングで来れたのではないか?
 
 道の外に見える山々の姿もとても綺麗で、ここでちょっとここからの景色に見惚れてしまった。たぶんこのまま下り続ければもう雪は途絶えるだろうけど、冬季閉鎖前に思いがけずこんな景色を見ることが出来て良かったなあ。
 
 (それはそれとして、峠直下のダート区間って、あんなにガレてたっけ?何だか今まで通った中で最高レベルに荒れてた気がするのは気のせいか・・・?)
 
 ・・・しかし、雪景色に浮かれていたのも束の間!その先でも日影となる区間にはガッツリと雪が残っていた!
 ちょうどこの地点に着いたとき、3台のバイクのグループ(うち1台はNot オフ車!)と、1台のソロの方がいて、この先の様子についてちょっと話をしたんだけど、ソロの方は荷物満載だったので、もうここで諦めて引き返し、グループのほうは「たぶんあのカーブ抜ければ大丈夫でしょ」と言って先に進んでいった。
 
 これは、一旦歩いて先の様子を見に行って撮ったものだが、一つカーブを抜けてもまだ雪は残っていたが、確かにこの先でこれ以上積雪があることも考えにくいような気はする・・・。
 
 そのグループの人たちも、慎重にゆっくりとではあるが下っていくのを見届けて、俺も行ってみるかという気になって、一旦はUターンさせたBAJAにまたがり先へと下ることにした。
 
 カーブを超えて日向の区間に出ると、雪化粧をした木々が陽を受けて鮮やかな景色を作り出していた。BAJAから降りて写真を撮っていると、そよ風に吹かれて木の枝から舞い落ちる雪の結晶がきらきらと輝いて、本当に綺麗なんだ・・・。
 
 そんな景色にうっとりしながら進むが、やはり日影に入れば路面には一面の雪が残っている。まあ、このくらいなら転倒の心配もないと思うが、とりあえずバイクを問題なく停められそうな場所を見つけては写真を撮りつつ下り勾配の道を進んでいく。
 
 これは再び日向に出て、その先の雪が途切れて見えたので、ここが最後の雪景色かな、と思って撮った写真。
 
 これでやっと心置きなくカラマツの黄葉を堪能できるかな?ここまで思いがけない雪景色だったけど、いいもの見せてもらったよ!
 
まだあるジャーン!!
 
 途中、峠に向けて上ってきた人に、この下でまだ雪ありますか?と聞いたところ、「この下のカーブのところで凍結してるので気を付けて」と教えてもらった。えっ、この先にもまだあるのかよ、ってか、凍結??
 
 そこから少し下ると、そのライダーが予告していた凍結区間に着いた。ここには先ほどのバイク3台のグループも停車して様子見をしていたが、その下、写真で見えているカーブの先で1台の乗用車が凍結にタイヤを取られスタックしていた。
 
 上で停まっていた4駆の人と一緒にスタックした車を押して、なんとかその車は凍結を脱してバックで引き返していったが、次は俺がここを下っていくのか・・・。
 
 4輪は転ばないだろうけど、バイクはそうは行かないし、こんな足場のツルツルな場所で転倒しようものなら、うちの重たいBAJA君を引き起こすのも一苦労だ。今日のこの道なら誰かしら通るだろうからヘルプしてもらうことも可能だろうけど、林道ライダーが端から人の手伝いを期待して進むわけにはいかんのじゃ!
 
 バイク3台のグループも、「この先はもう大丈夫でしょ」と言いながら下り始めた。あれ、それさっきも聞いた気が(笑)。
 その人たちが凍結を避けるように路肩の白い部分を通過していくのを参考に、俺も同様に道の端を通って無事凍結区間を通過。
 
 凍結を超えてようやく景色を愉しむ余裕も戻り小休止。ふう、心臓が痛くなったぜ(笑)。
 
 確かに、一昨日くらいには雨も降っていたし、数日前から横手山の辺りではすでに積雪のニュースも入ってきていたので、標高の高い大弛峠超えなら雪になっている予測も立てることは可能だったと思うけど、こちとら頭の中はカラマツの黄葉のことしか考えていなかったからなあ。
 
 ふと振り返って、白く染まる木々があまりにも美しくて思わずシャッターを切ったんだけど、変な光が入っちゃった・・・。
 
 さて、そろそろ腹も減ってきたのでどこかで飯にしようと思いながら下り、そういえば先日みやさんがあの堰堤の上で飯にしてたっけなあ、と思い、俺も行ってみようと思ったんだけど、手持ちの荷物を持って行くのが思いの外大変で、あそこに辿り着くのは諦めてしまった(笑)。
 
 というわけで、堰堤の上ではなく手前で飯に。
 で、この後は、本当だったらこの川上牧丘を往復してもう一度山梨側に抜けて、秩父を抜けてあと何箇所か林道を回って帰ろうと思ってたんだけど、俺にはあの凍結を超えて上っていくのは無理だと思う(笑)。というわけで、今日はここを下り切ったらもうそのまま帰路に着こうと決めた。
 
 飯を終えて再び走りだす。さすがの路面を覆うほどの雪はもう見られなかったが、道の脇にはまだ雪が積もったままの場所も残っていた。
 
 でね?肝心の、今日本来の目的であったカラマツの黄葉はというと、そのピークにはまだまだかかるような感じだった。今年は色づきが遅かったのかな。
 
 ここは川上牧丘の中でも特に好きな場所なんだけど、黄葉も染まり切らないうちに雪が積もったこんな景色を景色を見ることになるなんてなあ。とても貴重な光景を見られた気がする。
 
 例年だったらもうこの時期は、路面がカラマツの落ち葉で橙色に染まっていてもおかしくない頃合いだったと思うんだけど、周囲の木々はまだ緑の色合いの残るその葉を纏っていた。
 
 ただ、黄葉のピークには至っていなくても、夏とは違う林道の色彩を感じることが出来たのはやはり嬉しい。
 
 いつもの場所にも立ち寄り。今日はすっきり晴れてて良かった。
 
 そんなこんなで、凍結を乗り越えたりしながら、長かったんだか短かったんだか、ダート区間が終了した。
 
 金峰山川沿いで一枚。この辺りで飯も良かったかなー。
 
 ダートは抜けたけど、そこからの舗装区間も風情があって好きなんだよね。
 
 この白樺の林立する区間も特にお気に入りなのだ。
 
 その先で、木々が伐採されて視界の広がる区間に出た。おお、前回来た時はまだこんな感じではなかったはず。これは爽快な景色だ。
 
 川上牧丘を完全に下り切った。次に来るときは、中津川林道とセットでこちら側から上っていけることを願う。
 さあ、ここから鬼のような遠回りして帰ろうか。
 
 そんな、秋を一足飛び越えて冬の景色を堪能したツーリングでした。次回こそどこか紅葉の林道を走りに行けるかな?