行き止ま林道探検隊・2021Ver.
2021/02/21 埼玉県秩父市〜小鹿野町の行き止まり林道
 
 新しい味のカップ麺が出てるのを見るとついつい買っちゃうわけですよね。で、積み上がったまだ食べていない味のカップ麺を見ていると、それを食べるために林道へ行きたくなるんですよ。動機としてはなんだか本末転倒な気はするけど・・・(笑)。
 でも、どこへ行こうか。この時期にちょろっと行けるような埼玉の林道なんていま現在そのほとんどが通行止めだし・・・。なんて考えて、そうだ、何も通り抜けが出来る林道じゃなくても、行き止まりの林道っていう手もあるかもしれない。ちょうどここ最近は暖かい日も続いていたことだし、頭の中で、良さ気な行き止まり林道をいくつかピックアップして、ラーメンを持ってさっそく行ってみることにした。「行き止ま林道探検隊」2021Ver.のスタートだ!(探検隊っつってもソロだけど!)
 
 まず最初にやって来たのは秩父市の荒川贄川、県道37号線から分岐した先に起点のある林道大指線。ここも恐らく10年ぶりくらいになるのだとは思うが、途中で抜けの良い景色があったような記憶もあるので、途中でラーメンできそうな場所があるかどうかを見ながら進んでみよう。
 
 起点から100mほどの舗装区間へ経て路面は未舗装に切り替わる。以前来たときからさらに舗装化などはされていないようだ。
 
 行き止まりということもあり、普段からあまり通行量も多くはないのか、路面のほとんどを下草に覆われている。
 
 この大指線、南に面した区間が多く、降り注ぐ陽光が冬枯れた下草のベージュの色彩と相まって、実に明るく暖かみのある景色を生み出している。
 
 起点から500mほどの地点で、右方向に進む本線から、左手に分岐する道がある。林道大指支線だ。
 
 ここは、そんなに長くない道だった記憶があるが・・・戻るときにでも立ち寄ってみるか。
 
 その分岐地点には、斜面から転がり落ちてきたであろう大きめな岩がバリケードで囲われたまま放置されていた。そのバリケードの旧「荒川村」の表記を見つけてちょっと嬉しくなってしまった(笑)。
 
 日影に入る区間では、冬枯れた木々の枝の向こうに、雲ひとつない真っ青な空が広がっている。なんて美しい景色だ・・・。
 
 再び日向に出ると、斜面の木々は途切れ、開放感のある空間が広がる。
 
 そして、奥へと進むにつれて、路面を覆う下草もその割合を増してきた。ここはまだ轍が認識できるくらいには残っているが・・・。
 
 その先で、斜面から崩れてきた土砂で路面を覆われている場所があった。バイクなら問題なく通過できるが、4輪だと軽トラでもちょっと難しそうだ。それなりに長いこと放置されているような雰囲気はあったが、路面の状態とあわせて考えても、やはりもうあまり使われていない林道なんだろう。
 
 なんて思っていると、路面の下草はさらにモッフモフに(笑)。BAJAを停めようとスタンドを下ろしてみたけど、そのスタンドが下草に絡まって実に停めづらいのだ(笑)。
 
 そして、そのすぐ先で道は行き止まりとなった。総延長約1.7km、これも以前から全く変わっていないようだ。終点は本当にぷっつりと道が途切れているので、4輪で来たら転回が大変そうだ。
 で、ここは見ての通りモフモフの下草に覆われているので、火気を使うのは危険だと思うし、特段景色が良いわけでもないので、引き返して次へと向かうことにした。
 
 ただ、途中で見える開けた地点の景色は開放感もあってなかなか素敵ではある。晴れ渡った空と、2月にしては暖かな空気の中でこんな景色を見ていると、春が待ち遠しくてソワソワしちゃうね。
 
 そして、せっかくなのでこの大指支線にも立ち寄って行こう。
 
 ・・・と進んできたが、ひとつ上の写真に見えている直線区間をそのまま進んだだけで、僅か100mほどで終点となった。ここ、こんなに短かったんだっけ・・・(笑)。
 
 車道終点の奥の一段低くなった平場には木枠のようなものが残っていて、かつてここに建造物があったことを覗わせていた。ここが林道として利用されなくなってからどれだけの時間が経ったのだろう。ただ、現役の林道としての役割を終えて久しいと思われるそのわりには、道自体は非常にフラットで綺麗な状態を保っていたのが意外だった。恐らく傾斜もほとんどない立地であることも要因ではあると思うが。
 
 県道に戻りさらに北上し、続いてやって来たのは林道六葉線
 
 おお!ここの起点標識、まだ旧「両神村」の表記が残っている(両神村の名前は2005年に小鹿野町と合併して消滅した)!秩父の林道なんかは、旧荒川村の表記がある林道標識は、そのほとんどをシールで「秩父市」と書き換えられてしまっているが、こうやって当時のままの状態で残されているのは本当に素晴らしいと思う。
 
 起点から2〜300mほど(?)で路面は未舗装に切り替わる。
 (ちなみに今回、(以前来たときの記録があるだろ)と思って舗装区間の延長を計っていなかったのだが、帰宅して改めて見てみたら前回も計っていなかったようだ・・・(笑)。)
 
 この六葉線、舗装区間には民家もあり、途中であるものを栽培しているので、それなりに人の往来はあるのだろうが、その先の未舗装区間でも綺麗な路面情況を保っていたのはまた意外だった。
 
 道は落ち込んだ谷に沿って延びている。元々は沢だったのだろうが、今は水が枯れているように見える。
 
 そして、起点から約800m地点で終点となった。ここは4輪でも転回が楽な程度には広くなっている。
 
 その道の奥では、岩壁にそって流れる、と言うよりは湿らす程度の沢水が伝っていたが、その水はそのまま終点の下を通して谷へと排出されているようだ。ただ、ここは道から少し下った位置にあり、顔を出してもその排水溝が見えない・・・。
 
 なので、足元に注意しながら手を伸ばしてカメラで何とか撮影。この水路が先ほど見た谷へと続いているようだ。
 
 この終点は、広さ的には申し分なかったが、谷の中の日影となっていたので、他にもっと良い場所はあるだろうと次の林道へ向かうことにした。それにしてもここの谷のひっそりとした雰囲気自体はわりと好きなんだよなあ。
 
 続いては県道37号線をさらに北上し、そこから県道279号線へと入った先にある林道柏沢線
 
 あ、「シールで書き換えられた標識」ってこういうやつね。俺があまり好きじゃないやつ(笑)。
 
 起点から約1.2kmで路面は未舗装に。ここまでの舗装区間には普通に民家が立ち並び、表に出ている爺様たちがこちらを見る、「知らん奴が来た」感をバリバリ放つ視線が突き刺さるぜ・・・(笑)。
 
 未舗装区間も、序盤は杉の植林帯の中を進んで行く。
 
 その植林帯を抜けると陽当たりの良い区間に出た。進行方向から陽の射すこのカーブの地点がとても素敵だ。
 
 途中にはちょっとした切通しもあり、思わずBAJAを停めてシャッターを切る。
 
 切通しから延びてくる枝は、もうすぐ訪れる春に向けて芽吹く準備を進めていた。この時期の、山が生命力を蓄えて春を待ちわびる空気感がたまらなく好きなのだ。
 
 谷底には、清涼な水を湛えた沢が流れている。
 
 やがて、起点から総延長約2km、未舗装区間およそ800mを経て終点に到着。ここは盛土で路面が均され、路肩には伐採された木も横たわり、現役でしっかりと管理されている林道の様子を見せていた。
 
 終点の脇には沢が流れ込んでいるが、その表面には僅かに氷が残っていた。
 
 ここ数日暖かい日が続いていたこともあり、この辺りならもう凍っているところなんてないかな、と思っていたのでこれも意外だった。
 さて、この終点も場所的には広くなっているのだが、ラーメンにする雰囲気ではないかな、と思ってさらに次の目的地へと向かうことにした。
 
 続いては、国道140号を大滝に向けて進み、大滝総合支所の近くに起点のある林道槌打線へ。
 
 ここは起点からの舗装区間が約4.9kmとそこそこ長く続き、一気に端折って未舗装区間までやってきたが、以前からは舗装区間は延びていなかったことが確認出来て一安心。
 
 カーブを超えて日向に出ると、路面は枯れた落ち葉に覆われ、抜けるような青空と相まって冬の林道の美しさをこれでもかと見せ付けてくる。
 
 さらに奥へと進むとガードレールは途切れ、山奥の林道といった風情をより際立たせる景色へと変わる。
 
 そしてここでも、あのモフモフが路面を覆い尽くしている。うっかりこのモフモフでツルンコして谷底に落下、なんてことだけは避けなければ・・・。
 
 そして、BAJAを停めた場所から少し歩いて振り返ると、遠くに連なる山の稜線まで見えてくる。
 
 

 
 ちなみにこれはいまから12年前に、ひとつ上の写真とほぼ同じ地点で取った写真。比較すると、谷側から生える木の成長具合が良く分かる(そして路面も全然モフモフしていない笑)。
 いまはまだ木々が芽吹く前の季節ということもあって、奥に見える山々も見晴らすことが出来るが、葉が茂りだす5月頃に来るとまた違った印象になるんだろうな。
 
 そこからさらに進むとモフモフは途切れるが、路面は特に荒れている様子もなく良好な状態を保っている。
 
 起点から約5.7km、未舗装になってから約800mで終点となった。以前来たときから、総延長も未舗装区間も全く変わっていなかった。
 そして、この終点は日当たりも良く、ここでラーメンにするのもアリかなと思ったけど、途中で見た路肩がちょっと良い感じだったので、そこでラーメンにしようかな・・・。
 
 というわけで一旦終点から引き返して下っていくことに。行き止まりの林道の良いところは、同じ区間でも往きと帰りで見る景色の印象が違って見えるところだよね。
 
 モフモフ区間まで戻ってくると、周囲を木々の枝に囲まれ直線的に延びる道と、その向こうに見える空の広がる景色がとても印象的で、気づいたらここで何度もシャッターを切っていた。
 
 さっき目星を付けていた場所まで下って来た。さあ、今日はここでラーメンにするぜ!この、ヘアピンカーブで斜面を駆け上がる道の線形を眺めながら飯にするなんて、ちょっと最高だと思いませんか(笑)?
 
 今日のお供は赤黄のパッケージが強烈なこいつだ!・・・うん、やっぱりこれは誰もいない林道で食べるのがいいかも(笑)。
 ってか、今日はこうして日向で休憩していると、暖かいを通り越してもはや暑いな(笑)。予報でも日中は20度を越えるって言ってたしな。まあ、寒いより全然いいけど。
 
 こんな感じで、今日は久しぶりに訪れる行き止まりの林道を巡ってみた。一昨年の台風以来、埼玉の目ぼしい林道も軒並み通行止めとなってしまい、行くあてもなくなっちゃったなと思ってたけど、こういったマイナー林道でも来てみればなんだかんだですごく楽しかったなあ。やっぱり俺、こういうのが好きなんだなって再確認した次第であります(笑)。
 
 で、それはそれでとても満足できたんだけど、さっき県道37号線を大指線に向けて走行中に見た林道御岳山線の起点が開いていたようなのがどうしても気になって、改めて県道側の起点まで戻って来た。
 
 この御岳山線も現在は通行止めの扱いではあるはずだが、起点には「通行注意」との立て看板が設置されている。これは・・・注意すれば通行できるということ??
 
 とりあえずバリケードなども見たらないので、行けるところまで行ってみようと思って走り出した。御岳山線の路面を踏むのもずいぶんと久しぶりだなー。
 
 ・・・なんて思って進んでくると、起点から約700m、路面が一旦舗装になる地点で通行止めとなった。やっぱそうですよね(笑)。
 とりあえずここは現在復旧に向けての作業が行われているはずなので、また走れる日がくるのを心待ちにしよう。あの展望区間からの景色を眺めるのが楽しみだ。
 
 今日は本当に林道日和な一日だったなー。それに、細かいマイナー林道を辿ることがこんなに楽しかったんだって改めて思い起こせたこともとても良かった。山が春を迎える前の、まだ木々が空を透かしているこの時期のうちに、今日訪れなかった他のマイナー行き止まり林道にも訪れてみるか。またラーメンを持ってね!