今週末は時間もあるし、どこかちょろって出かけたいな、と思ったものの、近場の林道は前回行った林道以外でこれといった目ぼしいところも思い当たらず、しかも天気もそれほど芳しくはなさそう。それでもどこか良さ気なところはないかなーと色々思いをめぐらせて、そうだ、まだ行っていないお犬さま(狼信仰神社の狛狼))を見に行こう、と思い、さっそく出かけることにした。
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その神社へ向かうためにやって来たのが、長瀞町の林道本山根線。ここを進み、林道の途中から神社へとアプローチする。
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起点から2kmちょっとを進むと、舗装路と未舗装路の境目となる地点で、1本の登山道が分岐している。
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ここを登り辿り着くのは宝登山の山頂、そしてこれから向かう目的地は、その山頂にある寳登山神社の奥宮だ。
寳登山神社は、正攻法であれば国道140号の長瀞駅前交差点から宝登山神社に向かい、ロープウェイで山頂へと辿り着くことになると思うが、ここから登れば僅か600mで辿り着くとのこと。はじめはそのルートで向かうことも考えていたのだが、麓の寳登山神社本殿の狛犬は普通の獅子狛犬なので、今日はここから山頂へ直接向かうことにした。
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それじゃあさっそく登っていこう。BAJA君、ちょっとここで待っててね。
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山頂までたった600mだし、久しぶりの山登りとはいえ、そう大したことないだろ・・・なんてナメたことを考えていると、さっそく目の前には階段が現れた!うわー、階段の登りはキツいんだよなあー!
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階段を登り終えると、道は一旦平坦になった。しかし、それもそう長くは続かず、再び目の前に現れたのは・・・。
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それもそのはず、この登山道は、地図で見ると等高線とほぼ直角に交わるように一気に標高を稼いでいた(笑)。
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その階段をほぼ登り切ったところで振り返って見たのがこの写真。うおお、滅茶苦茶急登じゃねえか・・・!
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そのうえ、写真でも分かるように、このルートは登り・下りとも意外と人通りが多く、そのため終始マスクを着けたまま登っていたのだが、深い呼吸をすると鼻と口にマスクが張り付いてそれがまあ苦しい!しかも花粉で鼻水も出てきたせいで、あまりの息苦しさにここで一旦リュックを下ろして鼻をかんで小休止。ンモー、早くコロナ渦収まってくれよ・・・。
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そんな思いをしながらも、歩き始めて15分程で山頂に到着!
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そしてここからの景色はというと、やはり予報の通り上空はくもに覆われてしまっている。まあ、今日は林道メインじゃないから雨さえ降らなければいいか・・・。
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それにしても山頂は驚くほど人が多い。さっき上って来た登山道も、もっとひっそりとしているのかと思っていたら思いの他人と擦れ違ったし、なによりこの山頂は、ロープウェーで気軽に上ってくることができるのも理由なのだろう。あわよくば山頂で飯にでも、と思っていたけど、これじゃあさすがにそんな気も起きないな(笑)。さっそく神社に向かうとしよう。
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そこから来ると、参道とは逆から入ることになるので、一旦外側を回って鳥居の前に出る(笑)。
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鳥居をくぐって歩を進めると、少し奥まった位置に奥宮がひっそりと建っている。
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その奥宮の手前に、1対のオオカミ像が置かれている。こちらが本日の目的、寳登山神社奥宮のご眷属さま(寳登山神社ではこう読んでいるそう)だ。
日本武尊が東国平定の折、この宝登山の姿に惹かれて分け入ったところ、突然炎に包まれてしまった。そこに山犬たちが現れて火を消し止め、山頂まで無事に案内したところから、尊が山犬たちを山の神の使いと悟られたということから、ここにご眷属さまが祀られるようになったとのことだ。
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それではご眷属さまを見ていこう。まずは阿形から。生物としてのリアリティを感じさせつつ、眷属としての威厳をも湛えた、とても凛々しい造形だ。
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後ろ姿。ニホンオオカミの特徴とされる、あばらの浮き出た痩身体型がとてもよく表され、生命感を強く表している。
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お顔のアップ。犬歯は口の中に並ぶ歯など、とても細やかな造形が成され、さらに頬に象られた渦巻や、口元の尖った毛並のような意匠などは、眷属としての存在感を際立たせるのに一役買っている。
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体に対して正面位置、やや見上げた位置から。このアングルで見ると、精悍さがより際立つ気がする。
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足元を見ると、爪の造形もしっかりと成されていることがわかる。細部まで行き届いたとても細やかな造形だ。
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尾は、波打ったような形状が後ろ足を巻き込むように形づくられている。こういった造形がこの像の生命感をさらに増している。
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続いて吽形。阿形同様の凛々しさは感じさせつつも、閉じた口のせいでやや柔らかい雰囲気を纏っている。
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後ろ姿。息づかいを感じそうなほど生命感に溢れた造形だ。
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お顔のアップ。阿形同様の各部の意匠が施されているが、やはり他のお犬様とも同じように、迫力を感じさせつつも吽形はより落ち着いた雰囲気を漂わせる。
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やや見上げるアングルで。しなやかなシルエットが表現された実に美しい姿だ。
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筋肉や筋まで表現された後ろ足の造形もとても素晴らしい。
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台座には「昭和六年十一月」と記されている。
ここまでの写真を見て気づいた人もいるかもしれないが、この奥宮のご眷属さま、秩父市の贄川にある猪狩神社のお犬さまの姿と酷似している。阿吽の置かれた位置こそ逆転しているが、体型や姿勢、表情や各部の意匠など、細部に至るまで共通する部分が多く見て取れる。猪狩神社のお犬さまは昭和八年の奉納なので、もしかするとこの寳登山神社奥宮のご眷属さまを参考に造られたのかもしれない。それが、直接関係ある石工の手によるものか、あくまでも造形の参考にしただけなのかは分からないが、造形的には参考にしたと見て間違いないと思う。
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ひとしきりご眷属さまを見た後、奥宮に参拝して中を覗くと、そこに小さなオオカミの石像が置かれていることに気づいた。
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この像は阿吽としての造形の違いは無いようだが、向かって左手は正面を見据え、右手は上を見上げるような造形が成されている。小さいながらもしっかりとオオカミ、そして眷属としての威厳を感じさせる造形だと思う。この像のことは事前に知らなかったのだが、見落とさなくて良かった・・・。
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さあ、ひとしきりご眷属さまも堪能させてもらったし、そろそろ引き返そう。
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(ちなみに、今回使った写真は極力人が写りこんでいないものを使ったが、実際は山頂同様、ここもひっきりなしに人が訪れていて、この写真とかも人が途切れた一瞬を狙って撮ったものだ。いままでお犬さまを見るときは、誰も居ないような場所ばかりだったが、今回初めてこんなに人の多い環境を経験して、見たり写真を撮るのも人の合間を狙って撮っていたので、もう少しゆったりとご眷属さまと対話するように見たかったなあ、というのは正直ちょっと感じた・・・笑) |
ここで使った写真以外のカットはPHOTOSのほうにも載せてあるので、良かったら見てください。
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山頂にはロウバイ園もあり、ちょうど見頃となった黄色い花が一面に咲き誇っていた。
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登りは地獄のようだった階段も、下りは楽チンだぜ。躓いて転げ落ちないようにだけ気を付けないと(笑)。
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BAJA君、ただいまー。
この後は、少し前にツイッターで見た景色がある場所へと向かうことにした。
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県道361号線を辿り、茱萸ノ木峠から分岐する林道上ノ貝戸線にやって来た。ここへ来るのもずいぶんと久しぶりだが、この上ノ貝戸線を下っていくと目的の場所に辿り着く。
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お、ここは以前も写真を撮ったっけな、びっしりと密集した幹が透けて見えるこの景色はよく憶えてるぞ。
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そんな景色もありつつ、他にはこれといった見どころのないまま林道の起点まで来てしまった。林道の途中には目的の場所は無かったのかな?
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そんなことを思いつつも、その起点を少し下ると周囲が一気に開けた。おお・・・!
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ここが目的地、大内沢花桃の郷だ。道を包み込むように、周囲は白い梅の花が咲き誇っていた。
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この周辺の道がどういった状態で伸びているかわからないので(笑)、景色を眺めながらちょいちょい脇道に入ったりしてのんびりと走ってみた。
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梅の花にはまだちょっと早かったみたいだけど、こんな景色はなかなか爽快だよね。・・・満開のときに来たかった(笑)!
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そんな感じでふらふらしてたんだけど、そろそろ腹も減ってきたな・・・。
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と思ったら、ちょっと良い感じの場所を見つけたので、ちょっとお邪魔して今日はここでお昼だ!
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足元には春の風物詩ともいえるツクシと、俺の大好きなオオイヌノフグリも。
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うーん、控えめに行っても最高じゃないですか?とてもいいランチタイムを過ごさせてもらった。
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あれ、この人どこかで見たことあるな・・・ああ!林道荻殿線の入り口に立ってる看板にいた、細川紙さん(っていう名前かは知らん)!お久しぶりです!
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それと、こういう案内図とかにある、平面の地図に対して横視点で描かれた車の絵がすごく好きなんだけど、伝われ(笑)!
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さあ、そろそろ帰ろうか。途中、みかんの無人販売所があったので買ってみようかと思ってかごの中を覗いてみたんだけど、残念ながら空っぽだった(笑)。
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帰り道、そういえばいまあの場所のすぐ近くを通ってるな・・・と思って急遽立ち寄ったのは林道小坂・滝ノ谷線。
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そう、ここは近年「桃源郷」と呼ばれてサイクリストなどに人気となっているスポットだ。開花の情況はどんなもんだろうと来てみたけど、やはりここでもまだ少し早かったようだ。
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それと、ここに着いた途端に、ちょうど太陽が雲に隠され薄暗くなってしまったけど、ここを出た途端にまた日差しが復活。これは・・・まだ早いからまた出直して来い、って言われてるのかな(笑)?
(ちなみに、これを書いている時点でかなり良い感じに開花しているようです。行くなら今だ!?)
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まあ、そんな感じで今日は神社メインのツーリングだったけど、そろそろ各地の林道の冬季閉鎖の解除が待ち遠しい季節になって来ましたなあ。早く思いっきりダート林道を走りたいぜ(笑)。
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