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青野林道を引き返して一旦国道方面へと迂回し、少し遠回りにはなったが、次の目的地、林道岳山線にやってきた。11年前にこのエリアを走ったときは、この奥からこちらへ向けて走り抜けたので、今回は逆方向からのアプローチとなる。懐かしいなと思って、その時の写真を見返してみたら、写真右に写る石碑や、反対側のまといリス看板などの位置が、11年前と左右入れ替わっていた。何故だ??
ここから先は、いくつかの林道を走りついて、通行止めなどが無ければ次に舗装路に出るまで20kmほど未舗装路を走れるはずなので楽しみだ。
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入口から100mほどで未舗装に変わった道を進んでいると、すぐに目の前に大きな構造物が現れた(前回は逆方向から走ってきたため気づかなかったようだ)。
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あれはダム・・・ロックフィルダムか?と思って帰宅後に調べたら保野川ダムというらしかった。残念ながら天端は車両通行禁止らしい・・・、って、林道を走ることに夢中で近づくことすらしなかったけど。
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この岳山線に入ってから、またしても日差しが陰りはじめてきてしまった。こんな空の開けた場所もあるので、せっかくなら日差しを受けながら走りたいもんだが、この先でどうなるか・・・。
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道の線形はといえば、これまで何度となく見てきたような、先が霞むほどのストレートが続いている。深い山の中であるはずなんだけど、まるで市街地のような平坦さだ。
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おっと、まといリス発見。この子はスタンダードな円形タイプだ。
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ほんの僅かな間だが、日差しも復活した。陽を浴びて鮮やかに光る緑のトンネルが綺麗だ。
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相変わらずのストレート区間が続き、路面もフラットな状態を保っているので、思わずアクセルを開けてしまいがちになるが、途中には山菜取りにでも来ているのか、路肩に軽バンが停まっていたりもしたので注意だけは怠らないように走る。
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そんな道を気持ちよく走っていると、突然路上を土砂で均した地点に出た。
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その区間に入ると、すぐに右手に分岐が現れた。この右手の道は、先ほど崩落によって通行を断念した林道青野〜岳山線だ。
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この青野〜岳山線の総延長も約5kmとそれほど長いわけでもなく、仮にさっきの崩落を超えてきても結局ここに出てくるだけだったので、やっぱり無理して超えないで良かったかも。それに、引き返したことで結果的に脱輪した車のヘルプもできたわけだし・・・。
分岐を脇目に引き続き岳山線を直進するが、ここから先は今回初めて走る区間となる。どんな道が待っているか楽しみだが、まだまだ先は長い。気を引き締めていこう。
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道の脇が伐採されて周囲の開けた場所に出た。こうしてみるとよく分かるが、やはり急峻な斜面などが無く、この辺り一帯が緩やかな地形となっているようだ。
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この周辺に延びる、こういった直線的でフラットな道も、そういった地形によるものなんだろう。
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おお、石造りの鳥居だ!複数のブロックで構成された笠木と島木がめちゃめちゃかっこいい・・・。
ここは小栗山船形神社というらしいが、その社殿へは、ここから険しい斜面を20分ほども登っていかなければならないそうだ。もちろんこの時はそんなことを知る由もなかったが、この時はとにかく暑さにやられて、この鳥居も遠目からシャッターを切るだけで通過してしまった。
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その先で、路面が舗装に切り替わり(この舗装はすぐに途切れるが)、その脇に「一般通行禁止」の看板が経つ地点に着いた。この看板から、ここから先が国有林林道に変わるであろうことが分かるが、その@のレポでも紹介した「船形山植物群落保護林」の看板の写真によると、ここから先の区間に「保野川林道」との名前が書かれている。幸いゲートのようなものは設置されてはいないので、このまま進んでいこう。
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「一般通行禁止」の看板の後ろには、もうひとつ小振りな看板が立っていた。国有林林道でも林道の名前が書かれた看板が設置されていることはあるので、これもそういったものだったかもしれないが、その表面は全て錆に覆われ、すでに何の看板だったのかは判別できなかった。
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保野川林道の区間に入ると、先ほどまでのフラットで直線的な道から一転、山奥を切り拓いた、いかにも林道然とした景色に変わった。
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道自体も幅員が狭まり、周囲を木々に覆われた鬱蒼とした区間になったが、国有林らしく天然の広葉樹林に囲まれているため、重苦しいような雰囲気は感じない。
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しばらく進むと、登山道との分岐が現れた。この場に立つ看板によると、ここからまでの車道を「色麻コース」、ここから右手に分岐している歩道を「長沼コース」としているようだが・・・。
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ここから先も8kmほどの車道を登山道の一部として利用しているようだ。そんな長い距離を車道歩きが続くなんて、登山者的にはどうなんだろ??
そんな疑問も抱きつつ、ここで少々休憩を取り、再び先へと走りだすと、それは突然現れた・・・。
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この地点に注ぐ沢水が、一旦道の手前で池のように水を貯え、そこから路上を流れて下流側の擁壁を瀧のように流れ落ちていく。
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上流側の沢も、深い森の中、沢に沿って転がる岩の隙間を白糸のようにかいくぐって流れ、この1か所がまるで天然の庭園のような雰囲気を纏っている。
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いやあ、素晴らしいな・・・。これは俺が今まで見てきた洗い越しの中でも間違いなくナンバーワンだ。あまりの景色の素晴らしさに、しばらくこの場で何度のアングルを変えたりしながら写真を撮りまくってしまった。この洗い越しの景色、今回のツーリングで一番感動したかも!
惜しむらくは生憎の曇り空になってしまったことだな。この洗い越しとその周囲の景色を、眩しい木漏れ日の下で見れていたらどれほど極上の光景となっていたことだろう。このしっとりとした緑の雰囲気も決して悪くはないが、ここはいずれまた晴れた日に再訪したいものだ。
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しばらく洗い越しに滞在し、ようやく再び走りだすと今度はごく小さな洗い越しが現れた。最初にここを観ていたら、これだけでも相当テンションは上がったと思うが、あの洗い越しを見た後ではもはや水溜まりから流れる雨水レベルだぜ(笑)。
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それにしても・・・洗い越しで気持ちのテンションは上がったものの、ずっと暑さに晒されてきた体のほうは、もうだいぶテンションが下がり気味になってきてるのが自分でもよく分かる。そろそろどこかで昼飯にでもしようかと思うのだが・・・。
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船形山山頂へと続く登山道の分岐する地点が少し広くなっていたので、一旦ここで停車して休憩を取ることに。
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で、今日の昼飯はコイツだ。夕べの寝不足も重なってのことだろうが、暑さでバテてしまった体で、もはや山ラーする気力も体力もなく、いまの俺にできるのは事務的にエネルギーを接種し、ただひたすら林道を走り継ぐことだけ・・・。こんなこともあろうかとあらかじめ用意しておいて良かった・・・。
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途中、特に切り替えの目印になるようなものは見つけられなかったが、この辺りはすでに小荒沢林道の区間に入っていたのだと思う。
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路面は重機で均したようなフラットさで、道の両脇は熊笹が覆っているが、ここも日差しが強ければかなり綺麗な発色をしていたんだろうなとは思う。
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再び周囲が開けた場所に出たが、ここでは斜面の木々の伐採後に、新たに植えた苗木が徐々に背を伸ばしている様子が見て取れた。
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ここに植えられた苗木が、再び遠景を隠すほど茂るまでには、あとどれくらいの年月が必要になるのだろう。
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やがて、岳山線に入ってからここまで、およそ20kmのダート区間を経て舗装路に出た。
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ここを右手に進めば桝沢林道へと続き、さらにダート走行距離を伸ばすことも可能なのだが、桝沢林道は前回来た時も走っているし、何よりもう気力と体力が尽きそうだ・・・。せっかく宮城まで来たので少々勿体ない気持ちもあるが、無理をしても仕方がないので、今日はこれで切り上げることに決めた。
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あ、三峯山・・・。そういえば、埼玉県秩父市の三峯神社を総本山とする狼信仰である三峯講は、そこから遠く離れたこの東北の地まで広がりを見せていたという(但し、東北の狼信仰は関東のそれとはやや意味合いが違っていたようだ。参考:「狼信仰−自然への崇拝と畏怖 第8回 東北地方の三峯信仰 まなびジャパン」)。
この地の「三峯山」の名も、恐らくはその三峯信仰にあやかって名付けられたものなのだろう。元々宮城は祖母の家があったこともあり、俺にとっては第2の故郷とも言える場所ではあったが、最後の最後に、それとはまた違った地元埼玉との不思議な縁を感じたツーリングだったな。
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さあ、あとは帰路に着くだけだと、市街地に向けて走っていると、途中で突然の土砂降りにあったのだが、たまたま道端にテントを見つけ、そこで雨宿りをすることにした。
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しばらくここで雨が止むのを待っていたが完全に止む様子はなく、それでも小振りにはなってきたのでそろそろいいかなと思って走り出すと、その先の路面はドライなままだった。なんだよ、雨宿りなんかしてないで走り抜けちゃえばよかったのか(笑)。
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さらにその先で見かけたカントリーエレベーター。あの最上階の突端に立ってみたい(笑)。
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この眼鏡橋は、いまは廃道となり立ち入ることはできないが、俺が子供の頃にはまだ現役の車道で、祖母の家に行くときは必ずこの橋を通過していた思い出の橋だ。帰る前にここは見ていきたくて立ち寄ってみた。
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これも思い出のこけし達。君ら、昔からずっと変わらないねえ(笑)。
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というわけで、2021年夏の宮城林道ツーリングはこれでおしまい。本当はあと1泊して福島の林道にも寄るつもりで出てきたんだけど、そっちはまた改めて出直そう。で、このあと東北道を走行中にまた土砂降りにあうわけだが、それはPHOTOSの方にでも(笑)。
宮城の林道は、また時間が取れれば訪れよう。特に保野川林道の洗い越しは、絶対晴れた日に再訪したいと思っている。あと、長距離を走るときには気温などのコンディションも考慮に入れないとな(笑)。
またいつか来るその時まで。またな、宮城の林道!
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