栗原川林道ツーリング・おまけ

その日、我々は群馬の林道へ向けて走っていた。
みやさんと合流してバイクを走らせるが、ふと下のほうからカシャカシャ・・・と、金属が擦れるような乾いた音がしていることに気付いた。 始めはブレーキパッドでも擦れているのかとも思ったが、どうもエンジンのあたりから響いているようだ。 信号で止まって空ぶかしをすると、それにあわせてビビビビビ・・・とその音が響く。 しかも、時間が経つにつれその音は次第に大きくなっている気がした。

しばらくしてGPSで先導してくれているみやさんがウインカーを出して道端に停車し、こちらに向かって歩いてきた。

「なんか変な音がしませんか?」

・・・げ、そっちまで聞こえてたのか・・・! 2人してバイクを降りて見てみるが、音の原因ははっきりとわからない。 オイルは先週交換したばかりだし、一体なんなんだろう? 徐々に不安な気分が増してくるが、とりあえずバイク屋があったら入ることにして先を進むことにした。

しばらく走っていると、道沿いにホンダドリーム店をみつけた。 時刻は9:30AM、開店にはまだ早い。通り過ぎながら横目で見ると開店準備の真っ最中のようだったが、行けばなんとかしてくれるだろうと、一つ先の信号でUターンをすることに。対向車がひとしきり通り過ぎるのを待ち、バイクをバンクさせて反対車線に入り車体を戻そうとしたそのとき、ズルズルッ・・・リアがそのまま滑り出した。 なんとかバランスをとって姿勢を立て直すが、リアが左右に振られて真っすぐに走ることができない。下を覗き込むとタイヤがぺちゃんこに潰れていた。先に一つ前の信号に着いていたみやさんにやっとのことで追いつき、

「やばいやばい!パンクパンク!」

と言ったところでどうなるわけでもないのだが、そのままバイク屋になだれ込み事情を説明すると、店員さんは開店時間前にもかかわらず快くバイクを見てくれた。
エンジンから異音がする旨を告げエンジンをふかす。

店員さんはしばらく耳を傾けこう言いました。

「エンジンからは音しないよ?」

へ?んじゃあこの音はナニ?
・・・どうやらスキッドプレートのボルトが緩んでカタカタ言っていたらしい・・・。
つーか、そんなことのためにパンクしたのか俺は・・・。

どのみちパンクも直してもらわなければならないのでバイクを預け、しばし店内で過ごすことに。サービスのアイスコーヒーをいただき寛いでいると、しばらくして修理を終えてパンパンに膨れたチューブを持った店員さんがやってきた。

「2本刺さってたよ、釘」

に、2本も!なんなんだ一体!?
今日はまだ何かあるんじゃないだろうか、なんて心配していると、店員さんが笑顔で「今日はもう大丈夫ですよ」と言ってくれた。

ここまで店に入ってから約1時間、まぁいい休憩になったと解釈しよう。作業をしてくれた店員さんにお礼を告げて店を後にし、目的の林道へと再び走り出したのであった。



ホンダドリーム桐生さん、お世話になりました!

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