金色のロングダート
2007/10/28 川俣桧枝岐林道〜田代山林道

 金曜に突如現れた台風も、思いのほか速い速度で通り過ぎてくれたおかげで今日は絶好のツーリング日和になるはず。5時に起床し窓を開ければ、空には星が瞬いている。わぁ、 きれえ〜〜〜ィ・・・ってまだ真っ暗じゃねぇか!そりゃそうだ、気が付けばもう10月も下旬だもんなぁ。とはいえ支度をしている間に空も明るくなり、6時きっかりに自宅を出発。
 向かうは3年前に土砂崩れ&ゲート閉鎖で通行できずに涙を呑んだ、栃木と福島を跨ぐ2本のロングダート、川俣桧枝岐林道と田代山林道だ。少し前に、とあるブログで現在この2本の林道が通行可能になっているとの情報を得て、本格的に寒くなる前にリベンジすることにした。

 東北道に乗り、宇都宮ICから日光宇都宮道路に入り一気に日光ICへ。早朝の霧降高原道路は、台風一過のクリアな青空がめちゃめちゃ気持ちいい。

牛君おはよう!夕べはよく眠れたかい?

途中、主要地方道23号沿いで見かけた、橋桁を外された旧道。う、向こう側へ渡ってみたい・・・。

どこまでも澄み渡る空の下、清々しい空気を心行くまで味わいながら、出発から2時間ほどでまず最初の目的地、川俣桧枝岐林道に到着。ついにやってきたぞ!

以前訪れたときは田代山林道との分岐のほうからアプローチしたので、ここから入るのは初めてだが、起点からいきなりのダートに、いやがうえにも期待が高まる。





湖上を飛ぶ鳶もくるりと輪を描くぜ!

陽を浴びてまるで自らが光を放っているかのような鮮やかな木々の葉に迎えられ、秋本番の林道を軽快に走り出す。

川俣湖沿いに伸びる道を、紅葉に包まれながら進んでいく。心配だった昨日の台風の被害も特に無く、路面は水溜りだらけだけど、その水溜りを避け、時には水しぶきを上げながら走るのもまた楽しい。道を囲む木々も、行く手にそびえる山々も鮮やかな暖色に彩られ、走りながら自然と「あぁ、綺麗だなぁ〜…」なんてことを呟きながら進んでいく。

いつの間にか移り変わっていた季節を実感しつつ、紅葉で高揚した(笑)気分のままひたすら走り続ける。





こうして、四季の移り変わりを感じながら山の中を走ることに、何ともいえない喜びを感じます。

しばらく進むと、砂防ダムで出来た湖の脇を通過する地点に出た。



以前通ったときも感じたのだが、立ち枯れた木々が立ち並ぶこの光景が、正直苦手だったりする。何ともいえない心細さを感じさせるというか・・・。ここはさっさと通り抜けてしまおう。
と、そのすぐ先の河原に下りられる場所で、数人のオフ車乗りのグループが休憩していた。こっちに気付いて手を振ってきたので、こっちも走りながら手を振り返すが、ここは怖いんでそのまま走り抜けちゃうよ、ゴメンね(笑)。

そこから更にしばらく進むと、以前土砂崩れで引き返した地点に到着。



法面はコンクリで固められ、路面も何事も無かったかのようにきれいに均されている。まだ見ぬここから先の道はどんな道なのだろうか。期待に胸を躍らせてさらに先へと進んでいこう。
鮮やかな暖色に身を纏った山々に囲まれ、ススキの揺れる路をのんびりと走り抜ける。あー、幸せ。





どんどん高度を上げていくと、次第に道幅が狭くなり路面も荒れてきた。

オフ車で走る分にはこれくらいの荒れ具合はむしろ楽しかったりするのだが、こんな道でも途中に登山道の入り口があり、また紅葉を見るためだと思うが、普通のセダンが結構頻繁に通行している。いやー、よく上ってくるなぁ・・・。

福島との県境に近づくにつれ、そろそろお腹もグーイングになってきたので、峠辺りの景色のいいところでお昼にしようかと思ったのだが、峠は登山道へ行く人たちの車の駐車場になっていて、ここでお昼はちょっと無理と判断し、さらに先へと進む。しかも高度上げすぎて紅葉がなくなった・・・あるのは熊笹ばかり(笑)。

なかなかいい場所が見つけられないまま峠の先を下り続ける。高度を下げていくと再び紅葉が姿を見せ始め、景色は相変わらず素晴らしいが、腹が減りすぎてだんだん景色を楽しむ余裕がなくなってきた・・・。



いい加減空腹に耐えられなくなってきた頃に、ようやく川辺に降りられそうなナイスな場所を見つけ、ここでお昼ゴハンに。

早く沸かないかな〜・・・って、それ違う。

ようやくお腹を満たし、しばらく休憩した後、再び走り出す。



程なくしてダートが途切れ、川俣桧枝岐林道が終了。時計を見れば12時を回っている。この林道に入ってから既に4時間近くが経過・・・途中で写真とか撮りまくってたせいもあるが、いくらなんでものんびりし過ぎだろ!ともかく、総延長38kmに及ぶロングダート、ごちそうさまでした!ゲフッ。

ここからはしばらく舗装路を経由して、次の田代山林道へと向かう。

途中で見かけた看板。見出しは「山火事注意」なのに、読んでいくうちに内容が「きのこ採るな」に変わっていくのがなんだか可笑しい。

田代山林道への途中、ツーリングマップルによると「唐沢林道」という3km程の未舗装路を通っていく。

ここは、現在は正式には県道なのだが、途中で山をショートカットで貫くトンネルを造っている真っ最中だった。

このトンネルが開通したあかつきには、今通ってきたダート路はいずれ廃道になってしまうのだろうか・・・?

ここを過ぎると、直ぐに田代山林道の入口へと至る。

この田代山林道も、正確には県道栗山舘岩線という。何故か10月〜11月の2ヶ月弱の期間のみ開放されているようだ。



この栗山舘岩線も25kmにも及ぶ未舗装路が続くダート県道だが、路面はフラットでよく締まっていて非常に走りやすい。こちらの路も紅葉が非常に見事。



ただ、この路にはゲートがあり、毎日16時で閉まってしまうとのこと。さっきのようにあまりのんびりはしていられないのですこしだけ早足で走っていく。

やがて、福島と栃木の県境である田代山峠に到着。ここは峠を境に両方の県の山々が一望できる。素晴らしく見晴らしのいい地点だ。


福島県側

栃木県側

はるか遠くまで続く山々を見渡しながらしばらく休憩し、再び走り出す。ここまでくればあと少しだ。日影の多くなりだした谷間を下っていくと、突然見覚えのあるゲートが現れた。

このゲート地点を越えて、田代山林道が終了。
そして、それは3年越しのリベンジ達成の瞬間でもあった・・・。ただ林道を走ってきただけなのに、何だかジーンと来ちゃったなぁ。
本日ここまで走ったダートの総距離は約66kmでした。あー、尻が痛い。



BAJA君、今日もお疲れ様!泥だらけでいい顔になったね。

 それにしても突然台風が現れたときはどうなるかと思ったけど、いい感じに空も晴れ渡って、ちょうどいい時に来ることができたかもしれない。特に川俣桧枝岐林道は、紅葉、路面、距離と、どれをとっても最高!来年もきっとまたこの時期に走りにこようと思うナノレカワなのでした。もう土砂崩れなんて起きないでくれよ、じゃあまた来年!