タイムリミットは3時間
2010/05/04 埼玉県飯能市・林道善兵衛谷線

 世間は連休真っ盛りだってのに、俺は今年はこのままバイクに乗らずに終わるのかと思ったが、今日は何とか午前中の数時間だけ空きができた。こうなりゃ意地でも山に行ったる!
 で、今日の活動可能時間を考えるとそんなに遠くへも行けないのだが、どうせ行くなら未踏の林道を走っておきたい。ということで、飯能は八徳地区へと向かうことにした。

 R299から顔振峠方面へ折れる道に入り、そのまま八徳地区へと向かい、旧タイプ標識でおなじみの(おなじみ?)林道八徳線へ到着。

 八徳線の旧タイプ標識、今日も無事に立っています。花に囲まれた旧タイプも素敵ですね。・・・な、なんだか遺影に見えないこともないような・・・。
 この八徳線自体は以前走っているのだが、今日はこの八徳線の途中で分岐する支線へと向かう。

 起点から程なくして路面は未舗装へと変わり、そのまま進んでいくと、右手に分岐する支線が現れる。以前八徳線を走ったときは単なる作業道かと思いスルーしていたのだが、その後、ちゃんと名のある林道だということが分かった。

 林道善兵衛谷線です。
 この周辺の林道のうち、ここだけ未踏のまま残っていたのだが、地理的に他のエリアのツーリングと絡めるにしても少々中途半端な位置だということもあって、今まで宿題を残したままになっていた。恐らくそんなに長くもないピストン林道だと思うが、今日はしっかり終点を確認してこよう。

 起点から100m程進むと、いきなり倒木で道を塞がれていた。改めて写真でみると、乗ったまま超えられなくもないような気もするが、基本へタレのナノレカワ、一旦バイクを降りて力ずくで倒木をどかします。

 祝・開通。さっさと先へ進みます。

 徐々に高度を上げていくと、次第に路面が下草に覆われ、廃道っぽさを増してくる。

 更に進むと、轍をえぐる流水跡も目立つようになってきた。

 起点から300m程来ると、一見終点か?と思える地点に着いたが、よく見ると、更にその先にコンクリート舗装の急坂が見える。ただ、その先への進入を阻むように倒木が道を遮り、バイクに乗ったままの前進は不可能になっている。絶妙な位置に倒れているため、丸太を利用したゲートなのかとも思ったが、見たところ純粋な倒木のようだ。

 一応事前に調べた感じでは、善兵衛谷線としてはこの辺りで終わりだと思うのだが・・・恐らく作業道扱いの道だとは思うが、どうせこの先もそう続いているとは思えないし、少し歩いて登ってみるか。BAJA君、ちょっとそこで待っててね。

 かなり急な坂にコンクリが敷かれているが、すぐに舗装が途切れ、その先はなかなかにガレた路面が続いている。

 ・・・うーん、あの倒木がなくても、BAJAでこのまま上ってこれたかどうか・・・。どうせ舗装するならついでにここも舗装しちゃえばいいのに。
 延びる道の先を見ると、この坂を上りきった辺りで道が終わっているようにも見えるが・・・。

 おっと、まだ右手に折れて続いている。

 予想に反して、まだだいぶ先まで道が続いているのか?

 路面も思ったほど荒れていなく、しっかりと締まった轍も見える。

 お、鹿の足跡だ。

 歩き出して300m程だろうか、路面も斜度もだいぶ落ち着いてきた。あの先の陽が当たっている辺りで終わりかな?

 ま、まだ続く・・・。途中で二手に分かれる分岐があるが、見た感じ、高度を上げる左手が本線のようなので、そちらを選んで更に進んでいく。

 その先で、またも二手に分かれる地点に出た。もしかして、右手の道はさっきの右手に分岐している道と繋がっているのかも、という気もして、上のほうへと延びる左手の道を選び進んでいく。

 すると、徐々に幅員が狭くなり、いよいよ終点が近いかという雰囲気になってきた。

 やはり、そこから程なくして行き止まりの地点に着いた。感覚的にだが、歩き出して400m程ではないだろうか。うあー、登り続けたおかげでだいぶ体も暑くなってきた。とりあえず行き止まりまで来たことだし、ぼちぼち引き返すとするか。

 戻りがてら、さっきの分岐へ入ってみるとしよう。この時点ではまだ、ここを進んでいけばもとの道へ合流する気にすっかりなり切っていたのだが、進めば進むほど、もとの道から遠ざかる方向へと向かっているようだ。もしかして、こっちが本線だったか。まぁこうなったら、行き着くところまで行って見よう。

 と思いながら先へ先へと進み、BAJAを置いて歩き出してから600m程だったろうか。

 あ、あれ?

 舗装路に出た。・・・ここって奥武蔵グリーンラインじゃねーか!位置的に見て、どうやら林道奥武蔵2号線に出たようだ。地図を確認しても、確かにお互いの道は至近距離を延びてはいるが、てっきり行き止まりだと思っていた善兵衛谷線が、まさかここに繋がっているとは思わなかった。
 そういえば、以前八徳線を走ったとき、途中でゲートに阻まれてその先へは行けなかったけど、もしかしたら八徳線自体も2号線のどこかに繋がっていたりするのだろうか・・・。

 いやぁ、それにしてもいい天気だ。予定さえなければこれ以上ないくらいのツーリング日和なんだけど、まぁ仕方ない。そろそろ引き返さないとタイムリミットを過ぎてしまうので、いま登ってきた道を下っていくとしよう。

 戻りがてら、最初に見た分岐に入ってみたが、こちらは割とすぐに行き止まりとなっていた。

 一気にBAJAのところまで戻ってきた。上着を着たまま、メットも被ったままでずっと歩き続けたせいで背中も頭も汗だくになってしまい、しばらく上着を脱いで涼んでいたが、あまりのんびりともしていられないので、早々に引き返します。今度ノコギリ持ってきて、あの倒木切っちゃおうかな。

 八徳線を出てR299へと戻る途中、ついでにもう一本分岐する林道楢沢線へ立ち寄る。ここは以前に一度走っているのだが、やはりそのときは林道だと知らずに走っていたので、今日は改めて道の様子の確認のために終点まで走ってみよう。

 途中に人家の建つ300m程の舗装路を経て終点に到着。周囲には白い花が咲き誇り、春らしい空気を演出している。

 確かシャガっていったっけかな、この花。白地の花びらに注す黄色と紫がとても綺麗。ヤマザクラには間に合わなかったけど、久しぶりに見たシャガで山の春を感じることが出来て良かった。四季折々の自然の表情を感じることが出来るのも、林道ツーリングの楽しみだからね。

 さて、これで本当に帰ろうと思ったが、よくよく見ると、ここでもこの先に作業道のような道が延びているのに気付いてしまった。道沿いに咲くシャガの花に誘われて、奥へと進んで行きたい衝動に駆られるが、どのみち、今日はもうタイムリミットなので帰らないといけないんだけどね・・・。ここでも奥のほうになんだか倒木のようなものが見えるし、そのうちノコギリ持ってまた来るか(笑)。