憬れのみちのくダート群へ@
2010/09/29 福島〜宮城林道ツーリング・1日目

 先日までの激務の代休として、結構長めな休みを取ることができた。せっかくだから普段なかなか走りに行けないようなエリアまで行ってみたいな・・・。そうだ、以前に見た仙台周辺の地図には、結構な長さのダート群があったはず。よし!目的地は福島〜宮城エリアの林道に決定!林道を走り継いで徐々に北上していくことにしよう。
 地図をじっくりと眺めて組み立てたルートにより、今回は3泊4日のツーリングの予定になった。ただ、休暇に入ってからというもの、あまり芳しくない天候が続いていたが、東北地方の週間予報を眺めていると、なんと29日から4日間は概ねいい天気が続きそうな気配。ちょうどいい、この4日間の晴れ間に行ってくるとしよう!こんな機会はめったにないから、目いっぱい楽しんでくるぞ!

 自宅を6時に出発し、東北道に乗ると、栃木に入ったあたりで周囲に濃霧が立ちこめ始めた。少々先行きが不安になるが、天気予報を信じて進むしかない。しばらくすると、さっきまでの霧が嘘のように快晴に包まれだした。途中、2度の休憩をはさみ、須賀川ICで下車。

 ついに福島にやってきた!周囲に広がる広大な田圃は黄金色に色付き、まっすぐ山へと向かう道を走っていると、否が応でも気分が高まってくる。ここからしばらくR118を西へと進み、最初の林道を目指す。

 やってきました本日1発目、黒沢林道です。標識の類は見当たらなかったが、ツーリングマップルによると11.6kmのダートらしい。天栄村から安藤峠を越えて会津若松市へと抜けていく。

 ダートに入りしばらく進んでいると、ふと視界の開けた場所で、遥か前方に巨大な風車がゆっくりと回っているのが見えた。な、なんだありゃあ?



 そのまま進んでいくと、左右に道の分かれるT字路になり、そこに道標が立てられていた。

 さっきの風車はこれか。これから俺が向かうのは、左手の会津若松市方面だが、発電所もここから4kmとすぐ近くみたいだし、ちょっと寄ってみるか。

 頭上に青空の広がるダートを走っていると、それだけで気分はノリノリです。やがて、周囲を囲う木々が途切れ、視界が開けると・・・。

        

 で、出た!

 これはすごい・・・!何の予備知識も持たずに突然こんなものを見て、かなりテンションが上がってますが、ここは郡山布引高原風力発電所といい、合計出力65,980kWを誇る国内最大の風力発電所なのだそうだ。1基の風車自体が物凄くデカイのだが、ここには全部で33基も立っているらしい。羽根自体が巨大なので、回転もかなりゆっくりに見えるのだが、風車の真下に来ると、頭上がらグオーン・・・と低いうなりが響き、かなりの迫力。

       

 風車の間を縫う様に伸びる道を進んでいくと、所々で未舗装路が分岐している。やっぱりそっちに行っちゃうよねぇ。

 それにしてもこれは実に壮観だ。

 足元のススキと空に浮かぶ雲が、いいアクセントになってます。いやぁ、素晴らしい!全く予期しなかった景色なので、凄く得した気分に浸ってます(笑)。

        

 とはいえ、まだツーリングも始まったばかりだし、いつまでもここにいるわけにもいかないので、そろそろ出発するとしよう。

 木々の隙間から漏れる陽射しも眩しく、初っ端からゴキゲンです。

 最近の大雨の影響か、所々で路面を沢の水が川となって横断しているところも。

 沢沿いの雰囲気のいいダートを、終点に向けて進んでいく。

 黒沢林道を走り抜けてそのまま県道を直進し、続いての林道を目指す。

広域基幹林道 一ノ渡戸・四ツ屋線に到着です。ダートは15.1km程らしい。ここから進行方向は一旦南へと向かっていく。これが後ほど結構なタイムロスになるのだが(笑)。

 ここは終始、山の稜線近くを伸びているらしく、視界が開ける場所も多く走っていてとても気持ちがいい。

 おお、遥か遠くの山の稜線までくっきりと見えている。

 前方は山がそびえつつも、空が広がり開放的な雰囲気。

 あぁ、なんて気分がいいんだろう。やっぱり山はいいなぁ。こんな素晴らしい青空の下を走ることができる喜びをかみしめながら、奥へ奥へと進んでいく。

 林道も終盤に差し掛かった頃、谷を渡る綺麗な橋に出た。

 平成8年竣工・・・この林道自体もわりと新しいのかな。

 やがて、一ノ渡戸・四ツ屋線の終点の到着。次の目的地は、ここから猪苗代湖の東側まで回らなければならないのだが、地図を見ただけでもかなりの距離がある・・・。とりあえずここから麓まで下りていかなければ。地図を見ると、ここから猪苗代湖まではショートカットできる道がなく、国道、県道をぐるっと回り、かなり遠回りをしていかなければならない。とにかく、猪苗代湖まで出てしまえば、湖に沿って伸びる道がありそうだったのだが・・・。

 猪苗代湖に着きました・・・って、行き止まりじゃねぇか!

 ・・・軽く道に迷ってます。この辺り、やたらと道が入り組んでいて、なかなか思う方面に進むことが出来ないうえに、そもそもさっきの林道からここまで、思った以上に時間を食ってしまったので、残念ながら次に走ろうとしていた林道をひとつ端折ることに。

 猪苗代湖の下半分をぐるっと回って郡山市に入り、続いてやってきたのは、広域基幹林道 三河小田川線です。普通に民家の間に起点があるので、標識がなければまずわからないな。

 はじめのうちは綺麗な舗装路が続くのだが、やがて路面に砂利が散乱し始めた。そろそろダートかな・・・っていうか、こういうところが一番走ってておっかないよ。
 ここから先のダートは17.5km程あるそうだ。

        

 ダートに入り、断続的な舗装区間を越えて高度を上げていくと、こちらでも素晴らしい秋空がお出迎え。ここ最近、関東でも一気に寒くなって来ていたので、東北の気温が心配ではあったが、柔らかな日差しは決して寒さを感じさせることなく、とても過ごしやすい。
 ここで、左のミラーのナットが緩んできてしまったので、路肩にバイクを止めて増し締めをしていると、とんだ来客が。

 いやーん、早くどっか行って〜。
 しばらくハンドル周りやタンクのあたりを飛んだりとまったりしていたのだが、ちょっと飛んでバイクから離れた隙にオサラバです。いやー、怖かった・・・。

 しばらく走ると少し広くなった場所に出た。どうやらここが峠のようだ。するとここから先が猪苗代町になるんだな。

 峠を越えて、遥か遠くの山を見渡せる場所に出た。山の上に浮かぶ白い雲がとてもいい雰囲気。

 峠から一気にダートを下りきり、続いて向かうのは林道小田達沢線。なんとまぁ、りっぱな青看板でお出迎えです。

 総延長約9.6km、ほぼフルダートの林道です。はじめのうちは、深い溝がえぐれた路面がある区間も。

 時刻もそろそろ15時を過ぎ、陽射しも傾き始めてきた。ここを抜けたら、本日の宿泊地へと向かう。明日のルートを考慮して、今日は猪苗代湖の北にある桧原湖畔に宿泊予定。

 こたかもり第1オートキャンプ場にやってきました。本当はもっと北岸寄りのキャンプ場までいく予定だったんだけど、通りすがりに見えた湖畔沿いのサイトの雰囲気に惹かれて、急遽ここに決定。感じの良い管理人さんに案内されてサイトに入ると、さすがにこの時期の平日だけあって、なんと貸し切り状態!やったぜ!
 この桧原湖から北に行くと、ダートがあるらしいので、早速テントを張ったら、もういっちょ走りに行ってきます。

 重たかったキャンプ道具を全部下ろして、身軽になってやってきたのは、桧原湖の北にある峠越えの鷹ノ巣山林道。ツーリングマップルには名前が載っていなかったけど、しっかり杭が立っていた。

 起点の標柱によれば延長約6.2kmのダート林道。木々に囲まれた区間は、だいぶ肌寒さを感じるようになってきた。

        

 空にはうろこ雲が浮かび、山肌に射す陽射しも橙色に変わってきている。

 あぁ、なんて綺麗なんだ。こんなに広い空を夕日が照らし、その空の下に自分が立っている。ちょっと感動的な景色です。

 米沢市・・・。いつの間にか山形に入っていたようだ。そういえば、さっき鬱蒼とした区間で峠を越えてきたけど、あれが県境だったんだな。

 おっと、お猿さん登場。今回初めての野生動物との遭遇です。他にも親子と思わしき猿などもいたんだけれど、バイクを見たとたんにサッと山の中に逃げ込んでしまった。別に取って食ったりしないから、もっとこっちへおいでよ。

 林道を抜け、一旦県道を更に北上し、折り返し西吾妻スカイバレーを通ってキャンプ場に戻る・・・が、これがえらく遠回りに。時刻も既に17時半、気温もどんどん下がっていく中、薄暗くなった峠道をひたすら突き進んでいく。さ、寒いんですけど・・・。こんなことなら、林道を戻ったほうが良かったかな・・・。

 しかし、峠に着いてみると、遥か西の空に沈みゆく夕日が、山の稜線をくっきりと描き出していた。うん、やっぱりこっちへ回ってきてよかった。

 ・・・とはいえ、まだこの先も極寒の峠を下っていかねばならず、キャンプ場に戻った時は体がすっかり冷え切ってしまったので、近くにある温泉で体を温めることに。広いお風呂でゆっくりと体を温めると、今度は腹が減ってきた。キャンプ場に戻ったら今度は飯だ!

 今夜の食事は、茹でたペンネに市販のソースを絡めただけの超手抜き飯(笑)。でも、静かな湖畔でのんびり食っていると、こんな飯でも旨いんだよなぁ。

 腹も満たされたし、明日も早いので今日はそろそろ寝るとしますか。明日は更に北上して、いよいよ宮城へと入ります。オヤスミナサイ。

 2日目に続く。