冬の初めの林道へ
2010/12/12
奥多摩の林道-パート2

パート1はこちら。

 橋立林道を下りきり県道に合流すると、その先はすぐに未舗装となっている。標識の類は見当たらないが、ここから林道小菅線となるのかな。

       

 木洩れ日の射す道を快調に進んでいきます。

 路面は舗装路のように締まって、とても走りやすいフラットダート。周囲の冬色の景色と相まって、先へ進むのがとても楽しくなってくる。

 道の脇を流れる谷沿いの沢も、落ち葉に囲まれてとてもいい雰囲気。

       

 道の脇には、こんな看板が立っている。なるほど、これだけ締まった路面なのは、この先に登山道があり、登山者の車の往来があることも関係しているんだろうな。
 そして、一番下には「4km先行き止まり」の文字が。あと4kmはダートが続くのかと思ったら・・・。

 お!?突然路面が舗装になる地点に出くわした。そして、その脇には。

 んん?ここが小菅線の起点なのか?標識もあるし、突然ここから舗装路が始まるところを見ると、恐らくそうなのだろうが・・・。
 道の脇には、登山者のためと思われる駐車スペースもあるが、ここより手前に既に未舗装路があるのに、一体この区間の舗装に何の意味があるんだろう?

       

 あー、あったねそんなこと。この事件がきっかけで、大菩薩ライン沿いの主だった林道が軒並み通行止めになったんだよなぁ。ホント、いい迷惑だよ・・・。

 先へと進むと、起点からの舗装はすぐに途切れ、再び未舗装に。今日は日曜で休工のようだが、道の脇には伐採された木材が積み上げられている。

 勾配の緩いなだらかなダートを進み、少しずつ高度を上げていく。山の斜面を回り込み、やがて日陰の区間へと入ると・・・。

 お!?

 雪だ。そういえば、今週は秩父のほうでも僅かながら雪が積もったって言ってたっけ。秩父と目と鼻の先の奥多摩でもこうして雪が残っててもおかしくはないよな。

 路面に残る雪はほんの僅かなので、走る分には全く問題ないのだが、今シーズン初めての雪景色を目にして、なんだか嬉しくなってきちゃいました(笑)。

 積雪した区間の先のカーブを抜けると再び日向となり、その先ですぐに終点となった。

 この終点の脇には、こんな立派なモノレールの格納庫が建っている。奥多摩の山の中は割とよくモノレールを見かけるが、これはかなり真新しい印象で、出来てからそんなに経っていないんだろう。

 車庫の先には、急斜面を一気に高度を稼ぐようにレールが延びている、いいなぁ、これ一度乗ってみたいんだよなぁ(笑)。

 ここまで走ってきてだいぶ腹も減ってきた。時計を見れば時刻もちょうど昼時だし、ここで昼飯にすることに。
 久々に山の中で食べるラーメンはやっぱり美味いな。ラーメンを食べ終えた後は、残ったお湯でコーヒーを淹れて、谷の下を流れる沢の音だけが響く中をのんびりと過ごす。

 谷を見下ろすと、斜面に伸びる登山道が見えるが、この林道の終点から延びる入口は、現在は通行止めになっているようだ。
 しばしのんびりと休憩し、そろそろここを引き返すとしよう。

 途中、沢の脇の斜面に、かつてわさび田だったと思われる石垣が見えた。山の中にある遺構って、妙に哀愁を感じさせるな。

 澄んだ青空と、落ち葉の積もるダート道に伸びる木々の影。冬ならではのこの景色、うん、文句なしです。

 小菅線の起点へ向けて戻る途中、舗装区間の脇で、「白糸の滝」へと向かう歩道が伸びている。どうやら徒歩で5分ほどで辿り着くらしいので、せっかくだから見に行くとしよう。

       

 サクサクと落ち葉を踏みしめながら、谷合の歩道を登って歩いていく。入口にあった表示で徒歩5分ってことは、2〜3分も歩けば着くんだろうな。

       

 案の定、割とすぐに滝が見えてきた。滝の少し手前に見晴らし台が作られているので、そこから眺めてみた。「白糸」という名に相応しい、繊細な滝がまっすぐに落ちている。しかし、ちょうど木々が枯れているからよく見えるが、緑が生い茂っている時期だと、この見晴らし台からはあまり見えそうもないような?

       

 見晴らし台よりも先にまだ、滝のすぐ下まで近付ける歩道が続いているので進んでみよう。

 滝の真下まで来ると、小さいながらも滝壺がある。少しの間、滝の音に耳を傾けていたが、昼飯食ったり滝を眺めたり、この林道でだいぶのんびりしちゃったな。そろそろ次の林道へ向かうとしよう。
 このあとはR411を奥多摩町へと戻り、久々に大丹波地区の林道へと向かってみることにしよう。

       

 林道へ向かう途中、ちょっとだけ寄り道。この場所、好きなんだよなぁ。

 R411を一気に戻り、続いてやってきたのは林道真名井線。この林道に来るのは実に5年振りだが、最近、かつての終点の先に、更に道が延長されたという話を聞いていたので、その様子を確認しに行ってみよう。
 県道204号線から分かれる真名井橋を渡ると、起点標識の脇には、恐らくハンターと思わしき、猟犬を連れた集団が。だ、大丈夫だよな入って行っても・・・。

 道は一気に高度を稼ぎ、向かいの山が見渡せるようになってきて、なかなか爽快な眺め。
 時刻はまだ昼を回ってそんなに経っていないが、日陰に入るとずいぶんと寒々しい雰囲気になってきた。

 この林道は、断続的に舗装区間があるが、ここでは法面の補修工事が行われているようだ。さすがに日曜は休工のようだが、工事をしていたらこの先には進めなかっただろうな。

 やがて、以前来た時には終点だった地点に到着。先を見ると、たしかに木々が伐採され、奥へと向かう道が延びているようだ。

 新しく伸びた区間との境にはチェーンが張られ、ここから先は「車両通行止」となっている。

 ・・・が、この先がどこまで伸びているのか、どうしても気になる。チェーンゲートの脇を見ても、ゆる〜い感じに隙間が開いてるし、さほど本気の「通行止」ではないと勝手に判断・・・。

 ごめんなさい、入ってきちゃいました。終点だけみたらすぐ戻ります。
 路面には砂利が綺麗に敷き詰められてはいるが幅員は狭く、見た感じは、林道を延長したというより、新しく作業道を造ったような印象を受ける。

 チェーンゲートから1kmちょっと進んでくると、あっさりと行き止まりになった。今後、この先は更に延長されたりするのだろうか・・・。

 真名井線を引き返し、起点手前の橋を渡ると・・・な、何故こんなところにスノーマンが・・・。どうやらこの大丹波地区では、クリスマス時期に合わせてイルミネーションを点灯させているようで、道沿いの民家は軒並み玄関や庭先に電飾が設置されている。ただ、点灯は夕方の5時以降のようで、道沿いのイルミネーションが一斉に点灯すればさぞ綺麗だとは思うが、この寒い時期の山間で、さすがにそれを待つだけの根性はありません・・・。

 続いては、県道を直進した先で始まる林道大丹波線。こちらも勾配のある道で一気に高度を稼ぎ、所々で視界の開ける地点もある山岳林道といった雰囲気。
 以前訪れたときに、真名井線で出会った登山者に、この大丹波線の奥に「水飲み場」がある、と教えられたのだが、その時は結局それがどこなのか分からずじまいだった。今回こそ、その水飲み場がどこなのか探してみよう。

 路面を覆う落ち葉を踏みしめ、ゆっくりと上って行く。物淋しい雰囲気なんだけど、それもまた楽しい。

 ふと道の脇で、白い花が咲いているのが目についた。

 こんな時期にもう梅でも咲いているのかと思ったが、よく見ると、ふわふわの白い綿のような花をつけていた。一体、何の木なんだろう。

 しばらく進むと、衝立で道を塞がれている地点に出た。

 「土砂崩壊」・・・?でも、経験上、こんなゆるい衝立しか置かれていない時って、実際大したことない場合が多いんだよな。どうせ終点までそんなにないだろうし、ちょっと失礼して先へ進んでみますよ。

 あ、これだな。なんだよ、全然大したことないじゃん。この程度で通行止めなんて、ははは、大げさだなぁ、全く。




















  




















 

 疑ってすいませんでした。

 こ、これはだめだ。「通行止め」っていうより、「通行不能」だよ・・・。もはや、水飲み場を探すどころじゃないな。
 この大丹波線、終点の先をあとほんの少し延ばしてくれれば、大名栗に繋ぐことも出来ると思うんだけど、東京と埼玉を跨ぐことになると、それも難しいのかな。
 ともかく、これ以上進めないところに留まっていても仕方ない。いつの間にか空もどんよりと曇って来てしまったし、本格的に冷え込んでくる前にさっさと帰ろうっと。