冬の埼玉林道探索 2010/12/19 埼玉県北部の林道-パート1 |
最近、すっかり冬らしく寒くなってきましたね。寒い冬の間は、メジャーな林道の冬季閉鎖や、凍結や積雪などの路面状況の不安などもあって、あまり遠出をせずに近場、そう、埼玉のマイナー林道の探索に出かけるのが自分の中でのお約束になっている。先日、BAJAのデジタルメーターの修理も完了して、冬場のリセット病に悩まされることもなく安心して林道の延長を計ることもできるようになったし、埼玉の中にまだまだ残る未踏の林道を求めて、今年も早速出かけるとしよう。
今回、まず向かった先は、本庄市にある林道浅間沢線。地図を見る限りでは市街地にも程近く、恐らく道自体は舗装で終わるんだろうな、と大した期待はしていないのだが、それとは違った部分でちょっとワクワクしながら向かっていく。実はここ、埼玉県内の林道としては最北端に位置する路線なのだ。
R254を進み本庄市へと入り、折り返すように主要地方道44号線を進んでいくと、川を挟んで県道が二股に分かれる区間がある。その一方の道から、北に向かって分岐する枝道へと入って行くと、少し進んだ先で、道の脇に起点標識が立っている。
旧児玉町表記の標識には、こちら側が終点と記されている。確かに、地図によればこの林道のもう一端は国道から程近い地点にあるので当然か。とりあえず、ここから起点に向かって進んでいくことにしよう。
早速進んでいくと、すぐに舗装路は落ち葉で覆われ始めた。道の上には倒木が跨いでいるし、いきなり廃道臭がプンプン。
奥へと進むにつれ、更に廃道臭が増してくる。道に積もる落ち葉も、風情なんてものとは程遠く、写真にこそ撮らなかったが、道端に廃材?のようなものが積まれていたりもする。なんだかキッタネー道だなぁ・・・こんな状態で、本当に起点まで抜けてるのか?
うわぁ、アスファルトが地殻変動を起こしてますよ・・・。
と、そんなボロ道を進んでいると、どこで切り替わったのか全く気付かなかったのだが、いつのまにか路面は未舗装へと変わっていた。そして、その先にはかなりしっかりとしたゲートが設置されている。
ゲートに掛けられた看板によると、このような理由で、ここから先は通行止めの扱いのようだが、何故かゲートそのものは開放されてウェルカム状態になっている。このボロ道、とうとうゲートの管理すら放棄されてしまったのか?まぁ、ゲートが開いているなら、遠慮なく先へと進ませてもらいますよ。
路面に大きな瓦礫の転がるガレた道を進んでいくと、ゲートから僅か数十メートルの地点で倒木が道を塞いている。
あちゃー、こりゃダメだ。これがあるからゲートも開けっ放しだったのか。この道の管理者も、もう今更これを撤去する気もないんだろうな。
ともかく、これ以上進めないとなれば、今度は起点側からアプローチするとしよう。県44を引き返し、R462から民家の建ち並ぶ細かい道へと入って行く。
所々で地図を広げては場所の目星を付け、しばらく周辺をウロウロしてようやく起点を発見。はたしてこちら側からはどこまで進むことが出来るのだろうか。
起点付近は、住宅の建ち並ぶ、およそ林道らしくない景色が続いていたが、1km程進むと路面も未舗装となり、周囲の風景もようやく林道らしくなってきた。
更に進むと路面は隙間なく落ち葉に覆われ、車などの通行の気配が全くなくなってくる。つまりどういうことかというと。
こういうことです。
起点から約1.1km地点でゲートに到達。しかも、こちら側はしっかりと施錠され、ゲートの両脇も全く隙がない。道はゲートのすぐ先でカーブして、その先の様子を窺い知ることはできないが、きっとこの道は、もう二度と解放されることはないんだろうな・・・。
ゲート閉鎖の廃道という、意外な結果だった浅間沢線を後にし、続いての林道を目指す。R462から県13〜県289と南下して神川町へと入り、次の目的の林道の入り口を探すが・・・。
ん、高牛線?探していた林道と違うが・・・。
そして、そのすぐ脇にも林道標識があるが。
こっちは林道更木線か・・・この地点へ来るまでに、本来の目的の林道へと至る入口があるはずなのだが、どうやら見落としてしまったようだ。この2つの林道も未踏ではあるので、このまま進んでもいいのだが、まずはここへ来るまでに通り過ぎてしまった林道をツブしておかないと後々面倒くさくなる・・・。なので、一旦引き返すつもりなのだが、この更木線は、延長も数百m程らしいので、引き返す前にここだけ往復しておくか。
ここでも終点からのアプローチとなり、杉の木の立ち並ぶ舗装路を下って行くと、600m程で起点へと辿り着く。
そして、その起点が接続している地点に、別の林道標識が立っている。林道上武秩父線だが、看板を見ると、ここは起点から900m程の地点らしい。この上武秩父線はまた次の機会に走るとして、一旦引き返していこう。
県道から分岐する町道を引き返す途中、眼下にダムの姿が見えた。あれは下久保ダムかな。
この道沿いにあるはずの、次の目的の林道への入口を、注意深く探しながら走るのだが、どうしてもその入口らしいものが見つけられない・・・。仕方なく、更に先にあるもう一方の入口を探すことに。県道から分岐する、ゴルフクラブへと至る道に目星を付け、奥へ奥へと進んでいく。
やっと見つけた!林道横隈線です。標識には「終点」の文字、またもや終点側からのアプローチとなってしまったが、まあいい。早速進んでいこう。
起点から舗装路を上がって行くと、突如眼下に市街地を見下ろせる地点に出た。おお、これはなかなかの開放感じゃないっすか。
そろそろ小腹も空いてきたので、ここで早めの昼飯でも食おうかと考えたけど、このすぐ下にはゴルフコースもあり、プレイ中の人が丸見えでどうにも落ち着かないので、更に先を進みます。
この横隈線、所々で視界の開ける地点があり、全線舗装ながら、快晴の青空とも相まってなかなかどうして気分がいい。ちょういどこの写真の地点の右側には、横隈支線が分岐しているのだが、まずはこの横隈線を起点まで進み、総延長と、起点に至る入口を確認してくるとしよう。
と、そんな道を起点に向けて下っていると、道の脇に淡いピンクの花が咲いているのが目に付いた。
・・・え?
桜!?うわ、桜が咲いてるよ!
季節外れの桜を目にして、ここ最近の異常気象による環境の変化もとうとうここまで来たか、などと地球の行く末を憂いてしまったが、何のことはない、これは「冬桜」といい、もともとこの時期に花を咲かせる種らしい。こんな時期に桜を見たのは初めてだったので驚いたが、かなりテンション上がった(笑)。
やがて、終点から3.3km程走ったところで起点に到着。ちょうど標識の手前にBAJAを停めるのと同時に、下から上がってきた軽トラがそのすぐ後ろに停車し、車から降りてきたおじさんが何やら作業をはじめた。人前で起点標識の写真を撮ることに少々気恥かしさを覚えながらも、そのおじさんもろともフレームに収めていると、そのおじさんが、
「どこ行ぐん?」
と声を掛けてきた。どこ、っていうか・・・林道を走ることそのものが目的なんだけど、それをとっさに上手く説明が出来ずに、「山の中を走ってるんですけど・・・」などとよくわからない返事をしてしまった。このままじゃただの怪しい男だ・・・。とりあえず「ここを下ると何処に出るんですか?」と尋ねると、このまま下って行けば県道に出て、あっちへ行けばどこに出て、反対に行けばここに出る、などとにこやかに親切丁寧に教えてくれた。あー、なんていい人なんだぁ。こちらも丁寧にお礼を伝えて、その先を下って行く。
起点の先を下りきり、何処へ出てきたのかと今来た道を振り返る。あ、ここは確かにさっき通った場所だ。しかしこの分岐、これじゃ気付かなくても仕方ないワケだ。どう見たって人ん家に入って行く私道にしか見えねーよ・・・。
さて、再び横隈線を上って行き、途中で分岐する支線へと向かうことにしよう。
やってきました、林道横隈支線です。
どんな道が待っているかと思いながら進んでいくが、特にこれといった特徴もなく、最後まで舗装路のまま起点から1.5km程で終点に。
横隈支線を引き返し、そろそろだいぶ腹も減ってきたので、さっきも停車した、支線の起点脇にある見晴しのいい地点で昼飯にすることに。谷を流れる風の音が微かに響く中、たまに眼下に見える道を通る車の排気音が、だいぶ遅れて耳に届く。
今日の飯はコレ。一応目線は入れておきますよ、あそこウルサイから(笑)。しかし、山の中で食う昼飯に酸辣湯麺って、思った以上に合わねーなぁ。
で、この場所のすぐ脇に生えている木には、「熊出没注意」の張り紙が下げられているのだが、風が吹くたびに周りの木々がワサワサと音を立てて揺れ、それを聞いていると、まさかすぐそこに熊が?という気になって、せっかくの眺めの中でもちっとも落ち着かない。食ったらさっさと移動するとしよう。