冬の埼玉林道探索 2010/12/19 埼玉県北部の林道-パート2 |
横隈線で昼飯を食いながら、地図を眺めて午後は何処を走ろうかと考える。もともとは、皆野町経由で旧吉田町のエリアに向かって細かい林道を回って行こうと思っていたのだが、さっき走った更木線の奥で見た上武秩父線が気になりだした。地図を見るとかなりの長さがありそうなうえ、接続する支線の数も多く、この周辺を一気に探索しようとするとかなり大変そうな気がする。よし、今日は上武秩父線の本線を端から端まで走り切ることにして、接続する支線の探索は次の機会に集中するとしよう。で、上武秩父線の後で時間が許せば、更にその向こうに続く西秩父線まで足を伸ばすのもいいかもしれない。
というわけで、横隈線を再び起点に下り、更木線経由で一旦上武秩父線の起点まで戻る。
広域基幹林道上武秩父線です。こちら側はどうやら終点となるらしい。また終点からかぁ、まあいいけどさ。
さあ、これから分岐する林道には脇目も振らず、一気に起点まで向かっていくんだぜ。
時刻はまだ昼を過ぎたばかりだというのに、早くも傾きだした陽に照らされて、少々さびしげな雰囲気の中を進んでいく。
路肩に生える木は既に葉を落とし切り、枝の隙間からは谷側に開ける景色が見える。
山の北側を延びる区間はすっかり日陰に隠れ、所々で覗く澄んだ青空を引き立たせている。
途中、何箇所かで他の林道が接続する地点があるが、その度にわざわざ上武秩父線の本線を示す標識も立てられている。たしかに、これだけ長い林道だと、途中から上がってきたらここがどこだか分らなくなりそうだ・・・。
そして、訪れて初めて分かったのだが、この上武秩父線に接続している林道は、今現在ほぼどれも工事のため通行止めとなっていた。今日はどのみち上武秩父線だけ走るつもりになっていたから良かったけど、期間を見ると、次は来年の春になるまではこのエリアには来れないことになるな。
というわけで、結果的にも支線に脇目を振ることもできずにひたすら本線を進んでいくワケだが、それにしても長い・・・。途中に立つ看板によれば、この上武秩父線、総延長は何と19.6kmもあるそうだ。
この時期の北側の斜面は、日中もほぼ陽が当たることがないのか、路肩に積もる落ち葉には霜が纏わりついたまま、午後だというのに溶ける気配もない。さ、寒いんだぜ・・・。
更に進むと、南側の斜面に出た区間で、山の稜線が連なって見えた。
おお、西日に照らされた山のシルエットが、まるで絵画のようなグラデーションを描き出している。綺麗だなぁ。あの山の中には・・・一体どれだけの林道が敷かれているんだろう(笑)?
そろそろ起点に近付いてきたかという地点でトンネルが現れた。扁額を見ると、三ツ山隧道と書かれている。更に先にはもう一つ、赤根沢隧道もあり、これらは昭和56年頃に出来たものらしいが、そんなに古いトンネルでもないのに「隧道」と書かれているのって珍しい・・・のかな?
その隧道を越えると、程なくして県道71号線に合流する起点に着いた。いやー、ホントに長かった。そして、この県道を挟んですぐ向かい側には林道西秩父線が控えている。続いてこの西秩父線へ進もうと思ったのだが。
えっ、ここもかよ〜。しゃーねぇなあ、それじゃ予定を変更して、県71を下りながら、途中で分岐する林道を回って行くことにするか。
というわけで、R299方面に向けて県道を下って行くと、まず一つ目の林道標識を発見。って、あれ?なんでガードレールの手前に標識が立ってるの?
・・・いや、良く見れば確かに道があるぞ・・・。
林道小川線というこの道、残念ながら起点からチェーンゲートで閉鎖され、路面に茂る藪からは、もう長いこと車両の往来がないことが窺えるが、とりあえず少しだけ歩いて入ってみる。
先の様子を見ると、路面は完全な廃道状態。この時期だから辛うじて道が判別できるけど、夏場は藪で凄まじいことになってそうだな。
小川線を後にして県71を南下し、続いてやってきたのは林道矢丸沢線。
出た!オレンジの菱形標識!このタイプ、埼玉県内では数は少ないけど、何故かこのエリアでは良く見かけるんだよな。
早速入ってみると、全線舗装のまま、1.6km程進んで行き止まりの終点を確認。よし、次!
で、この先には、この辺りではそこそこ距離のあるダート林道、明ヶ平沢戸線があり、久々にそっちを走ろうかとも思ったのだが、今日は未踏の林道を開拓しておきたいと思い、更にその先へと進むことにした。しかし、帰宅してから調べてみたら、その明ヶ平沢戸線は、現在土砂崩れで通行できなくなっているとのこと。ちょうど良かったというか、残念というか・・・。
続いては、林道大波見入線。
こちらの標識もオレンジの菱形タイプだが、先ほどの矢丸沢線と比べると格段に状態が良い。ちなみに大波見と書いて「おおはみ」と読むそうです。
早速進んで見ると、300m程の舗装路を経て、路面は未舗装に。西日の射すダート道を上って行く。
未舗装の行き止まり林道だから、それなりに荒れてたりするのかと思ったが、路面は終始穏やかな状態を保ち、広々としてとても走りやすい。
路面は一面に落ち葉が降り積もり、冬らしい景色を演出している。大して期待もせずに入ってきたけど、なかなか素敵な林道じゃない。いいねぇ、かなり気に入りましたここ。
更に先へと進み、起点から約1km地点の行き止まりを確認して次の林道へと向かう。
続いては林道滝の入線。埼玉県内で「滝の入(滝ノ入含む)」って名前の林道を走るのは、これで4本目だな。特に標識の類が立っていないので、入口で地図を広げて確認するもいま一つここだという確信が持てず、一旦違う分岐を探しに行ったり、再び戻ってきたりしていると、奥に見える民家の方が、
「どこ行くの?」
と声を掛けてくれた。地元の人ならすぐにわかるかもしれないと思い、エンジンを切ったBAJAに跨ったまま足漕ぎでそのおじさんに近付いていき、「林道を探しているんですけど・・・」と伝えて地図を広げると、
「林道?ああ、ここは滝の入線。で、もう一本向こうにあるのが龍泉寺入線。」
と、これまた親切に教えてくれた。ありがたいことです。一応、この先へ進んでも大丈夫かどうか尋ねてみると、
「大丈夫だけど、ここ、行き止まりだよ。」
というので、行き止まりなのは分っているので大丈夫と返事をすると、あ、そうなんだ、と笑ってた(笑)。鉄砲打ちが入っているから気をつけて、と教えてもらい、お礼を告げて早速先へと進んでいく。
道は起点から1kmほど舗装路が続き、その先に幅員の狭いダートが続いているが、その地点に標識が立っている。表記を見ると。
どうやらここから先は作業道滝の入線に切り替わるようだ。林道のほうには標識がなかったのに、何故作業道にだけわざわざ、と思ったが、恐らく以前は林道の起点にも標識があったんだろうな。
その作業道の起点には、特にチェーンゲートなどもないので、そのまま先へと入ってみる。
ところどころぬかるみやガレた場所などもある道を上って行くと、やがて軽トラで道を塞がれている場所に出た。どうやら猟師さんたちの車らしく、全部で3台の軽トラが連なって停まっていた。
まだその先にも道は続いているようだが、軽トラで道を塞がれているので、これ以上先へは進むことが出来ない。仕方ない、ここは戻って次に行くか。
滝の入線の起点から県道沿いに僅か数十m進んだ先に、林道龍泉寺入線の起点がある。続いてはここへ入って行こう。
500m程の舗装路を進んでいったところで未舗装に切り替わったが、その先は路面もだいぶ下草に覆われ、今ではあまり使われていない道といった印象。もしかするとここも、林道龍泉寺入線は舗装路の終わりまでで、未舗装区間は作業道の扱いだったりするのだろうか?
進行方向は左手へとカーブし、更に先へと延びている。距離的にも一本向こうの滝の入線とすぐ近くだし、もしかして作業道の奥でここと繋がっていたりするんじゃないのか?
・・・と思ったけど、倒木によりあえなく通行不能に。残念だけど、これじゃ確認のしようがない。おとなしく引き返すとするか。
そういえば、この龍泉寺入線からは確か、作業道が分岐しているって話を聞いたことがある。上ってくるときには気づかなかったけど、戻りは注意して探してみよう。
あ、あった。作業道田の入線です。
・・・っていうか、入れるの、コレ?
BAJAを下りて起点の先を覗いてみる。入口こそ笹に覆い尽くされちゃってるけど、その先は入って行けないことはなさそうだ。
しかし、起点からほんの10m程進んだだけで、その先の様子がだいぶ怪しくなってきた。
路肩は思いっきり崩れ落ち、残る路面からは藪が突き出し、角度も結構なバンクとなっている。・・・もう戻ってもいいッスか??
BAJAを降りたついでなんで、もう少し先まで歩いてみたが、路面には深い溝が伸び、伐採された木の幹などが散乱しているなど荒れ放題。・・・ここまでにしときます。撤収!
というわけで、本日のツーリングはこれにて終了。久しぶりに地図とにらめっこしながら細かい道を走ってきたけど、いやー疲れた。もちろん楽しかったけどね。
今シーズンも、冬の間にどれだけ埼玉林道の探索を進められるかな?