林道での長い夜を越えて
2013/10/14 福島林道ツーリング・2日目-A 黒沢林道〜布引高原風力発電所
 
@はこちら。
 
 一ノ渡戸・四ツ屋線を抜けて県道(そう、ここまでの舗装路って林道っぽいけど一応県道なんだよな)を5km程走ってくると、そのまま道なりにダートの黒沢林道(ツーリングマップル関東甲信越P97・G−4)に切り替わる。・・・何か倒れてるけど、まあいい、さっそく進んで行こう。
 
 ・・・と思ったものの、ふとこの地点から分岐する、妙に立派な道が気になってしまった。前回黒沢林道を抜けたときは気にも留めなかった道だが、ふと分岐点に立つ白い杭を見つけてしまった。それを見ると・・・。
 
 林道会津若松線・・・こいつ、こんなナリして林道なのか。ちょっとだけ入ってみるか。
 
 幅広でセンターラインの引かれた綺麗な舗装路は、先ほどまでの県道なんかよりもはるかに高規格だ。一体何でこんなところにこんな林道が・・・。
 
 尾根を回り込む地点まで上ってくると、前方には広い空が開け、向かいの山肌一面に蛇行する作業道が造られているのが見渡せる。そして、下からこの尾根を見上げたときに、この先で道が途切れて見えたのだが、こんな道が行き止まりの訳が無い。
 
 案の定、道はトンネルで稜線の下を潜っていた。
 
 ポータルに埋め込まれた銘板には、森林開発公団の名が。この森林開発公団こそが、後の緑資源機構となるのだが、なるほどね。林道にしちゃあずいぶんとご立派なワケだよ。一応、会津若松方面と先ほどの県道を結ぶという役割はあるのだろうが、それでも連休にも関わらず一台の車ともすれ違うことも無かったけどね。
 このままトンネルを越えて進んでいくと、猪苗代湖方面に出るようなのだが、今日はそちらへは行かずにこのままここを引き返し、更に南下していく。
 
 会津若松線を引き返し、改めまして。黒沢林道です。
 
 道のすぐ脇を流れる川が、陽の光を浴びて眩しく輝いている。森の中を蛇行する自然の川って素晴らしく美しいな。
 
 道はしばらく川と並走している。この川沿いの林道の景色ってホント好きなんだよな。路面も穏やかで走りやすいし、うーん、堪らないぜ!
 
 なんて思っていると、路肩に重機が停まっている地点を越えて、いきなり路面が荒れだした。画像では分かり辛いが、深くて長い雨裂や、大粒の石くれがごろごろし、若干走り辛くなっている。昨日から走ってきた林道のなかでは、ここまで荒れた箇所もあまり見掛けなかったが、これって台風の影響なのかな?
 
 それでも道はまたすぐに穏やかさを取り戻す。この黒沢林道、展望の開けるような場所こそないが、先ほどの川沿いの区間や、このような鮮やかな緑の中に延びる区間など、深い森の中を抜けていく道となっていて、これもまた林道の魅力が詰まった素敵な道だ。
 
 しばらく走ると、道が二手に分かれる地点に出て、そこには今走ってきた会津若松方面と、林道の本線とは別のもう一つの方向に対しての案内が記されている。そう、これから向かうのは、布引高原だ。
 
 勾配の殆んど無いフラットな道を進んでいくと、次第に木々の隙間から、回転するあの巨大な姿が見えてくる。胸が高鳴るぜ・・・。
 
 
どーん!
 
 来たぞーっ!布引高原風力発電所!3年前に来たときは、事前にこの存在を知らず偶然に訪れて度肝を抜かれたが、一帯に列をなして連なる巨大な風車が、今回もやはり変わらぬ迫力をもって迎えてくれた。
 「林道ツーリングの途中ではあまり観光地的なところには立ち寄らない」とは言ったが、ここだけは別(笑)!帰り道、どうせこっち方面を通るなら、ここだけは必ず立ち寄って行こうと決めていた。
 
 前回は空に浮かぶ雲が印象的な景色となっていたが、今回は雲一つない青空の下、低いうなりを上げて回転する風車の中を縫うように延びる道をのんびりと散策する。
 
 風車のすぐ下にBAJAを停めると、巨大な風車の影が車体を撫でるようにゆっくりと回転する。
 
 やはり良いなあ、ここは。こんなに巨大な建造物が、これだけ広範囲にわたって存在しているという光景。発電と言う日常に密着した経済活動のためのものにも関わらず、あまりにも非日常的な視覚の衝撃となって迫ってくる。まるでクリストの作品でも観ているかのような。
 
 場所によっては、風車の向こうに猪苗代湖が見えるところも。なんて雄大な景色なんだろう。
 
 久々の布引高原風力発電所、相変わらず素晴らしい場所だった。やはり立ち寄って良かった。
 本当はこの後にもう一本くらい林道を走ろうかとも思っていたのだけれど、こんな感じでしばらくこの敷地内を散策してだいぶ満足してしまい、今日はここを締めとして帰ることにした。
 
 久しぶりに訪れた福島の林道群は、やはり期待通りの素晴らしさで、僅か一泊の行程の中でも幾つもの忘れ得ぬ景色を見せてくれた。また来年も、時間が取れればきっと福島を訪れよう。