2台の赤BAJA、林道を駆ける!
2014/07/26-C 山梨県北杜市・林道横尾山線
 
Bはこちら。
 
 余地大日向線の山頂の絶景を満喫し下界へと降りてきたが、このあとどこを走るかはまだ決めていなかった。この周辺にもまだいくつか林道があるが、検討した結果、ここから南下して山梨に入ったところにある林道へ行ってみようということになった。ただ、今いるこの場所から次の目的地までの距離は40km以上あり、普通に走っても1時間程は掛かると思うが、みやさんもせっかくフリーの1日なわけだし、俺にとっても初めてとなる林道なので、いっちょ気合い入れて行ってみよう!
 
 で、ひたすらみやさんについて走った結果、どこをどう通って行ったのかまるで憶えていない(笑)。ここ、どこなんだろう・・・。
 
 余地大日向線を出発して1時間20分程で次の目的地、林道横尾山線に到着。先日、みやさんがこの林道の記事をサイトにアップしていて、俺も気になっていた林道だった。条件が良ければ富士山も見ることが出来るようだが、果たして夏のこの時期はどうだろうか。
 
 入口から入るとすぐに路面はダートとなる。常にフラットで非常に走りやすく、その路面にやや傾きかけた陽射しが影を落とし、とてもいい雰囲気を作りだしている。
 
 走りだして程なく、斜面が大規模に伐採された地点に出た。
 
 写真を撮ろうと周囲を見回していると、斜面の上の方に3頭の鹿が立ち止まっているのが見えた。しばらくはこちらの様子を伺っているようだったが、カメラを構えるとすぐに走り去ってしまった。
 
  その見上げたままの視線をずらしていくと、太陽が山の向こうへと隠れ始め、稜線上の木々のシルエットからその姿を透かしている。こんな景色を見るのもずいぶんと久しぶりな気がする。
 
 それにしても本当に走りやすい林道だ。勾配も路面の状態も安定しているので、何の不安も無く走って行くことが出来る。
 
 路肩に盛り土のしてある地点があり、その向こうにはかなりの景色が開けているようだ。さすがにバイクでは上れなそうだったので、その盛り土の上までよじ登ってみると・・・。
 
 おおおーっ!これは素晴らしい!緑に覆われた山肌と、更にその奥に霞む岩肌の露出した山々。そしてその上に浮かぶ白い雲の塊が、何とも言えない夏山の空気をこれでもかっていうくらいに放っている。その山の中を遥かに延びる送電線もまた、この景色のスケールを感じさせていい雰囲気を添えているよなあ。いやあ、最高だよこの景色!今年は夏の林道はほぼ諦めていたんだけど、思いがけずこんな素敵な景色を見ることが出来て本当に嬉しいぜ。
 
 木々に覆われた区間でも、直線の先には、眩しい陽射しが暑い大気に霞む山をくっきりと描き出している。ただ、この日陰の中から明るい山を写すのは難しいんだよなあ。
 
 むせ返るような緑の中を抜けていくこんな区間も、常に見通しは良く安心して走ることが出来る。肌を撫でていく暑い風が、真夏の林道を実感させて無性に嬉しくなる。
 
 眩しい西日に向かって、穏やかなダートを走り続けていく。もう最高じゃない?
 
 まだまだガンガン行くぜえっ!
 
 途中、これも切り通しなのか、道の外側に立つ大きな岩があった。あまりにも印象的な姿だったのでちょっと停車。
 
 恐らく道を通すのに障害となる部分を切り崩したのだとは思うが、だとすると、ここに生えているこの木は、それ以降に生えたってことか?こんな養分の乏しそうな岩の上でよくこれだけ育つもんだな。
 
 更に進むと、恐らくは伐採中と思われる、路肩に重機の停まった場所があったが、そこでは、垂直に立てられた丸太から四方にワイヤーが張り巡らされていた。
 
 ぱっと見、索道かと思ったのだが、それにしてはずいぶんと華奢に見えるし、なにより滑車なども見当たらない。うーん、なんなんだろ、これ?
 
 ここでは谷側の斜面が伐採されているため、その谷側の視界が開けている。
 
 山々の上に連なる雲が、ザ・夏!って雰囲気満天。実にいい景色だ。今これを書きながら思い出しても、この場所の空気が自分の周囲に蘇ってくるようだ。
 
 おおっ、タンポポの綿帽子だ。こんな時期に咲いているって、平地のタンポポとは種類が違うのかな。それにしても、綿帽子を逆光で撮るとボルボックスみたいでちょっと不気味だな・・・。
 
 そういや冒頭にも書いたけど、条件が良ければ途中で富士山が見える場所があるってことだけど、そろそろ見えそうな場所があるかな・・・。
 
 ダハー!こりゃダメだ。西日が強すぎて何にも見えないよ(笑)。
 
 でもさ、西日に霞む夕刻の空っていうのも夏ならではの景色って感じで、これはこれですごく良いものだと思うんだよね。まあ、いずれまた空気の済んだ季節にでも再訪はしてみたいと思う。
 
 そろそろ林道も終盤。木々を透かして照らされる沈む日の光を浴びながら残りの区間を堪能する。
 
 このあたりの区間なんか、紅葉の時期にでも来たらかなり見事な景色になりそうだな。秋頃にでもまた来てみようかな。
 
 極上のフラットダート、眩しい光で真っ白に霞む空、その光が路面に落とす影。今日は最後の最後までこんな素晴らしい景色に恵まれて、あーっ!もう最高だぜ!
 
 総延長20km程を走り抜け、遂に横尾山線の終点に到着。山梨の林道といえば、ダート林道は次から次へと容赦なく舗装されていくというイメージがあったが、この横尾山線は、そのほぼ全区間が未舗装のまま残されていることに正直驚いた。
 
 って、あれ?こっちが起点だったのね。まあ、この林道はどちらに向かって走っても同じように楽しめると思う。ここも本当にいい林道だった。走ってみて思ったのは、現状特に荒れてるところもなく、見たところ舗装の必要性は全く感じなかったということ。山梨県には、是非ここはダートのまま残しておいてくださいと切にお願い申し上げる次第であります(笑)。
 
 これにて本日の林道走行は全て終了です。みやさんには今日はすっかりルーティングをしてもらっちゃってありがとうでした。4年半ぶりとなったみやさんとのツーリングだったけど、初めて走る林道も含め、久しぶりに丸一日ガッツリと走れたこともあって本当に楽しかった!また時間の空いたときにでも走りに行こう、林道へ!

 ・・・で、今日の林道はこれで終わりだけれど、ここから埼玉までがまた長かった(笑)。街まで下って、休憩がてらこのあとのルートを検討したんだけど、はじめR411で柳沢峠を経由して奥多摩へ抜けて行く?なんて言ってたら、みやさんのナビの予想では帰宅までの所要時間は4時間以上・・・でゲンナリ(笑)して、じゃあ素直に中央道で帰ろうか、ってことになったんだけど、そっちでも渋滞に巻き込まれたりで、結局掛かった時間はR411経由の予想時間とたいして変わらなかったという驚愕の結果に(笑)。しかもみやさん、帰路ではずっとスロットルにアクシデントを抱えてたっていう・・・とにかく無事に帰り着けてなによりでした。みやさん、本っ当にお疲れさまでした(笑)!