気づいたら秋
2014/10/11-@ 埼玉県秩父市・中津川林道
 
 ご無沙汰しております。ナノレカワです。
 前回ツーリングに出掛けてから早2ヶ月半、夏の暑さもとうに過ぎ去り、日によっては市街地でも肌寒さを感じるようになってきた。
 最近になってようやく仕事も落ち着きを取り戻し、この土日は久しぶりに完全な休日として迎えることが出来た。そんな折、日本列島には「スーパー台風」に発達するのではないかと思われた台風19号が接近していた。もし勢力を保ったまま関東を直撃したら、去年の台風の影響で通行止めが続き、この8月にやっと開通したばかりの中津川林道が、また崩落してしまうかもしれない・・・。
 週間予報を注視していると、どうやら関東地方に最接近するのは日曜の夜辺りになりそうで、土日の天気はなんとか持ちそうだった。当初、この週末はゆっくり身体を休めようと思っていたのだが、今年中津川を走れる最後のチャンスになってしまうかも、と思うといてもたってもいられず、前日の夜に急遽出掛けることを決めた。
 
 というわけで、中津川林道へと至る県道210号線までやってきた。時期も時期なので、それなりの寒さ対策もしてきたつもりだったが、それでも谷合を走るR299では、かなりの寒さを味わうことになってしまった。これからどんどん寒くなっていくんだよなあ・・・。
 
 今日は普段あまり写真を撮らないようなところでも撮影してみようと思い、こんなところで停車したのだが、路肩を見ると、白いガードレールが何故かへし曲がり、谷側へと垂れ下がっている。
 
 ここって、もともとこんなんなってたっけなあ?一体どうしてこんなことに・・・まさか、車でも転落したか?
 
 中津峡を奥へと進んでいくと、周囲の山肌は早くも薄っすらとその色彩を変えつつある。今年は真夏の間に全く林道に出掛けられなかったこともあり、季節が急激に変化しているような感覚を覚える。
 
 ・・・さて、もしかしたら写真を見てちょっとした違和感を感じる方もいるかも知れませんが、今日は久々にやっちまいました。カメラが高感度モードになったまま撮影してしまった・・・。しかも、よりによって中津川でやるなんてなんたる失態!とりあえず、道が中津川沿いを離れていく辺りでそれに気付いたんですけど、そこまではこんなお見苦しい画質でお送りすることをご了承ください・・・。ま、まあ、きっとみんな大して気にしないよね・・・?
 
 森林科学館前の、いつもの撮影スポットで。ここで撮影するのは、もはや中津川を走る際の儀式みたいになってるな。
 
 道がダートに変わって程なく現れる、路肩に石垣の続く区間。ここは序盤のなかでも好きな場所だ。
 
 序盤は、かつて森林鉄道を通す為に開削された勾配の殆んど無いフラットな区間が続く。ここを通ると、ああ、中津川に来たなあ、と実感出来る。
 
 そういえば、当たり前のように走って来たけれど、前回来た時はまだ通行規制の解除される前だったんだよな。やっと開通した中津川に来ることが出来たよ、嬉しいなあ。
 
 さて、ここは進行方向は写真の奥方向なんだけど、何故BAJAがこっちを向いているのでしょう?
 ・・・ここでBAJAを停めて撮影中、突然BAJAが倒れてしまった。恐らくはスタンドを立てた足場が緩かったんだとは思うが、更には路肩に傾斜が付いていたために、なかなか引き起こせずにしばらく一人で悶絶してしまった。そんなことをしているところに、たまたま通りかかったライダーの方に助けてもらい、何とか引き起こして撮ったのが上の写真、というわけであります。助けてくれたライダーの方、本当にありがとうございました。
 倒しそうなところに停めてしまったのも、一人で引き起こせなかったのも、やっぱり疲れが抜けないままで慌てて来ちゃった所為かな。そんなことを考えながら、しばらくは凹んだ気分のままこの先を進むことになってしまった。
 
 林道大山沢線は安定の通行止め、と・・・。
 
 お、いままであまり意識して見たことが無かったけど、この看板もなかなかいい味を出してるな。「東京営林局」名義だが、これもかなり古いものなんだろうな。
 
 先へと進んでいくと、少しずつ周囲の紅葉の度合いが増してくる。樹木の種類にもよるのだろうが、既にこの中津川沿いの区間でも紅葉が始まっているとは思わなかった。
 
 川沿いを蛇行する道と、その路面から程近い高低差で流れる川面。ここもなかなか印象的な景色の割には、いままでそんなに撮った覚えが無いんだよな。紅葉真っ盛りの時期に来れば、また違った良さが観られるだろうな。
 
 道は川沿いから離れ、峠を目指して高度を上げていく。
 ここでナノレカワ、カメラの感度の設定ミスに気付きます。さっきBAJAを倒した後でのコレだったので、この時点でかなーり凹んでます・・・。
 
 それでもここから先には、青空が広がる区間も増えてくる。なーに、単細胞のナノレカワのことだ、すぐに機嫌も良くなるよ(笑)。
 
 うおぉ、この崖も改めて見ると、葉やら苔やらが巨大な表面にびっしりと纏わりついて、なかなか見ごたえのある景色だな。
 
 徐々に高度を上げてくると、路肩の木々はこんなにも紅葉が進んでいる。起点から終点にかけて高低差のある中津川林道では、同じ時期でも序盤と峠付近でこれだけの景色の変化を楽しめるのも魅力のひとつだ。
 
 木々は初秋の色彩を纏いはじめ、空を流れる雲もまた秋の風情を感じさせる。気温の下がり始めるこの季節が描き出す、少し切なげな空気のコントラストが堪らなく好きだ。
 
 柔らかな暖かみを増す木々に囲まれて、ナノレカワ思わずウットリ。うーん、やはり今日来て良かったなあ。(←ほらね、もう機嫌良くなってる。)
 
 この切り通しも中津川の好きなポイントのひとつ。肉眼では、影になった切り通しの奥に見える明るい日向の景色が綺麗だったんだけど、その様子がイマイチ良く撮れなかったな・・・。
 
 だいぶ標高を上げてきて、視界の開ける部分では遠くの山々の稜線も見えるようになってきた。
 
 急峻な壁面に穿たれた区間から見るこの景色。澄んだ青のグラデーションに、斑に広がる雲が素晴らしく美しい。
 
 お、今日はうっかり通り過ぎずに立ち寄れたぞ(笑)。ここからの眺めも中津川の好きな景色のひとつなのだ。
 
 こうして見ると、徐々にではあるが、やはり確実に季節は移り変わっているのだと分かる。
 
 峠まではあと少し。道が空に向けて迫り出す場所などは、かなり開放的な景色が広がっている。
 
 こんな青空の下を走れるなんて、もう最ッ高だぜ!
 
 初秋の中津川林道を満喫し、ようやく三国峠に到着。そういえば今年三国峠を踏むのはこれが初めてなんだよな。最近は気象が不安定なこともあって、いつ通行止めになってしまうか気が気ではないが、このまま無事なら冬季閉鎖までにもう一回くらい来ておきたいな。
 
 峠の切り通しから長野側を見ると、何やらライトバンの脇に大きなアンテナを立てているのが見える。そういえばあの左手に延びている道の先が、確かNTTの基地局だかがあったはずだが、それに関係した作業でもしているのか?眺め的にはちょっと邪魔だけどなー(笑)。
 
 こちらも久々、三国峠からの長野側の景色だ。
 
 川上村の山肌を埋め尽くすカラマツの林だが、さすがに黄葉のピークにはまだ早かったようだ。ああ、一帯を橙色に染め上げたあの景色が恋しい・・・やはりもう一度来ないとダメだな(笑)。
 
 で、峠のベンチの脇にある木に花が咲いていたんだが、これ、何の花だろう?今までこの花が咲いているのを見たことが無い、いや、あったのかもしれないけど、意識したことが無かったのかも。淡いピンクの小さな粒が綺麗だなあ。

 (追記:BBSに書き込んでくれたPORTさんによると、これはマユミという木の実だそうです。)
 
 さあ、今日はここから更に先へと進みます。中津川林道経由としてはド定番のあのルートだぜ!
 
Aへ続く。