平日の奥多摩林道散策
2014/10/24-A 東京都奥多摩町・林道川乗線〜林道真名井線〜林道大丹波線
 
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 日向沢線を引き返したが、せっかくなので日向沢線との分岐から先の林道川乗線の残りの区間も走っていこう。
 
黄色く色付いた葉を越した光に包まれた、他に誰もいない静かな道をのんびりと進む。
 
 序盤の坂を上りつめると道は平坦になり、程なく路肩の広くなった地点に出る。斜面には登山道なのか単に山の管理道なのか、上へと続く階段が見えている。あとでちょっと入ってみようかな。
 
 日向沢線との分岐からわずか600m程で、川乗線の終点に到着。ここは以前来た時と全く変わっていない・・・いや?
 
 ここから延びる作業用のモノレールが、周囲を囲っていたであろう潰れた柵に押しやられて傾いてしまっている。これってきっと今年2月の大雪の所為なんだろうな。
 
 先ほどの広場まで戻って来た。いい加減腹も減ったし、今日はここで昼飯にしよう。
 
 お湯が沸くまで、さっきの階段にちょっとだけ上ってみる。綺麗に色付いたモミジが良い感じ。雲も晴れてだいぶいい天気になって来たな。
 
 さあ、飯も済ませたし、あとは起点へと下って行こう。ここはさっきも撮った川沿いの場所だが、晴れてきた空の光に照らされた緑が綺麗で思わず目に留まる。そんなに秋っぽくはないけど(笑)。
 
 ここもさっきさんざん眺めた崖の場所だけど、やっぱり天気が良くなってきたのでわざわざUターンしてきちゃった。
 
 擁壁の端の部分に、谷側に突き出た岩場があったのでちょっとだけ乗ってみた。うはぁ、股間がスースーするぜ・・・。
 
 そうそう、川乗線といえばナノレカワ的にはこれも見どころのひとつ!
 
 この「山火事注意」の看板!かまどとたばこから溢れ出る炎におびえるリス君のイラスト自体も素晴らしいが、何よりたばこ本体に説明的に書かれた「た ば こ」の文字がイイ!この看板ってここでしか見たこと無いんだけど、この周辺の林道にもあったりするのかな。
 
 あ、さっきのハチの巣の橋・・・って、あ!あれか!
 
 で、でけえ!これはマジでヤバいって!さっきは橋の上から下を覗き込むなんて呑気な事をしちゃってたけど、この巣の姿を見ると、そんな愚行が本気で恐ろしく思えてくる。しかも、ここから見ていると、写真でもわかる巣の出入り口の穴から、ハチのヤロウどもが次々と飛び立っていきやがる。やつらを刺激しないようにさっさと通り過ぎねば・・・。
 
 そんなこんなで、川乗線の起点まで戻って来た。次の林道へ向かう前に、ここからちょっとだけ日原街道の奥へ行って、あるものを見ていこう。
 
 ここ、前回奥多摩に来た時も立ち寄って行ったが、せっかく季節を変えて来たんだし、やっぱり寄って行きたくなるのだ。
 
 そう、鉱山トロッコの廃レールだ。崖っぷちギリギリに敷かれたレールと、そのレールの上に腰掛けるように成長した木の織りなすこの景色、やはり何度見ても良い!
 
 前回訪れたときとは周囲の色合いも異なり、また違った良さを見せてくれる。ここはこれ以上人の手が入ることも無さそうだし、今後もひっそりとこの景色を残していくことだろう。
 
 日原街道を引き返して、続いてやって来たのは林道真名井線。ここを訪れるのは2010年の12月以来、約4年振りだ。せっかく近くまで来たんだし、道の様子に変化などないか、走って見てこよう。
 
 起点からしばらくは沢沿いの景色が印象的な道を進む。やはり沢沿いの林道というのは良い。
 
 周囲の深い山の影が落ちる谷合の道から、陽の当たる山肌を望む。この寒々しい陰影のコントラストが、これからの寒い季節への移り変わりを感じさせて、
 やがて道は沢沿いを離れ標高を上げていく。先ほどの川乗線同様、周囲にひしめく山々の景色が素晴らしい。
 
 深い谷に架かる送電線も、この景色の良いアクセントになっている。
 
 例によって写真に撮っても伝わり辛いのだが、勾配のある区間なだけに、徐々に路面の凹凸も顕著になってくる。とはいえ、まだまだ走り辛いという程ではないが。
 
 先ほども見た山の景色だが、標高を上げるにつれて少しずつその位置が視線の下方へと移っていく。
 
 西日でほのかに霞む山肌と、そこに落ちる雲の影。時間的にはまだ昼を少し過ぎだだけなのだが、この季節のこの時間帯の、少し寂しげな山の景色が堪らなく好きだ。
 
 この林道、途中で断続的に舗装箇所が出てくる。
 
 その舗装箇所を過ぎたダート区間では、こんなに路面が抉れてしまっている箇所も。写真を撮らなかったところではもっと酷い場所もあったりしたので、舗装化も止むを得ないことではあるのだろう。
 
 やがて、現行の林道としての終点に到着。ここから先へは、やや道の規格の落ちた作業道が延びている。ここは前回来た時も見ているので、今回は入るつもりも無かったのだが、道の先に日に照らされた明るい区間が見えて、思わず誘い込まれるように入ってしまった。
 
 しばらく進むと、道が尾根を越える地点に登山道の道標が立っている。
 
 なるほど、ここを進めは川乗山へ行けるのか。
 そうそう、「川乗」と「川苔」って表記を見るんだけど、どっちが正しいの?どっちでもいいの?
 
 その道標を過ぎると、道がシングルトラックと化してしまった。ここって、以前は4輪も通れるだけの道幅があったはずだけど・・・。
 そして、その先には道を遮るように倒木が横たわっているのが見える。
 
 その倒木の先には、やはり4輪の轍の残る幅の道が延びているが、この手前があれほど荒れてしまっているということは、もうずっとこの道は、森林管理のためには使われていないんだろう。前回来た時からまだ4年しか経っていないというのに・・・。
 ただ、この先の様子を見ると、周囲が開けた地点まで道が延びて、その先が下り勾配になっているように見える。前回来た時に見た行き止まりの地点とは明らかに異なる様子だが、あれから更に道が延長されたのだろうか。もっとも、今となってはもはや車道としての意味は無くなっているのだろうが、登山道の一部として、辛うじて道としての存在を生きながらえさせているのかも知れない。
 
 さて、それじゃ真名井線を引き返そう。下る途中で見えた、ここへ至る道筋が見渡せる地点が目に付いて思わず停車。木々の立ち並ぶ林道を走っていると、こういう景色が見える場所って意外と無かったりするんだよね。
 
 真名井線を真名井橋まで引き返し、続いて林道大丹波線を目指す。
 
 細いアスファルトの路面に落ちる、杉林の幹の影に撫でられながら更に標高を上げていく。道はだいぶ林道っぽくなって来ているけど、そういえば大丹波線の正確な起点の位置って知らなかったな。一体どこなんだろう?
 
 そんなことを考えながら長い舗装路を上ってくると、ようやく路面がダートへと変わる。ここで写真を撮っていると、何と道の奥からジムニーが下って来たので、少し下がってやり過ごす。恐らく同好の士だとは思うが、まさか平日のこんな場所で人に出会うなんてちょっと意外。
 
 ダート区間を一気に駆け上がると、こちらでも周囲の開けた景色が見え始める。
 
 先ほどの真名井線でも見たが、この青空の下、山肌に落ちる雲の影のある景色が堪らなく美しい。
 
 杉林の並ぶ区間では、細い幹のシルエットと、その隙間から射す陽射しが目を引く。
 
 そして周囲が広葉樹に囲まれれば、暖かみのある色彩の中を道が延びていく。様々な道の表情が次々と現れる中を走っていくのは本当に楽しい。
 
 やがて、道の上にバリケードがひとつ置かれた地点に着いた。この大丹波線、この先で土砂崩落地点があり道が寸断されてしまっていて、このバリケードはそれを知らせる為のもので、前回来た時もここに置かれていたのだが、以前とは異なり注意書きも無く、道幅いっぱいに置かれていたバリケードもたった一つになり、そのまま車両も通行出来るだけの幅が確保されている。もしかして、あの崩落は既に修復されたのか?
 
 
 そんなことは決して無く、道の上に堆く積み上がった土砂は、以前と変わらずそこにあった。ただ、以前この土砂の上に横たわっていた倒木だけはそこから消え去っていた。それが、自然と谷底へ滑り落ちたのか、意図的に片づけられたのかは分からないが・・・。
 
 その土砂の上には、細いながらもはっきりとした踏み跡が付いている。今でも少なからず人の往来はあるようだ。
 
 その踏み跡に沿って歩いてみる。眼下には、崩れ落ちた土砂によって破壊されたガードレールが、無残なその姿を晒していた。
 
 流れ落ちた土砂は谷底まで続き、ここで足を踏み外せば遥か下に見える川面まで一気に滑り落ちてしまうだろう。
 
 これだけ盛大に崩れ落ちた土砂も、その崩落から少なくとも4年以上が経ち、斜面はそれなりに締まり落ち着きを取り戻しているようには見える。
 
 ・・・ただ、そこに見える岩なんかは、いつでも発射スタンバイOKって感じだけどな・・・。
 
 ・・・あれ?今写真を見て気付いたんだけど、もしかしてこの道の先って、すぐそこで終わってる?これ以上進むことも無いと思ってここで引き返しちゃったけど、それならちょっと向こうへ降りてみても良かったな・・・。
 
 この大丹波線も、日向沢線の埼玉側の開通と併せて、その日向沢線に接続させることでの観光面での発展という奥多摩町としての希望もあったようなのだが、今となってはそれも叶わざる願いとなってしまったのだろう。前回の日向沢線でも触れたが、予算や自然環境のことを考えればそれも無理からぬことなのかも知れないが、これ以上の延伸は無くとも、せめて本来の森林管理の目的として生きながらえ、たまにこうして訪れる林道愛好家を静かに受け入れてくれれば、もうそれ以上は望まなくてもいいのかな、とナノレカワは思うのでした。