晩秋の奥秩父へ
2014/11/03-B 埼玉県秩父市・大河俣林道
 
奥秩父林道はこちら。
 
 奥秩父林道を後にして中津川林道を下ってきているが、今日はあとちょっとだけ寄り道したいところがある。
 
 それがここ。金蔵沢に沿って延びる、大河俣(オオガマタ)林道だ。
 
 奥秩父林道から中津川林道の起点方向に3km程下った地点で分岐するこの道、入口にあるこの「中津・西沢の大カツラ入口」の標で「ああ、あそこか」と分かる人は多いと思う。ここも旧中津川林道や奥秩父林道と同様、かつて国有林林道として開設された道であるらしい。ただ、現在では林道としての役割を終えて、この西沢の大カツラへのアプローチとして利用されているようだ。
 起点にチェーンが張られていることもあって、俺もこの先へは入ったことが無かったが、この道自体は延長もそんなに長く無いようだし、せっかくだからちょっと行ってみよう。
 ・・・ここは自転車持ち出すまでも無いよな?なので、まずは歩いて様子を見ることにする。
 
 チェーンゲートを越えて入ると最初に見えるのがこの景色。起点のほんの10m程先で道は右手にカーブしていく。そうそう、ここ、朝に奥秩父林道へ向かいながら通過したときは、陽が当たっていて紅葉が物凄く鮮やかに見えていたんだよなあ。時刻が昼を回った今ではすっかり日陰になってしまっているが・・・。あー、さっきこの入口の写真だけでも撮っておくんだったー!
 
 そのカーブの地点から沢を見下ろすと、ごく小さい滝壺が見える。ここがまた、水も綺麗なうえに、黄金色の落ち葉が水面に浮かび、非常に美しいのだが、残念ながらブレちゃった・・・。
 
 そのカーブの先を見ると、またすぐ先で、今度は左手にカーブしているのが見える。この地点までは、過去にも歩いて入ってきたことはあったが、この先がどこまで続いているのかは分からない。とはいえ、そんなに長くは無いはずだが。
 
 路肩に生える木には、その種類ごとにこのような案内板が設置されている。まさに大カツラに向かう登山者向けに整備されたものだろう。
 
 道のほんのすぐ下を流れる金蔵沢を見下ろす。実に美しい景色だ。ああ、陽に照らされていればこの何倍も美しく見えたんだろうなあ。
 
 次のカーブに差し掛かると、内側の路肩は崩れ、路盤の上にも気が成長している。恐らく、この道が開削されてから、そんなに長い期間は使われなかったんだろうな。
 
 2つめのカーブを越えると、路面もだいぶ荒れてきた。
 
 なんてことを思っていた矢先、それまでの道幅が急にすぼまった地点に着いた。ここが大河俣林道の終点か。起点からここまでの長さは・・・恐らくだが、150m程しか無いんじゃないか?やはり自転車は持ち込まなくて正解だった・・・。
 
 その地点から先は日向となり、道は人ひとりの幅の完全な歩道となった。
 
 ここをひたすら進んでいけば西沢の大カツラへ辿り着くはずだが、そこへ行くには、ちょっと覗いてみようか、なんて軽い気持ちでは辿り着けないような道のりが待っているらしい。とりあえず今日は先ほどの地点までで目的は果たしているのだが、日向も気持ちいいし、せっかくだからもう少しだけ進んでみよう。
 
 少し進むと、再び道幅が一瞬だけ車道程に広くなった場所に出たが、ここまでの歩道の様子を見る限り、この地点まで車道として開削された様子もなさそうなので、これはたまたまだろうな。
 
 そのすぐ先で道は急激に先細り、そのままぷっつりと途絶えてしまった。
 
 その先には、トラロープが渡してあるのだが・・・。
 
 こ、ここを渡って行けと?ひぃぃ、何とスパルタンな道だ・・・。
 
 そんじゃ、戻るきっかけも出来たし、これで引き返そう。
 紅葉越しに見る金蔵沢も綺麗だなあ。
 
 歩道区間を戻っていると、前方から突然、ガサッ!という音がした。何事かと思って目を凝らすと、上の写真の斜面左上に映っている、細いが1m以上はありそうな木の枝が、突然上の方から落ちてきたところだった。
 
 斜面の上を見上げても、特に変わった様子は見られないが・・・な、何で突然こんなものが落ちてくるんだよ!?
 あ、わかった!きっと鹿でもいたんだな!そうだそうだ!ぜったい鹿にきまってる!
 
 
 
熊なんているわけないよーだ!!
 
 熊なんているわけないけど、早いとこ戻るとしましょうかね・・・。
 戻りがてら見る、起点から最初のカーブの地点。こちらから見ても抜群の美しさだ。
 
 というわけで、中津川林道まで戻って来た。思いの外短かった大河俣林道だったけど、恐らくは車道として開削された末端を見ることが出来て満足だ。あとは中津川の紅葉を眺めながら帰るとしよう。
 
 この紅葉を見ると、今日はBAJAで来ても良かったかな、なんて気もするが、奥秩父林道での走行と絶景も堪能出来たので、ノー問題だ!
 
 去年の土砂災害のよる通行止めから開通までかなりの期間を要してしまった中津川林道だが、今年は台風の被害も無く、本年度の通行期間を全うできそうで本当に良かった。また来年会いにくるぜ!