秋もだいぶ深まって来たこの時期。実はこの週末辺りで、以前から行こうと狙っていた場所があった。
ただ、数日前から見ていた今週末の予報では、当初は2日から3日に掛けて荒れ模様の天気になるとの見通しが出ていた。今週末が無理なら今年は諦めようかな、とも思っていたのだが、何と直前になって予報が好転!これはもう行くしか無いッ!
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という訳で、やって来ました中津川林道!今日の日記はいつもと違う地点からスタートです。この「県道昇格早期実現」の看板も、もうずっと前から変わることなくここに立っているけど、いろんな意味でここを県道にするのは無理があるんじゃないのかな?
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この辺りはちょうど今が紅葉のピークらしく、中津川林道に入る手前の中津峡では、たくさんの紅葉狩りの人達が訪れていた。道がダートに変わると車の数は格段に少なくなるが、紅葉の見事さでいえば、実はここから先のほうが道の周囲をすぐ近くまで木々に覆われる分、更にレベルアップすると思うんだよね(笑)。
と、そんなことを言いつつ、実は今日の目的地は中津川林道そのものでは無いのだ。
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今日の目的地はここ。中津川林道本線から立体交差を経て分岐する、奥秩父林道だ。今日もここを自転車で辿っていく。
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前回、初めてここを自転車で辿ったのは去年の6月のことだった。あの日通ったこの道の素晴らしさに、秋の再訪を誓うも、その秋に起きた土砂崩落のために、今年の8月まで中津川林道の通行止めが続いていたことは記憶に新しい。
前回から約1年半を経て、ようやく紅葉の季節にここまでやってくることが出来たが、晩秋の奥秩父林道は、果たしてどんな景色を見せてくれるだろうか。
それでは、現在時刻10:27AM、スタートだ。
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(そうそう、予め断っておきますが、今回はあくまでも奥秩父林道の秋の景色を見ることが目的なので、あの廃道区間から先には立ち入ってません。前回のレポをご覧になって、もしあの先を期待された方がいたら申し訳ないですが 笑)
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チェーンゲートを越えて最初のカーブを曲がると・・・お、遅かったか・・・。この地点で既に標高1300m近く、既に紅葉の見頃は過ぎ去り、この先の景色は、周囲の木々はその葉をほぼ全て落とし切ってしまったようだ。中津峡からの中津川沿いの紅葉があれほど見事だったので、この奥秩父林道がこうなっていることはある程度予想は付いていたのだが・・・。
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とはいえ、路面は一面がその落ち葉で覆われ、これはこれで緑豊かな季節とは異なる、また違った良さがある。まあ、過ぎたものは仕方ない、今日見られるこの景色を楽しむとしよう。
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あの斜面に林立しているのはカラマツか?あの周囲はまだ落葉せずに木々の色合いを残しているようだ。
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落葉した幹の影を路面に描き、蛇行しながら緩やかに登る道をゆっくりと進んでいく。たとえ緩やかとは言っても、連続した登り坂を乗車したまま進むのは、ヘタレのナノレカワには少々厳しく、まずはほぼ歩きでの進行となる。
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見てくれ、この真っ蒼な空を!実に爽快な景色だ。数日前までの予報では、ここまでの快晴は期待出来なかったので、今日のこの天気は本当に嬉しい!
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・・・いや、むしろ「岩防ダム」とでも言うべきか。さすがにこんな山奥だと、見える景色は砂防ダムひとつとっても実に荒々しい。
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その洗い越しに水を注ぐ水路を見ると、今日は水が枯れているようだが、その表面に開いた穴は、前回見たときよりも格段に大きくなり、コンクリートの下の土も洗い流されてしまったのか、上の方では底面が陥没しているようだ。たった1年半の間にこれだけの変化が起こるのは、やはり近年頻発するゲリラ豪雨の影響なのだろうか。
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そこを越えると、道は一旦勾配を緩くする。お、ここなら乗れそうだぞ。せっかく自転車があるんだ、乗れるところは乗って行かないとな。
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裸になった路肩の木々の隙間から、橙に染まる奥の山肌が透けて見える。視界に広がる、この季節ならではの暖かみのあるグラデーションに包まれながらのんびり先へと進む。
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幅員の広いカーブの上で、僅かに残る秋色の葉が景色に彩りを添える。
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あともう少し早く来ていたら、周囲の景色はどんな表情を見せていただろう。それはまた次回のお楽しみだな。
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おお、見事な直線コースだ。帰りにここを一気に下っていくのが楽しみだぜ!
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谷側の斜面に、かなりの太さの倒木が横たわる。こういったものも林道らしい光景のひとつだな。
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ここは、この林道には珍しく、路面上に斜面から崩れ落ちた土砂が散乱している。ただ、前回はそれでも車両が通行出来るだけの幅は確保されていたが、今日は少なくとも4輪での通過は厳しい状態になっている。
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斜面を見上げると、まだまだいくらでも崩れそうな気配が漂っている。定期的に整備の手が入っていると思われるこの道でこの状態なのだから、崩れたのは本当につい最近なんだろう。
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手書きの名前がかわいらしいが(笑)、この橋は「くるみ橋」というそうだ。谷を流れる沢を跨ぎ、道は更に奥へと延びていく。
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お、このカーブはよく憶えてるぞ、前回パノラマにした場所だ。今回も秋バージョンで作ってみようかと思ったけど、陰影のコントラストが強すぎて断念・・・。
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陽の当たる区間に出ると、青い空と白い幹、落ち葉の敷き詰められた路面の色彩が実に良く映える。
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それにしても、この奥秩父林道の路面は本当に穏やかだ。普通のダート林道でよく見かけるクレバスのようなものが全くと言っていいほど見られない。全体的に道の勾配が緩いことに加え、そもそもクレバスの出来るきっかけになるような轍が無いことが大きいのかもしれない。
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この場所から向かいの山肌を見ると、この写真では少々分かり辛いが、縦一直線に長い地滑りの痕跡が見える。あのどこかを、あの廃道区間が横切っているんだよな・・・。
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ここでも小規模ながら斜面から滑り落ちた土砂が路面に流れ出ているが、その先端は削り取られたような状態になっていて、やはり何かしらの手が入っていることを伺わせる。
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その斜面を見上げると、これも地滑りの跡なのだろうか、遥か上までまるで滑り台のような地形が続き、その表面には雨裂が形作られている。遠い将来には、ここも深い谷へと変わっていくのだろうか。
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ときおりそんな光景が現れはするものの、基本的には非常に穏やかな状態の続くこの奥秩父林道。道に降り積もった落ち葉をさくさくと踏みしめながら奥へ奥へと進んで行く。
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やがて、この道2つ目の橋が現れるが、それは落橋してからかなりの年月が立ったことを伺わせる姿となっている。
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ただ、その橋のすぐ脇には、ちゃんと谷に沿う様に新たな道が造られている。初めからこう造れば良かったんじゃ・・・とも思うが、嘗てはここに、橋が必要な程の沢が流れていたのかもしれない。今ではその様子は見られなかったが・・・。
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これだけの山奥に、これだけ大規模な林道が開削されたというのは本当に驚きだ。
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嘗て国有林林道として開削された中津川と同様、当時の林業の勢いを感じさせるような高規格の路面だが、国有林としての機能が環境保全中心へと移ったいま、チェーンゲートで閉鎖され、まるで忘れ去られたかのようにひっそりと存在するこの奥秩父林道。今日はここを一人占めだなんて何と言う贅沢!
・・・まあ、ここを訪れる人も登山などで歩くとか以外にそうはいないと思うから、来れば必然的に一人占めになると思うけど(笑)。
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Aへ続く。
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