@はこちら。
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下から見上げた時は、このコンクリート舗装の急坂を上り切れば道が終わるように見えたのだが、その舗装が途切れる地点で、道は直角に折れ曲がり、さらに奥へと伸びていた。
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ぱっと見の印象は、なんだか畑にでも行き着いて終わりそうな雰囲気だ。実際、斜面の下には先ほどの民家の裏にある畑が見えてはいるのだが、どうもそこへのアクセス路というわけでもなさそうだ。ただ、どちらにしろなんだかこのままBAJAで進むにはちょっとアヤシイ雰囲気が漂っていたので、とりあえず様子見で歩いて進んでみよう。BAJA君、ちょっとここで待っててね。
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ちょっと進むと、いきなり山側からは道を覆うように笹が迫り出し、右手の路肩も嫌な感じに輪郭が曖昧で、かなり脆そうな雰囲気を放っている。
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更に、路面には抉れた轍が続き、そのすぐ外側がダイレクトに斜面へと続いている。うーん、やはりBAJAは置いてきて正解だったかも・・・。
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その先のカーブを超えると、路面は穏やかさを取り戻し、作業道レベルの道が更に伸びている。え、もしかして結構奥まで続いてるの? ・・・と思った矢先、意外なものが目に飛び込んできた。
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な、何だここは??遊歩道か!?
BAJAを停めた地点からほんの100m程度で現れたこの道、路肩には丸太を模したコンクリート製の柵が立ち、路面は敷石で舗装され、道は更に上へと伸びている。ただ、見た感じではもう長いこと人の歩いた気配は感じられないが・・・。
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今見た方向と反対の下りとなる道をみると、道は生い茂った木々の中に吸い込まれるように下っている。そして、路面には多量の土が覆い被さり、その上には雑草が生い茂っている。これってどう見ても廃道だよなあ・・・。
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更によくよく見ると、今いるこの遊歩道へと、斜面から登ってくる歩道も接続している。ただ、その道はというと見ての通りの状態で、とてもじゃないがここを下ろうなどとは思えないが・・・。
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その歩道の続く斜面を見下ろしてみたが、道に沿った柵は見えるものの、道そのものは雑草に覆われてかなり不明瞭になってしまっている。こっちの道も、今ではもう訪れる人もいないんだろうなあ。
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ただ、さすがにこんな遊歩道が整備されただけあって、ここからの見晴らしはなかなかのものだ。
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さて、せっかくなので、この先がどこまで続いているのかも分からないが、行けるところまで登ってみよう。
道の中央には手摺もつけられている。今のこの廃道状態からは想像が付かないが、これだけの設備が作られていたということは、嘗てはここもそれなりに賑わっていたこともあったのだろうか。
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そのすぐ先で、道は階段に変わった。見上げると、その階段に上に屋根が見えているが、東屋か何かか?
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その階段を登り切ると、目の前にあったのは、嘗ては展望広場として利用されていたであろう、今では雑草に覆い尽くされた広場だった。
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東屋の中には、色褪せたプラスチックの質素な椅子が隅に追いやられていて、もう長いこと人が訪れていないことを物語っていた。何とも寂しい光景だ・・・。
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更に東屋の外にもベンチやテーブルが設置されていた。見たところ、これより奥にもう道はなく、ここが遊歩道の終点のようだ。
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入会線の終点からわずかな距離とはいえ、この猛暑の中を歩いて登って来たので、既に全身汗だくとなってしまった。せっかくだからこのベンチで少し休憩をしていこう。そして、ここから見える景色がまた実に素晴らしかった。
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どうだ、この見晴らし!先ほどこの歩道に辿り着いたときに見た景色からほんのわずか登っただけで、格段に眺望が良くなっている。さすが展望広場が作られるだけのことはある。
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(↑写真をクリックすると、別ウインドウで拡大写真が開きます。)
あまりに素晴らしかったので、パノラマにしてみた。遥か遠くまで見渡せるというわけではないが、この山肌の中に点在する集落と、その中を伸びる道の作り出す景色の生み出す里山感は、何ら引けを取るものでは無い。素晴らしいぞ越生町!
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ただ、これだけの眺望があるにも関わらず、一体何故この遊歩道は廃道化してしまったのだろう。打ち捨てられた椅子や東屋に囲まれ、不気味なほど静まり返った広場でしばしそんなことを考えた。
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先ほど入会線から上がって来た地点まで戻ってきた。このままBAJAのところへ引き返そうかとも思ったのだが、やはりこの下りの道も気になる・・・。BAJAを回収しなければならないのでどこまでも下っていく訳にはいかないが、先の様子がどうなっているかだけでも見に行ってみよう。
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僅かな区間だけ路上に土が覆い被さっていたものの、その先もしっかりとした遊歩道が整備されていたようだ。
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その歩道を下ってくると、数十mも進んだところで、こちらにも東屋が現れた。ただ、この地点の谷側は杉の木が生い茂り、ここからの展望は全く無かった(なのであえて写真も撮らなかった)。
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ここにも先ほど見たものと同じ椅子が並べられていたが、その姿は雨風に晒されて泥と苔にまみれていた。こんな広場が造られたということは、ここがハイカーで賑わっていた頃は、ここからもある程度の展望はあったのかもしれないが、それから一体どれだけの時間が経ったのだろう。
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そして意外なことに、このまま麓まで下ると思っていた道は、この場所で途切れていた。ということはつまり、この遊歩道へとやってくるには、先ほど見た、斜面の中を延びる雑草に覆われた徒歩道を登ってくるしか無いということか。
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そう、この道ですよ。こんな状態の道を好き好んで歩く人もまずいないだろうし、あの展望広場に人の気配が無かったのも納得だよ。ただ、問題はそもそも何故この歩道がこんな状態になってしまったのか、ということだが・・・。
確か、入会線の起点を過ぎて進んだ先に、あじさい山公園があったはずだが、そこに何かしらの理由があるのかも知れない。後でちょっと見に行ってみよう。
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BAJA君、ただいま〜。この先にまさかあんな光景があるなんて思いもしなかったけど、ナノレカワ的には結構楽しかったな。
・・・コレを読んでいる方がどれだけ楽しめているかは分からないけどね(笑)。
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戻りがてら、入会線の標識と正面を向いたBAJA君とでもう一度記念撮影。旧タイプ標識を目当てに来ただけのつもりだったけど、なかなか楽しかったよ。ありがとう入会線!
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入会線を起点まで引き返し、そこから更に奥へと1.5km程も進んでくると、左手に麦原川を渡る木製の橋が現れる。
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ここがあじさい山公園への入り口だ。先ほど歩いた遊歩道は、どうやらここから登っていくと辿り着けるようだ。
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ただ、このあじさい山公園のあじさい、橋の手前に立つ看板によると、現在病気のために花が咲かなくなっているとのことだ。一応、再生のための取り組みを行っている、とは書かれているが、その先の文章が消されているのが気になる・・・と思って、ちょっとあじさい山公園について調べてみたところ、2年ほど前にここを訪れた人のブログによると、この文章の消された部分には、「3年間くらいで自慢できる公園にする計画でおりますので、しばらくお待ちください。」と書かれていたようだ。しかし、何よりこの看板の日付がもう6年も前のもので、もしこれだけ広い公園内のあじさいが全て病気に侵されてしまっていたとしたら、とうに再生を断念してしまったとしてもおかしくはないのかもしれない。それとも、この看板を残しているということは、まだ再生自体は諦めてはいないのだろうか・・・。
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そんな公園内に足を踏み入れると、やはりもう再生の為の取り組みは行われていないのか、辺りは雑草に覆われ荒れ放題となっていた。
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「麦原あじさい山」の名が刻まれた時計台も、今ではもう動いてはいなかった。
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公園の中を延びる歩道も、路面にまで雑草が押し寄せ、とてもじゃないがこれ以上進む気にはならなかった。
この公園の目玉だったあじさいも咲かなくなり、その公園の手入れもされなくなってしまった今、そりゃあの展望広場まで人が訪れなくなったことにも納得が行くよ・・・。もちろん、俺が今日辿った入会線経由でも行くことは出来るが、わざわざあの道からあの展望広場に行こうと思う人もそうはいないだろうし、そもそもあの道から行けることを知っているのなんて地元の人くらいのものだろう。
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それでもたまたま今日は、上の写真の左側に小さく写っているが、ひと組の家族連れがハイキングに来てベンチでお弁当を突いていた。もしかしたら、このあじさい山公園がこんな状態になっていることを知らずにやって来たのかも知れない・・・。
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帰宅後にこの周辺の地図を調べてみたら、入会線の終点の先と、あじさい山公園から続く歩道、そしてそれらが繋がる展望広場への遊歩道も今でもしっかりと記されていた。まあ、入会線のほうはいいとして、この先あじさい山公園が再び賑わいを取り戻す日は来るのだろうか・・・。公園の再生実行委員会には、是非とも頑張っていただきたいと思う。
と、なんだか寂しい終わり方になってしまったが(笑)、あの展望広場から見る景色はなかなかのものだったし、入会線の終点からはすぐに辿り着くことが出来るので、これを読んでいる方にも是非一度実際に訪れて、あの場所からの景色を見て欲しいと思う。
さーて、次はいつツーリングに行けるかなー??
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