「旧タイプ林道標識」・・・である。
旧タイプ林道標識と言えば先日、2年振りの新発見となった林道城山線のレポを上げたばかりであった。それから僅かふた月足らずで、今度はitouさんによって、通算24例目となる、林道入会線の旧タイプ標識が発見された!しかも、その旧タイプ標識が発見された道は、ナノレカワにとっても全く未知の道という訳ではなく、不覚にも過去に訪れたことのある道だった為、これには本当に驚いた。
しかし、itouさんからその発見の報告を受けたものの、ちょうどその頃から次第に多忙な日々が押し寄せてきてしまい、なかなか現地へ行くことが出来なかったが、報告からひと月が経った7月20日、半ば強引に時間を作り、ようやくBAJAと共に出掛けてきた。
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県道30号線~61号線と走り継ぎ、越生町の大満地区であじさい公園へと向かう「あじさい街道」へ入る。ここへ来るのも本当に久しぶりだなー。
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確か、この前日に関東の梅雨明けが発表されたんだったっけかな?午前中から既に猛烈な暑さに包まれているが、道の脇には涼しげな沢が流れ、気分だけでもクールダウンさせてくれる。
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あじさい街道の名の通り、道沿いには至る所にあじさいの木が植えられ、淡い色の花を咲かせていた。さすがに開花のピークは越してしまっていたようだったが。
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あじさい街道に入り2km弱も進んでくると、左手に沢を渡って分岐する道が現れる。
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ここが本日の目的地だ。入口には、この奥にある堰堤の案内看板も立っている。そして、ここから入って割とすぐの地点に、お目当ての旧タイプ標識がいるらしいが・・・。
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とりあえず、起点にBAJAを停めたついでに、ちょっと歩いて進んでみるか・・・。
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これこそが本日の目的の旧タイプ林道標識!
林道入会線だッ!!
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この路線名の「入会」は「いりあい」と読むようで、入会とは、特定地域の住民が一定の山林などを共同で利用することを指す言葉らしい。その道の通る地区の名前などではなく、その土地の機能を指す路線名というのもなかなか珍しい気がするな。
標識そのものは、錆の進行によって既に支柱から外れてしまい、itouさんが発見したときも、この路肩の藪の中に埋もれていたらしい。ただ、そういった状態でありながらも、標識表面の状態は比較的良好で、「起奌」の文字こそ錆びでかき消されているものの、路線名はしっかりと判別できる状態で残っていたのは本当に素晴らしい!
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標識が置かれている路肩には、嘗てはその標識が取り付けられていた支柱も横たわっていた。本来ボルトで固定されていた部分は錆によって穴が開いてしまっているが、それでも撤去されずにこの場に残されていたのが奇跡のようだ。
そして、冒頭にも書いたが、この道に来るのは今日が初めてでは無く、今からもう9年ほども前になるのだが、二度程訪れたことがあった。しかし、その時にもこの標識の存在には気付いていなかったので、この入会線の標識は、恐らくその当時から既にこの路肩で静かに横たわっていたのだろう。
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念のため標識の裏側を確認してみると、旧タイプで稀に見ることが出来る、製造元を記していたシールが残っていたが、既に文字は風化して消え去っていた。
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標識が支柱から外れて地べたに置かれた状態なので、BAJAとの記念撮影もこんな感じだけど、これはこれでいいアングルかも。それにしても、こうして新たな旧タイプを目の当たりにするときは何度体験してもテンションが上がるぜ(笑)。
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起点にあった案内看板によると、道に沿って流れるこの川は赤坂川というらしい。こういう林道沿いの川の景色って、写真に撮ると今一つ川の様子を伝え辛いんだけど、実際に走りながら眺めていると涼しげな水の流れが良く見えてなかなか良い雰囲気なんだよね。
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以前この道に来た時は、林道を探しながらとりあえず目に付いた道へ片っ端から入っていたときだったのだが、起点で標識を目にしなかったので、その時はまさかここも林道だったとは思わなかった。まあ今考えれば、こんな山の中の行き止まりの道なんてほぼ林道由来以外ありえないとは思うけど(笑)。それでも、こんなありきたりな景色の道をちゃんと覚えていたのは、この先にある特徴的な場所があったからなのだ。
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その場所がここ。起点から約800mの地点に、かなり大きめな堰堤が建っている。
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赤坂堰堤だ。平成3年竣工とのことで、そんなに古いものではないんだな。
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堰堤の壁面に開いた穴から、まるで涙のようにとめどなく水があふれ出てきております。これを「顔」と思って見ると、2枚上の写真もかなりシュールな見栄えになってくるな。
そして、この堰堤に輪を掛けてシュールなのが・・・。
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赤坂小便小僧、その人である!
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こんな山の中に突然小便小僧が現れて、これを読んでいる方も一体何事かと思うことだろう。9年前に初めて訪れたときにたまたまこの場所を見つけて、この光景のあまりの面白さに、その後の仲間とのツーリングでわざわざこの場所を案内してしまったくらいだ。あの時一緒に走ったみんな、見てるかー(笑)?
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一見、何故こんなところにいるのか全く意味のわからない小便小僧だが、堰堤の手前に、その理由と放水の構造について書かれた看板が立っていた。なるほど、水源地との高低差を利用して放水されているのか。そういえば、itouさんが6月に訪れた時には残念ながら放水が止まっていたようだったが、今日は勢い良く実に見事な弧を描いている。きっとつい最近になって、年4回あるという定期点検が行われたのだろう。実に良い時に来れたようだ。「県民に親しみやすい砂防事業」の目的が今一つ良く分からないけど(笑)、まあ親しみやすいのは間違いないな。
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で、幹を挟んだ反対側には、何故か猿の像もぶら下がっていたりする。小便小僧のシュールさにばかり目が行きがちだが、この猿の存在の意味不明さも相当なものがあるぞ(笑)。
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せっかくなのでセクシーな後ろ姿もどうぞ。こんな高いところからする立ちションは、さぞや気持ちの良いものであるだろうなあ。
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久しぶりの小便小僧との再会にテンションも上がり、すっかり長居してしまったが、そろそろ先へと進むとしよう。堰堤の手前で道は180度のカーブで更に標高を上げて行くが、実は前回ここへ来た時は、この小便小僧を見たことですっかり満足してしまい、この先へは進んでいなかった為、ここから先はナノレカワにとって未踏の区間となる。この道が確実に林道だったと分かった今、この先がどんな景色なのか、その姿を見せてもらおうか!
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カーブを越えて割とすぐの地点で、右手に砂利道が分岐している。
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この先は一体どこへ続いているんだろう?ちょっとアヤシイ雰囲気が無くもないが、とりあえず本線を進むとして、帰りにでも寄ってみるか。
・・・で、先にネタばらししちゃいますがこの道、単なる私道のようで、この先300m程進んだところで民家に行きついて終わってました。何となくそんな気はしてたんだけど、久々にやっちまったなあ(笑)。これを読んでいる皆さん、入会線に来ても、この道には立ち入らないようにね・・・。
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その先も、道は幾つものヘアピンカーブを越えて一気に標高を稼いでいく。さすが林道由来の道だと思わせる線形だ。
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周囲が鬱蒼としていることもあり、路面は部分的に苔生していたり、湿った落ち葉が散らばっていたりもするので、こんな急カーブの登りでツルンコしたりしないよう慎重に走って行くんだぜ・・・。
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その先で、突然目の前の視界が開け、民家が見えてきた。
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周囲は開放間に溢れ、その中に民家が点在している。先程の鬱蒼とした景色からは想像が付かないような景色だ。
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そのまま進んでくると、道が幾つかに枝分れしている地点に着いた。一見、そのどれもが民家へ続く私道のように見え、ここで林道は終わりかと思ったところ・・・。
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「この先行きどまり」の看板の通り、一つ上の写真で見えているコンクリ舗装の区間を登り切った地点で、その舗装が途切れた。起点から約1.4km、恐らくここが林道入会線としての終点だろう。
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舗装の途切れる地点にBAJAを停め、今来た方向を振り返る。特別見晴しが良いという訳でもないが、それでもこれはなかなか「良い」景色だな。こんなところに住んで、毎朝窓を開けてこの景色を見るだけで、一日の気力が満ちて来そうだ。
さて、ここまで上ってきたところで一応入会線の終点に着いたかなと思い、少しクールダウンしたら戻ろうと思ったのだが・・・。
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・・・ただ、ここから先にも道があるっぽいんだよなあ・・・。
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②へ続く。
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