ナノレカワ、初の房総林道群へ!
2017/07/22 千葉県・房総半島の林道-B
 
Aはこちら。
 
 いやあ、暑い暑い!!何で今日こんなに暑いんだ!?
 そんな灼熱の中を走り、続いてやって来たのは林道山中線
 
 この山中線、入り口の両脇に新旧の標識が立っているという素敵仕様。そして古い方の路線名の筆文字っぽいレタリングもまたいい味を出してる!
 
 そんな山中線に入り少し進むと、右手に分岐する林道豊岡線が現れた。本線を進む前に、まずはこの豊岡線に行ってみよう。
 
 盛り土によって1段高くなった場所があったので上がって見た。でも、わざわざ上った割にはさほど特筆すべき景色も無かったという(笑)。
 
 豊岡線の路面自体は、舗装路と見紛う程の超フラットダート。最近まで工事が行われていたらしく、だいぶトラックなどで踏み締められたのだろうか。
 
 途中、路肩が開けて見晴らしの良い場所があった。標高はそれほど高くないはずだけど、遠くまで山々の稜線が連なり、なかなか良い雰囲気。
 
 おお、この法面、斜めに走る剥き出しの地層がめちゃくちゃカッコイイぞ!
 
 なんて写真を撮っていたらみやさんがやって来たので急いで1枚!
 
 しばらく走ると、他の道に突き当たって豊岡線が終わった。距離は測っていなかったが、それほど長い林道では無かったかな。そして、工事中の看板はあったけど、結局どこも工事をしてる箇所は無かった。きっと既に工事そのものは終わっているんだろう。
 
 そのまま進んでも今日の目的とは違うので、豊岡線を引き返す。切通しの間から見えた夏空がとても印象的だった。
 
 豊岡線を往復し、再び山中線を進む。時刻も夕刻近くなり、徐々に日差しも傾いてきた。
 
 おや、この路面・・・。
 
 これ、アスファルトだよなあ?さっきの大山林道でも似たようなものを見たけど、ここも嘗て舗装されていたことがあったのか?でも、そうだとしたら今その痕跡がほとんど残っていないのは何故なんだろう?
 
 途中、斜面が崩れて路面が覆われている地点があった。
 
 これは乗用車では厳しそうだが、バイクなら問題無く通れるレベル。実際、何台ものバイクが通ったであろう跡で踏み固められていた。
 
 沢を渡る橋を過ぎて、山中線が終了。
 
 こちらの標識も新旧2本体制。この古い標識を撤去しないのは意図的だと思うけど、個人的には実に素晴らしい処置だと思う。
 
 その標識の脇に、ハイキングコースの案内図が立っている。
 
 そこには山中線も書かれているのだが、現在地から程近い位置に「通行不能箇所」の印が付けられている。恐らく先程見た土砂崩れの地点のことだと思うが、確かにあれなら、ハイカーなどの乗用車向けには通行不能と案内しておくのが無難だろう。
 
 それよりも、俺の目に留まったのはこっち!地図の中にさりげなく添えられた動物のイラスト。何処の誰が描いているのかなど知る由もないが、狙っては出せないこの味わい深さが堪らない!好きだなあ、これ。
 
 続いては、本日最後の目的地となる、林道金谷元名線。今まで房総の林道に来たことのなかった俺でも、房総といえばここを思い起こす程、房総の林道の中では一二を争う程のメジャーな路線だろう。どんな道なのか楽しみだ!
 
 序盤は沢沿いの舗装路が延びているが、そこでちょっと気になるものが目に留まった。
 
 川辺に、石垣が組まれている。その表面は苔に覆われ、組まれた石を見ても相当古い物であろうことが伺えるが、一体何の為に作られたものだろう?嘗て、ここが舗装される前はあの石垣の袂が路面の高さだった、とか?むむむ、気になる・・・。
 
 そして、舗装区間を過ぎると、またしてもあの印象的な岩盤剥き出しの路面が現れる。
 
 その表面には、幾つもの流水痕のような筋が見える。だいぶ柔らかい地質のようだ。
 
 房総半島の地質図を見てみると、この周辺には東西方向に天津泥岩層というのが分布しているようなので、これがその泥岩なのかも。泥岩は水が付くと柔らかくなるらしいので、雨が降った日とかはツルンツルンなんだろうなあ。
 
 しばらく進むと、道の脇に石碑が立っていた。
 
 この金谷元名線の開通記念碑だ。裏面の碑文には、「平成九年に完成した」と書かれていた。今年でちょうど開通二十周年か。おめでとうございます。
 
 走っているところをみやさんに撮ってもらった。凄い、車体にばっちりピントが合ってる!
 
 この金谷元名線も、岩盤路面以外は走りやすいフラットな路面が続いている。
 
 道の両側から緑の迫り出す、むせ返るような道が、真夏の林道を走っていることを実感させて何だか嬉しい。
 
 やがて、道が二股に分かれる地点に着いた。おお、この高い岸壁が聳える場所、ここは数々のレポで何度も見た場所だ!写真などでみていた感じでは、もっと広々とした印象だったので、実際にこの場所に立つと、思っていたよりも意外と狭い場所なんだな、というのがその感想だが、遂に俺もここにやって来たんだと思うと、ちょっと感動的。
 
 本線は左手に延びる道だが、右手に分岐しているこの道は、悪路で名高い林道竹岡線だ。
 
 今日は元々こちらへ行かずに、ちょっと覗いてみる程度のつもりだったのだが、路上には「通行止め」と書かれたバリケードが置かれている。そして、そこには手書きで追記された一文が。どれどれ・・・。
 
 それは今年の3月付けのものだったが、「徒歩でも×」とは、一体どんな状態なんだ・・・。
 
 さあ、それじゃあ大人しく金谷元名線を抜けて帰るとしましょうか。
 
 金谷元名線もいよいよ終盤。ときおり現れる印象的な法面を通過していくと、その先でみやさんが停車していたので俺も停まってみると・・・。
 
 おおお!これは素晴らしい!目の前には広々とした土地が開け、その上には薄雲の隙間から夕陽の射す空が広がっている。最後の最後で、今日イチの景色を見ることが出来たかも!
 
 そんな素晴らしい景色を最後に見せてくれた金谷元名線も遂に終了。さあ、埼玉へ帰ろう!
 しかし、この時点で既にアクアラインは大渋滞の模様。今からバイクでまたあのトンネルへ突っ込むのは正直キツイ・・・。
 
 というわけで、金谷港にやって来た。BAJAと海の写真なんて物凄い久しぶり・・・ってか、このサイトに出てくるのは初めてか(笑)?
 
 今日は東京湾フェリーを使って帰るぞ!BAJAでフェリーに乗るのも初めてだ。乗車時間は30分ちょいだけど、楽しみだなー。
 
 うん、これは素晴らしい!ゆったりと寛いでいるだけで船が勝手に移動してくれるとは。なんと優雅な林道ツーリングだ。フェリーを降りた後も高速道路で移動し、結局帰宅したのは21時頃だったが、今日はいつものみやさんとのツーリングでは恒例の修行感が全く無かった(笑)。
 
 冒頭にも書いたが、この日は元々、新潟〜福島方面、往復800km超のルートを計画していた。色々な状況を踏まえて房総に変更になったが、もし当初の計画通りだったら、今頃はどの辺りを走っていただろう・・・。
 しかしこの日、関東近郊で好天に恵まれたのは房総周辺だけだったようで、結果的に最高のツーリングになったんじゃないかな。そして、初めて訪れる房総の林道は、低山しかないという地形的条件からイメージするものを良い意味で裏切る、景色も地質も実に楽しさを感じさせる林道群だった。今回もみやさんにはすっかりお世話になりっぱなしだったけど、また時間が取れたらいつでも走りに行こうね!