奥秩父 ぶらり林道散歩
2017/09/09-A 埼玉県秩父市・林道上野大滝線・他
 
@はこちら。
 
 神流川出合で県道210号線に入り、林道上野大滝線にやって来た。
 
 そこから更に進み、ダートとの分岐へと入る。
 
 おお・・・このゲートが開いてるのを見るのなんて、もう何年振りだろう。もちろん、群馬側区間が完成してから通行可能になっていた期間はだいぶあったと思うが、俺自身この上野大滝線に来ること自体が本当に久しぶりだからなあ。
 
 看板にも、手書きで「この先 通行注意」の文字が。これはつまり「通行可能」ってことだから、こういうのを見ると嬉しくなるぜ。
 
 過去の記録を見ると、最後にちゃんとここを走ったのは2009年だったようだ。もうそんなに経ったのか・・・。
 
 この上野大滝線、すぐ隣を延びる中津川林道よりも、やや荒々しい表情を見せる景色がとても印象的だ。
 
 この隧道が貫く岸壁が、何となくアンコール・トムを思わせて凄く好きだった。久しぶりに見たけど変わらずの大迫力だ。
 
 この上野大滝線も、だいぶ舗装区間が延びてしまったようだが、果たしてどこまでこのダートが残っているだろう?
 
 お、百合岩隧道まで辿り着いたぞ。ここまでダートが残っているのは嬉しかったが、この隧道を抜けた先のストレートがとても印象的だったので、そこも無事だといいが・・・。
 
 良しっ!ダートの存続を確認!いずれはここも舗装されてしまうのだろうが、その前にまたこうしてダートのままの状態で走ることが出来て良かった。
 
 周囲を山々にギュッと囲まれたこの景色がとても落ち着く。中津川以上に押し寄せる岩肌が実にワイルドだ。
 
 ダートになってから約2.5km地点で、路面が舗装になった。伝え聞いた話で、もっと舗装区間が延びているんじゃないかと思っていたので、まだこれだけのダート区間が残っていたのは嬉しかった。
 
 うー、すっかり綺麗な舗装路になっちゃって。ここから先にはもうダートは残っていないが、久々に来た上野大滝線だ、折角だから県境まで行ってみるか。
 
 先程まで陰っていた日差しが、ここに来て復活してきた。舗装路でも、緑に囲まれた沢沿いの道っていうのはやはり良いものだ。
 
 やがて、こんな山奥の林道に似つかわしくないとも思える立派な構造物が見えてきた。山吹橋と、その奥に見えるのが山吹トンネルだ。
 
 山吹トンネルを越えて更に進むと、天丸トンネルが現れる。このトンネルが埼玉と群馬の県境となる。
 
 この天丸トンネルも、いかにも林道のトンネルらしく内部には一切の照明の類が存在しない。ただ、内部はストレートなので出口が見通せるだけまだ安心感がある(笑)。
 
 700mちょっともある漆黒のトンネルを抜けて、群馬県に入った。
 
 トンネルの出口のすぐ脇には、野営にちょうど良さそうな平場がある。舗装路沿いではあるけど、ここを通過する人なんて極々少数だろうし、今度ここでテント張ってみようかな?
 
 その向かい側からは、谷合の向こうに続く山々の稜線を見ることが出来る。実に清々しい景色だ。
 
 ここまで来たことは予定外だったので、今日はここで引き返すけど、そのうちちゃんと群馬側区間も通り抜けておかないとな。また走りに来るよ。
 
 埼玉側区間を引き返すと、先程まで陰っていた日差しが復活した。やはり陽の光を帯びた林道を走るのは格別だ!
 
 このダート区間もいつまで生き永らえるか分からないけど、そのまえに中津川を復旧させてくださいね・・・。
 
 さて、大滝を引き返し、次の目的地へとやって来た。ここは小鹿野町の県道43号線沿い。ここに、1本の砂利道が分岐している。
 
 何を隠そうこの道、7月にCB赤鬼さんによって新たに発見された林道なのだ!その発見の報告を受けてからだいぶ日にちが経ってしまったが、ようやくここにやって来ることが出来た。
 
 起点の脇の防火水槽の上に、ひとつの標識が裏返しになって横たわっている。これを裏返すと・・・。
 
 何と!紛うことなき林道標識なのだ!まさかこんなカモフラージュがされていようとは!
 
 表面の文字はだいぶかすれてしまい、写真ではとても読み辛いと思うが、「林道諏訪の入線 小鹿野町」と書かれた痕跡がある。これまで全くその存在を把握していなかった林道だ。こんなものを見つけるなんて、赤鬼さん凄過ぎる・・・。
 ちなみに、ここで起点の写真を撮っていると、地元のおじさんが「どこから来たんだー?」なんて話しかけてきたので少々談笑し、あまり怪しまれないように、おじさんが立ち去ってからこの標識の写真は撮りました(笑)。
 
 標識の確認を済ませ、早速先へと進んでみよう。起点からほんの20m程進んだ地点で、左手に分岐する道がある。
 
 道と言っても歩道だが、すぐ先に、林道の脇を流れる沢を跨ぐように橋が掛かっているのが見える。ちょっと歩いて行ってみよう。
 
 いかにも歩行者のみの通行を想定したような橋だが、その向こう側には鳥居が見えている。
 
 こんな、林道から続く橋を渡ってしか来れないところに神社があるなんて・・・。林道の名前からして、さしずめ「諏訪神社」ってとこかな?と思って帰宅後に調べたらそのまんま諏訪神社だった。
 
 諏訪神社を引き返し、更に先へと進む。沢を跨ぐ名の無い橋を渡り、道は左手にカーブをして奥へ続いている。
 
 うーん、まだ100m程度しか進んでないのに、だいぶ放置臭が漂ってきたぞ・・・。
 
 そして、起点から約200m地点で行き止まりとなった。埼玉の林道の中でも、最も短い部類の路線だった。
 
 その終点の奥には砂防堰堤が見えている。恐らくこの林道は、この堰堤を管理する程度にしか利用されていないんだろう。
 
 それでも、久しぶりに発見された埼玉県の未知の林道ということで、とても楽しい探索だった。こういう道が見つかると、もしかして他にもまだ確認されていない林道が眠っているんじゃないか・・・なんて期待をしてしまうね。
 
 続いて、国道140号の「荒川中学校入口」の信号を南に進み、林道熊倉線へとやって来た。ここを進んで本日最後の目的地へと向かう。
 この先に、今年の6月にTKさんによって、こちらも新たに発見されたものがある。それを探しに行ってみよう。
 
 TKさんから大まかな場所は聞いていたので、目星を付けた場所を注意深く観察しながら進んでいくと・・・。
 
 うおっ!いた・・・!!
 
 これが今回発見されたお宝、林道寺沢線の標識だ!それにしても、TKさんもよくこんなもの見つけるなあ。
 この林道標識、2つ上の写真で分かるとおり、何の変哲も無いカーブの手前の藪の中に倒れている。
 
 その支柱の根元を見ても、元々ここに立っていたものが倒れたのか、何者かによってこの場所に運び込まれたのか、その判別を付けるのは少々難しいが、わざわざ標識を移動させることも考え辛いので、恐らくは嘗てこの場に立っていたものなのだろう。
 何の変哲も無い道の途中に林道の起点があるということも、決して珍しいことではないが、先程起点を通過してきたとおり、この位置は現在では林道熊倉線の一部である。この標識がこの場所にあることについて、考えられる理由としては、現在の熊倉線が、起点側と終点側が繋がる以前の、行き止まりの林道として存在していた頃の古い路線名ということだろうか。
 
 ぱっと思い付く理由としてはそのくらいだが、果たして、その真の理由が判明する日なんて来るのだろうか(笑)?
 とにかく、今日は埼玉の新たな林道を2つも確認することが出来て、久しぶりにワクワクした気持ちになった。乾徳山線も上野大滝線も素晴らしかったし、あとは中津川林道の一日も早い復旧を期待したい。
 
 ・・・で、今日はちょっと奥秩父方面を走ってくるだけのつもりだったのに、出発から帰宅まで何故か12時間も掛かってしまった。な、何かがおかしい・・・次元の狭間にでも迷い込んだのか俺は?
 
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 寺沢線の標識を確認し終え、R140に出てきたところで、何とKYさんとバッタリ遭遇!お久しぶりです!
 現在、MT-09 TRACERに乗られているKYさん、近いうちにオフ車との2台体制にする予定だそうで、そうしたらまた林道探索にでも行きましょう!あ、このバイクででも全然良いですけど(笑)。