奥秩父 ぶらり林道散歩
2017/09/09-@ 山梨県山梨市・林道乾徳山線〜埼玉県秩父市・中津川林道
 
 おはようございます!ナノレカワです!
 
 今年の異常なまでに長かった雨季も、ようやく終わりを迎えたのか、最近では週末に晴れる日も多くなって来た。
 今年になってから、晴れた日にずっと再訪したかった林道があった。山梨県は山梨市の林道乾徳山線だ。この林道、去年10月のみやさんとのツーリングで初めて訪れたのだが、その日は生憎の曇り空で、晴れていればかなりの絶景が望めたはずの道からの眺めがほぼ雲に隠れてしまい、だいぶ不完全燃焼のまま林道を後にすることになってしまった。ずっと晴れた日に再訪しようと思っていたものの、雨続きだった今年の夏の所為で、気づけばいつの間にか9月になっていた。
 とにかく、予報によれば今日は1日良い天気に恵まれそうだ。今日は秩父側から雁坂トンネルを越えてのアプローチだ。早速行ってみよう!
 
 現在時刻、8:16AM。雁坂トンネルを越えて更に15分程国道140号を南下すると、進行方向右手に、「乾徳山 大平高原」へと案内する看板のある分岐が現れる。ここを上って行くと乾徳山線に辿り着く。
 
 だが、その前にまず別の林道を経由することとなる。林道徳和・下釜口線だ。ただ、道自体はひたすらここを上って行くだけなので迷うことは無い。
 
 この徳和・下釜口線、乾徳山線との境目までひたすら舗装路が続くのだが、舗装林道と言って侮るなかれ。途中でかなり爽快な景色を見ることが出来るのだ。まずはそれを見ていただこう。
 
 道は一旦、杉林に囲まれた鬱蒼とした区間を上っていくが、やがてそれを抜けると・・・。
 
 ・・・おお、出た・・・!!
 
 これこれ!晴れた日のここからの景色を見たかったんだよ!恐らく倉掛山方面の山々の稜線が、国道と並ぶように直線状に延びているこの景色。前回来たときも、辛うじて稜線は見えていたものの、その上に張り詰めた雲によって、無彩色に染まった重苦しい景色となってしまっていた。ここ、晴れた日に来るとこんなにも素晴らしい景色が見られるんだなあ!
 
 下方を覗き込むと、先程走ってきた国道140号が見えている。谷合を延びる舗装路を、こうして山の上から見下ろした景色がとても好きなのだ。
 
 徳和・下釜口線の起点から約5.2km、国道から数えると約8km程で、ようやく道が未舗装路へと切り替わる。
 
 ここから先が林道乾徳山線となる。標柱には「乾徳山(南)林道」とあり、この「南」とは、ここから北側に林道鶏冠山(東)線という路線があるが、更にそこから延びているこの乾徳山線の西沢渓谷側区間に対してのことだ。
 
 道が未舗装になってから少しの間、周囲が開けた区間を通る。ここも、青空の下だと更にその景色の魅力が増しているように見える。
 
 路面に落ちる、木々の間を透かした光が実に美しい。やはり林道はこうじゃないと!
 
 ところどころで斜面の木が伐採されて景色が開けている。その中を延びるフラットダートを駆け上がっていくのが本当に楽しい。
 
 途中、ゲートのある地点に立つ林道乾徳山線の標識には、こちら側の区間と、鶏冠山(東)線から伸びる区間、そしてそこを繋ぐ計画路線が描かれている。
 
 その地点からの景色は、またしても斜面の木が無くなり、かなりの開放感のある景色を見ることが出来る。おお!これは凄い!
 
 遠くに向かって徐々に霞んでいく山々と、その上に浮かぶ雲が描き出すグラデーション。林道から見るこの景色は、何度見ても飽きることがない。本当に、今日来て良かったと思える景色だ。
 
 コンクリートブロックの法面は、その表面を苔で覆い尽くされている。この人工物と自然の融合した光景も実に美しいと思う。
 
 うわお。こんなでかい岩が滑り落ちてきている。これ、いつ頃崩れたものなんだろう?見た感じ、そんなに時間が経っている様子は無いが・・・。
 
 道の脇に少し小高くなった場所があるので上がってみた。ここから進行方向を見ると・・・。
 
 うおおおお!何だよあの雲は!今日は1日良い天気のハズじゃなかったのかよ!
 
 そりゃあね?山の天気は変わり易いとは言いますけどね?進む先の空の色が不安すぎますね・・・。
 
 まあ、どんな天気になろうと、ここまで来たからには先に進むけどね。
 道の脇に鎮座する、苔を纏った岩がなかなか良い雰囲気。
 
 道の脇の斜面には、鶏冠山などでも見られる砂地質が露出している。これを見ると、山梨に入ったんだなあということを実感する。
 
 このゲートは、この先も一般に開放されることは無いんだろう。恐らく、作業道レベルの道なんじゃないかとは思うが・・・。
 
 標高を上げてくると、ところどころ路面に洗掘のある場所もあるが、特に走行に支障の出るものでは無い。
 
 お、このカラマツに囲まれた地点まで来たということは、ゲート閉鎖地点まではあと少しだ。
 
 ぬーん・・・。
 
 せっかく晴れた日を狙ってここまで来たと言うのに、山の上は前回と変わらないような分厚い雲に覆われてしまった・・・。
 
 辛うじて、国道側の上空に僅かながら青空が覗いているのがまだ救いか。でも、せっかくなら遠くまで見渡せる抜けるような青空の下でここからの景色を見たかったよ・・・。
 
 雲の切れ間から射す光が、谷合の一部を照らしている。これはこれで雰囲気のある美しい眺めだとは思う。
 しかし、どうも俺は乾徳山線とはいまひとつ相性がよろしくないようだ。ここはいずれ再リベンジだな。
 
 さて、この乾徳山線、先程通過してきた南側区間の起点から約5.1km地点にあるこのゲートによって、この先の一般車両の通行は制限されている。先程も書いたが、この先には、鶏冠山(東)線から延びるこの乾徳山線の西沢渓谷側区間がある。
 実はこの乾徳山線、「林道浪漫」の健さんの今年6月の実走レポートによって、既に完抜けしていることが明らかとなった!ただ、この乾徳山線、健さんもそのレポで触れられてはいるが、今後一般車両に開放されることは無いであろうとのことで、それについては自分も同意である。恐らく、向こう側の西沢渓谷側区間も、こちらの南側区間も、登山道と交差する地点の存在する区間は、その目的の為に一般車両で上がって来ることが出来るように開放されているが、これより奥の閉鎖区間は、そういった一般に供する理由が無い以上、このまま未来永劫、開かずの林道となるのではないかと思う。
 
 道が繋がったことが明らかになったのに、ここから先を通り抜けることが出来ないなんて!ああー、モヤッとする!
 それはともかく、仮に全線が一般に開放されるなんてことになったら、あの恐るべき山梨県のことだ、あっという間に舗装化されてしまうであろうことは想像に難くない。それを考えたら、この地点までの行き止まりのまま、景色の良いダート林道として存在し続けてくれるほうが、どっちかと言えばまだマシかなあ、なんて思ったり・・・。
 
 まあ、今日もこんな天気だけどな!
 
 それじゃ、そろそろ引き返すとしようか。そのうち、また天気のいい日に改めて走りに来るよ。
 
 国道を埼玉に向けて引き返す途中、旧道の廃橋を見つけてしまって思わず入ってしまった。
 
 再び雁坂トンネルを抜けて埼玉に戻ってきた。今日、ここを往復したのは本当に乾徳山線(と、徳和・下釜口線)の為だけだったって言うね・・・。
 
 ここからは、この先で通過する豆焼橋の姿が見えている。緑の山肌に掛かる真っ赤な橋が格好良いぜ。
 
 さて、秩父に入って、続いてやって来たのはここ!みんな大好き、中津川林道だ!
 ただ、この中津川林道、昨年9月の台風10号の影響で起きた土砂崩れにより、現在も復旧の目処が立たず、通行止めの措置が続いている。もちろんそれは分かっているのだが、やっぱり俺は中津川が好きすぎて、年に一度は顔を出さないと気が済まない体質になってしまっているのだ。なので、乾徳山線に来たときに、ついでに寄っていこうとずっと思っていたのだ。やっぱりオマエのことが忘れられないんだよぅ・・・。
 
 普段なら、このダートとの境目まで来ると「来たぜ来たぜえええええっ!!」ってな具合にハイテンションになるのだが、この先が通り抜け出来ないと分かっていると、やはりどうにもそんな気分にもならず・・・。
 
 それでも中に入れば、いつもと変わらぬ木漏れ日に包まれた道が、優しく俺とBAJAを出迎えてくれる。
 
 先程の乾徳山線ではまたしても雲に包まれてしまったが、ここでは期待通りの日差しが降り注いでいる。うう、ありがとう、中津川林道ぉぉ・・・!
 
 王冠キャンプ倶楽部を越えた地点で、遂に通行止めのバリケードが現れた。
 
 そして、そのすぐ先の切通しの中程に、本気の通行止めを伝えるゲートが新たに設置されていた。
 
 しかし、切通しの途中にゲートを作るって、上手いこと考えたよなあ。これっぽっちの隙も無い、完璧な閉鎖だ。少なくともオートバイではここをオイタは出来ないだろう・・・。
 
 埼玉と長野を結ぶ唯一の車道であるこの中津川林道。復旧に向けての協議は行われてはいるようだが、現時点でその復旧の目処は全く立っていないようだ。我々には分かり得ない難しい問題もあるとは思うが、時間は掛かっても、いつの日かまたここを走ることが出来るように、何とか復旧させてくれることを強く願う。これは、誰の何の為でもなく、中津川林道を好きすぎるが故の、俺の極々個人的な願いだ!
 
 さて、時間的にもそろそろ腹も減ってきていたので、せっかくだしこの中津川沿いで昼飯にするとしよう。
 
 今日の昼飯はコレ・・・なんだけど、正直微妙だったぞコレ(笑)。
 
 ここから三国峠までは15km。いつもなら小一時間で辿り着ける距離だが、今はBAJAと共にそこに辿り着くことは叶わない。切ないぜ。
 
 (あ、「長野から回ってくれば辿り着けるじゃん!」ってのはナシな。それじゃ意味無いんだよ(笑)!)
 
 昼飯を終えて、森林科学館まで戻って来た。掲示板の林道通行情報を見ると、上野大滝線が「通行可」となっている。そうか、いま通れるのか・・・。それじゃ、予定外ではあるが、この後ちょっと行ってみようかな。
 
Aへ続く。