浅間山を愛でる道
2017/10/09 長野県佐久市の林道-A
 
@はこちら。
 
 板石山山頂の採石場を引き返し、開設中の林道との分岐まで戻って来た。ここから先へと入るのは初めてだが、いま現在どこまで延びているのか、工事の進行具合を見に行ってみよう。
 
 道の規格からも、入り口の看板にもあった通りに、作業道などではなく歴とした林道であることが伝わってくる。
 
 少し進むと、道の外側の景色が広がる地点があった。思いのほか景色の良い林道ということが分かって嬉しくなる。
 
 くすんだ色をしたコンクリート吹き付けの法面からは、この区間が造られてからそれなりに時間が経過している様子が伺える。
 
 おおっ、特に期待もせずに入ってきたけど、この道もなかなか爽快な雰囲気があって良いじゃないか!この周辺はちょっと入っただけでも景色の良い地点が多くて本当に楽しい!
 
 いやあ、ボクたちのためにこんなに素敵な林道をこしらえてくれて、ありがとうございます!(違うと思う。)
 
 うっかり距離を測るのを忘れてしまったのだが、先程の分岐からここまで3km程だったろうか。更に山の上に向かう道に接続した。この道・・・板石山山頂に続く道か!いま立っているこの分岐が、3年前にここを通ったときにも存在していたのかどうか、全く憶えていないのだが、そうか、ここに繋がっていたのか・・・(つーか、もっと早く気づけよ俺)。
 
 ということはつまり、ここを下っていけば、先程バリケードで閉鎖されていた県道108号線沿いの、林道田口十石峠線第1工区の入り口に至るということだ。要するに、今走ってきた先程の看板の地点から、この先の県道の分岐までの区間も、林道田口十石峠線の一部ということなんだな。
 
 木々の隙間からは、県道沿いの集落が見えている。先程封鎖地点から中を見たときに、ローラーで路面を均している様子が見えていた。前回ここに来たときには、県道に出るすぐ手前で、キツめのカーブをショートカットする橋の新設工事をしていたのだが、その工事が3年も掛かるとは思えないので、たまたま今回、県道分岐から舗装の工事でも進めているのだろうか。ただ、仮に舗装工事だとしても県道分岐からのその区間は以前からあったはずなので、「開設工事」という表記にはそぐわない気もするし、いま走ってきた区間も、特に工事をしている箇所は無かったし、うーん、よく分からないけど、現状ここから県道には抜けられないので、今来た道を引き返すとしよう。
 
 やはりここからも、浅間山を望むことが出来て、脇目にその姿を見ながら走ることが出来るのが何とも楽しい。そして、今走ってきた区間も林道田口十石峠線ということが分かってちょっとスッキリ。
 
 だけど、板石山山頂へと向かう道は、結局なんて道なんだろう?単純に採石場の作業道という扱いなのか、それともちゃんと名のある林道なのか。やっぱり気になるのだぜ(前回の記事で書いた「林道余地大日向線」というのは、あくまでも仮称のようです)。
 
 さて、そろそろお腹もグーイングなので、昼飯にしようかな。せっかくこっちまで出てきたので、今日は今回の田口十石峠線の情報をくれた、Kieさんの店に行くつもりだ。
 
 というわけで、小諸に移動してベーカリーカフェ・パティオにやって来た・・・んだけど・・・。
 
 てっ、定休日・・・!!
 うおおおお、マジかあー。せっかく久しぶりにKieさんにも会えるかと思ってたけど、でもこれは良く調べないで来た俺が悪いよ。まあ、ダメなものはダメなので、林道へ引き返すとするか。
 
 今日もラーメンセットなどは持ってきていないので、近くのコンビニで食料を調達して林道へと戻る。 途中の田んぼが広がる場所から、ここでも遠くに浅間山の姿が。
 
 黄金色に色づいた稲穂の向こうに聳える、雄大な浅間山の姿が実に美しい。さっきから至る所で浅間山が見えてるから、だんだん感覚が麻痺してきたけど、普通に考えてこれって凄い眺めだよな。
 
 こちらは、交差点から見た浅間山。市街地から見る浅間山というのもなかなかの迫力だ。こんな景色が日常的に見られるって、何だか羨ましいな。
 
 再び県道93号線に戻ってきましたよ。先程朝イチで立ち寄った田口十石峠線の入り口から、県道93号線を更に東に2km程移動した地点で分岐する、林道東山線だ。
 
 ここを走るのは今回で3度目だが、こちらの県道側から国道側へと向けて走るのは初めてだ。
 
 緑を透かした日差しが差し込むダート道が美しい。晴れた日の林道は、ただそれだけでめちゃめちゃテンション上がるよ!
 
 そして、路肩の木々が途切れた地点からは、先方に遠くの山々の稜線が見渡せる。
 
 道の向きによっては、ここでも浅間山の姿を見ることが出来る。
 
 国道側へ向けて走ると、多くの区間で、前方に広がる山々稜線を見ることが出来る。先程も書いたとおり、こちら側から入ってきたのは初めてなのだが、なるほど、この東山線はこちら向きで進むのが正解だったんだな。
 
 道の延びるその先、左右に立ち並ぶ木々の真ん中に、浅間山が顔を出す。
 
 Jバンドとか、心臓が痛くなるくらい怖かったけど、今ではもう、またあそこを歩きたい気持ちのほうが勝ってきてしまっている・・・。
 これを書いている今現在、既に浅間山山頂は冠雪したようだが、積雪したJバンドとか恐ろし過ぎて想像すらしたくないなあ・・・。
 
 ここも、あと少しすると紅葉が始まるだろうか。遥か遠くに連なる稜線まで秋の色に染まった景色を想像すると、またすぐにでも訪れてみたくなる。
 
 途中、斜面が崩れてきている箇所もあるけど、バイクなら全然問題無しだし、なんなら4輪の轍だって付いてる。
 
 ここは落石が多く散乱しているけど、車が通過できるくらいには沸きに除けられているようだ。あの土砂崩れに轍を付けた4輪の人達がどかしてくれたのかな?
 
 わー!なんだよこれ!!道幅いっぱいに水が溜まって川みたいになってるよ!!
 って、ここは以前来たときも水が溜まりっぱなしだった場所で、その時はオタマジャクシが沢山いたっけなあ。ただ、水溜り自体はそのときよりも格段に大きく成長しているみたいだけど・・・。良く見ると、手前に排水のための溝が掘られているのが分かるが、水溜りが深すぎて全く役に立っていないようだ。奥のほうなんてホイール半分近くまで浸かったぞ・・・。
 
 この辺りは、少しずつ紅葉が色づき始めているようだ。
 
 今年は夏からずっと雨が多い印象だったけど、紅葉シーズンの各地の色付きはどんな感じになるだろうなあ。
 
 緩やかなカーブと穏やかな路面が続く。とても走りやすく、何の心配も要らない道を走り抜けていく。
 
 路面に散らばる栗のイガは、ほぼ全てその中身が空になっていた。きっとこの山に棲む動物たちが集まって食べていくんだろうなあ。
 
 国道へと近づき、徐々に標高を下げていくと、周囲を木々に囲まれた区間となる。先程までの遠く景色の見渡せるような区間ももちろん素晴らしいが、こういった光溢れる林間を抜ける道も、決して劣ることなく実に素晴らしいものだ。
 
 この辺りも、紅葉の時期に来ればさぞ見事な景色になるんだろうなあ。
 
 県道との分岐から約18.4km、遂に路面が舗装に切り替わった。だいぶ長いこと走ってきたが、東山線ってこんなに長かったんだっけ。
 
 県道との分岐からジャスト20kmで、県道に接続する起点に到着。久々の東山線のロングダート、ご馳走様でした!いやあ、楽しかった!
 今回は、田口十石峠線の通り抜けは叶わなかったものの、久々の板石山や、田口十石峠線の新設区間、そしてこちらも久々の東山線など、快晴の下で景色の良い道を走ることが出来て実に楽しかった。何より、どこからも浅間山の姿を見ながら走ることが出来るのに気づけたのは今回の収穫だった。今年は既に浅間山も冠雪したようで、もうじきこのエリアも長い冬を迎えることになるが、春になったらまたこの地を訪れるとしよう。そして今度こそ田口十石峠線を通り抜けるぞ!その時が今から楽しみだ!