夕暮れのコーヒータイム
2017/12/10 埼玉県飯能市 林道八徳入線
 
 前日の夕方、窓の外を見ると空は綺麗な夕暮れのグラデーションに染まっていた。林道からあの空を見たいなあ・・・。
 ということで、今日はあえて夕方近くから出かけてみることにした。一昨日の深夜には飯能辺りでも雪が降り、奥武蔵グリーンラインでは一部路面凍結などもあったようで、道のコンディションが若干心配ではあったが、今日の目的地は南側の斜面だし、まあ大丈夫だろう。
 
 その目的地とは、飯能市の長沢地区にある林道八徳入線。ここを上った先には、かの有名な八徳の一本桜があるが、南に開けた斜面に生えるその桜の下にあるベンチが、夕暮れを眺めるにはうってつけの場所だと思い、ここでのんびりコーヒーでも飲もうと思ってやってきた。
 予想通り、ここまでの道のりに凍結箇所は無かったが、それでも山間部に入ったとたんに空気は一段と冷たさを増し、途中の路面は何箇所かで濡れた部分もあり、日陰の中では凍結なのか単に濡れているだけなのか、その判断が付き辛く、靴の裏で路面をなぞりながら恐る恐る進んできた。
 
 起点から僅かな植林帯を抜けると、一旦集落の中を抜ける区間に入る。ここまで来ると日当たりも良くなり、いよいよ凍結の心配は無いだろう。
 
 振り返れば、山の稜線の向こうに沈みかけた太陽が、空を鮮やかな橙に染め始めている。こんな景色の見られるこの場所に住むことを、羨ましいなどと簡単には言えないが、ここからの眺めを純粋に綺麗だなあ、とは思う。
 
 起点から1km程を上ってくると、八徳の一本桜に到着。ここは、今年の4月にも夜明けの景色を見に訪れているが、今日はこれから陽が沈む様を堪能しよう。
 
 桜の木もすっかり葉を落とし切り、夕暮れの空に細やかな枝のシルエットのみを浮かび上がらせる。
 
 一本桜の下は、路肩に生えた他の木などもフレームインしてくるので(笑)、ちょっと移動して空が広く見える地点へ。
 
 思っていたよりも雲が多めだが、薄く広がったその雲に夕陽が反射して、これはこれでなかなか良いじゃないか。
 
 日没までまだちょっと時間があるので、一本桜を見下ろせる地点まで上がって来た。
 
 そろそろ太陽が山の向こうに沈む頃だが、ちょうど稜線の上に広がった雲で、その姿が隠されてしまっている。日没の瞬間は見られなさそうなので、ベンチのところまで戻るとするか。
 
 そんじゃコーヒー飲むか・・・と思って支度をし始めたら、いつものポーチの中に、何とコーヒーバネットが入ってなかった!なので、今日はフィルターをカップに直置きで何とか淹れたよ。
 
 コーヒーを飲んで、宵の空を眺めていると、道の上から歩いて来た、恐らくこの道沿いに住んでいると思わしきおじいさんに「こんばんは」と声を掛けられた。咄嗟に「こ、こんばんはー」と返したが、こんな時間にこんなところでひとりで何やってんだろうって、怪しまれたかなあ・・・?
 
うーん、あの正面に見える薄暗い雲がやや惜しい感じではあるが、ここはちょっと思い立ったときにでもすぐ来れる場所だし、またそのうち雲ひとつ無さそうなときにでも来てみよう。
 
 そんなわけで、徐々に日の暮れて行く景色をご覧ください。
 
 
 
 
 夜の帳が下りる。失われていく空の明るさに比例するように寒さは増していくが、この景色の中で感じるこの寒さは、決して嫌なものでは無い。指先はとにかく冷たいが(笑)。
 こんな僅かな時間でも、林道から空を眺めていると気分がリフレッシュされるのを感じる。夕暮れもコーヒーも堪能したし、BAJA君、そろそろ帰ろうか。
 
 そんな、ほんの僅かな時間のコーヒーツーリングでした。