天目山林道リベンジ! - 支線編 -
2018/04/29-@ 埼玉県秩父市・天目山林道〜熊取林業専用道
 
 天目山林道を始めて辿ったのは2009年6月のことだ。そのときは、終点間際の地点で路面の崩落によりそれ以上の進行を断念してしまった。
 次に訪れたのは去年の5月、初めて訪れてから8年も経ってしまってからだった。そのときも、自転車で越えられない土砂崩れと、行程の途中で発生した足の付け根の痛みによって、やはり終点まで辿り着けずに終わってしまっていた。
 
 天目山林道は、総延長20kmをゆうに越える本線と、そこから分岐する3本の支線(仙元林道熊取林業専用道細久保林道)が存在しているが、過去2回訪れた中で、現時点で終点まで到達できたのは、支線のひとつである細久保林道ただ1路線だけだ。
 残す支線2つと本線の攻略は、なるべく早いうちに行いたいとは思っていたが、気になるのは去年障害となった大規模な崩落がどうなっているかだった。現役の国有林林道である天目山林道なので、いくらなんでも放ったらかしということはないだろうが・・・。
 
 そんなことを考え始めていた4月上旬、『山さ行がねが』のヨッキれん氏が「天目山林道を自転車で往復してきた」とツイッターでつぶやいていた。思わず崩落について質問してみると、自転車での通行は問題ないとの返答を頂くことができた。おおお!やったぜ!これはすぐにでも行くしかない!
 
 現在時刻6:30。ここは天目山林道のチェーンゲート前だ。今年も国道299号の芝桜渋滞に巻き込まれないように少し早めにやって来た。
 
 本日の予定は、取りこぼした支線2つの攻略だ。メインディッシュである天目山林道本線の前に、残る支線を片付けておきたいということもあるのだが、現在右足のかかとに謎の痛みを抱えていて、自転車なら恐らく問題は無いと思うが、片道20kmを越える本線攻略の前に、短い行程で足の様子見も兼ねておきたいというのもその理由だ。それでは早速行ってみよう。
 
 起点からいきなりの急坂を上ってくると、程なくして管理小屋の脇を通過する。今日は日曜なので誰もいないかと思っていたら、この小屋のすぐ向こうの斜面で数人の関係者が何かの作業をしていた。こちらは通らせてもらっている身分なので、ペコリと会釈して先へと進む。
 
 その小屋のすぐ先で、まず最初に分岐する道が現れる。今日の目的のひとつである仙元林道だが、ここは後程入るとして、まずはこのまま天目山林道本線を進もう。
 
 欄干の壊れかけた橋の上から、その下を流れる沢を眺める。ここで、道の奥から1台の軽自動車が下りて来たんだが、あれも林道の関係者かな?
 
 道の周囲は芽吹いたばかりの新緑で覆われ、秩父の山の中もすっかり春の装い。
 
 たまに、こんな感じで路上に斜面から転がり落ちてきた岩がある。きっと長い冬の間に崩れたんだろう。
 
 かと思えば、道幅いっぱいに落石で塞がれている場所も。とはいえ、この程度であれば自転車で辿る分には全く問題は無い。
 
 今日は極力踵に負担を掛けないように、出来る限り乗車して進むつもりだ。少し漕いだ感じだと、乗車している分には踵は全く問題は無さそうだが、初っ端からの急勾配続きはさすがにしんどくて、途中の平場で小休止。
 
 ちょこっと水分補給して再出発だ。今日は支線を辿るだけのつもりなので、幾分気も楽だ。
 
 道の外を覆い尽くす、朝の光を蓄えた新緑が素晴らしく美しい。
 
 山肌を照らし始めた朝日に包まれた、この早朝の空気感が堪らない。渋滞を避けることももちろんだが、この景色が見たくて早く出発してきたのだ。
 
 いちど道との高低差を引き離した沢が再び近づいてくる。沢の音と鳥のさえずりだけが響く中をゆっくりと上っていく。
 
現在時刻7:40。熊取橋に到着。
 
 「熊取」という、やや穏やかではない特徴的な名前だが、これはこれから向かう熊取林業専用道にも使われている。つまり、ここを越えれば最初の目的地まではあと少しということだ。
 
 この地点は、去年来たときに落石で道を塞がれていたが、いまはすっかり綺麗に片付けられている。
 
 そしてそのすぐ先のカーブを超えて、この天目山林道の中でも特に印象的な切通しを通過する。ここは去年来たときに、切通しの間に多量の落石が積み上がり、通行を困難にしていた地点のひとつだったが(去年の様子はこちら)、今はどうなっているだろう。どきどきしながらその先を覗いてみると・・・。
 
 おおお!去年の様子が嘘のように、何事も無かったかのように道が続いている!あの崩落は、自転車同伴でも超えられなくは無かったが、やはりこうしてきっちり整備されているのを見ると、ここが現役の林道だということを実感できて嬉しくなる。
 
 切通しの中を見上げる。なるほど、ここが崩れた場所だな。この様子だと、まだまだいくらでも崩れてきそうな感じもするが・・・まあ、そんときゃそんときか。
 
 切通しを越えて振り返る。今上がってきた道も含めて見ることができる、ここからの眺めが凄く好き。
 
 少しずつ太陽も高くなり、真っ青な空の下に広がる周囲の緑の発色も、より鮮やかになってきた。
 
 そんな中を進んでくると、いよいよ見えてきたぞ・・・!
 
 現在時刻7:56。本日最初の目的地、熊取林業専用道に到着。前回、引き返す途中でうっかり通過してしまわなければ、今日ここまで上がってくる必要も無かったんだが(笑)。
 
 雰囲気からしてそんなに長い距離は無いと思うが、とにかく行ってみよう。って、いきなり倒れた枝とか見えてるんだけど、管理者でさえもそうそう来ない道なんだろうなあ。
 
 途中、左手に分岐する道のような平場が見えたが、その先はすぐに沢に行き着いて途絶えていた。
 
 その先で、この写真では分かりづらいが、道の下にコルゲートパイプで沢を通している場所があった。
 
 と思いながらそこを通過すると、唐突に林道の終点となった。起点からスマホのアプリでトラックログを取っていたのだが、それによると、この熊取林業専用道の総延長は、僅か193m程だった。そう長くはないだろうとは思っていたが、ここまで短いとは・・・(笑)。
 
 終点の様子をぐるっとひと回り動画で撮ってみた。まあ、よくある行き止まり林道の終点風景だけど・・・。
 
 すいぶんあっさりと終点に辿り着いてしまったので、意味も無く斜面の下に下りてみるか。
 
 特に何があるわけでもないけど、清らかに流れる沢と、そこに射す陽の光はそれだけで美しいものだ。
 
 これで、9年来の宿題をひとつ片付けたぞ。それじゃあそろそろ引き返そうか。
 
 ここからは、楽しい楽しい下り走行を楽しみながら、今日もうひとつの目的地である仙元林道まで引き返すぞ。
 
 ここから先の天目山林道本線は、また近いうちにやって来るからな。待ってろよ!
 
Aへ続く。