紅葉の栗原川へ
2018/10/28 群馬県沼田市・栗原川林道-@
 
 10月となり、今年も各地からの紅葉の情報が届き始める時期になってきた。ここ最近、細々と忙しくなかなか林道へと出かける時間が無かったが、そろそろ紅葉ツーリングに行きたいな・・・。
 なんてことを考え始めていたところ、ふと「栗原川林道」というキーワードを見かけた。前回栗原川林道に行ったのは3年前、初めて秋の季節に訪れたのだが、そのときに見た、カラマツや広葉樹が鮮やかに色付いた景色の美しさには本当に驚かされた。栗原川林道か、またあの景色を見に行くのも良いかもしれない。という訳で、今回の目的地は栗原川林道に決定!
 
 国道122号から、わたらせ渓谷線の小中駅前で県道268号線に入り、栗原川林道に行くときは毎回恒例となる林道小中西山線からアプローチしていく。
 
 標識のことなんか完全に無視しちゃってるなあ(笑)。まあ、この標識自体もう文字も消えかけちゃってるし。
 
 空には薄っすらと雲が掛かっているが、今日は予報ではそこそこ良い天気になるはずなので、そのうち日差しも出てくるだろう。
 
 前回ここに来たときは11月に入っていたので、この小中西山線沿いでは植生によっては既に落葉していたところもあったのだが、今日は初っ端から実に見事な紅葉が広がっている。
 
 これは美しい・・・。温かみのある色とりどりの葉が混ざり合い、景色に深みを与えている。若干日差しが陰っていることも、ここにおいてはある意味効果的に働いていると、そんなふうにも思える美しさだ。
 
 うはははは!た、楽しすぎて顔が勝手に緩む!まだ小中西山線に入って僅かしか経っていないのに、頻繁に停まってしまうのでちっとも前に進まない!初っ端からテンション上がりすぎだな、俺(笑)!
 
 見上げると、雲の切れ間から青空が覗くようになってきた。このまま晴れてくれよ。
 
 前回この区間で見事な色付きを見せていたカラマツは、今日の時点では幾分黄葉には早かったようだが、その代わりに真っ赤に染まったモミジが道沿いの景色に華やかさを添えていた。前回と少し時期をずらして訪れたことが功を奏したようだ。
 
 小中西山線の突き当りを左手に折れてしばらく進むと、林道小中新地線のダートに到着。ここまで来て路上にもようやく日の光も当たり始めた。3年振りとなるロングダートを進んでいくのがもう楽しみで仕方ない!
 
 路上には倒木が横たわっていたが、通行には支障が無いように幹を切られていた。それが、この道の管理者の手によるのか、林道ライダーによるのかは分からないが。
 
 そこから更に進むと、毎回足を止める印象的な堀割りの地点に着いた。
 
 去年ここからの余りに鮮やかな景色を見て、この周辺がカラマツ林であったことを始めて意識した。今年はその鮮やかさには少しだけ早かったようだが、来週辺りにはまた素晴らしい黄葉へと染まっていることだろう。
 
 大きめな砂利の敷き詰められたこの小中新地線の路面も、今日は落葉で橙色に染まっている。
 
 色付いたカラマツを背景に写真を撮ろうとここで待っていたのだが、生憎流れてきた雲に太陽が隠されてしまった。ま、この先にもいくらでも素晴らしい景色は待っているだろう。
 
 大きめな玉砂利の敷かれた下り道に気を使いながら進み、小中新地線の終点に到着。
 
 標識は相変わらずこのままだね(笑)。
 
 そして、いま下って来た小中新地線の終点には、「前面通行止」と貼られたバリケードが置かれていた。えええ、今更そんなこと言われても、もう走って来ちゃったし。
 そんな小中新地線の出口から右手方向を見ると・・・。
 
 うおおおおっ!マジか!新地林道のゲートが開いてる!き、奇跡だ、奇跡が起きた!こっ、これは行くしかねぇっ!
 
 ・・・と、前回と全く同じ驚き方をしてしまったが(笑)、実は前回来たときもこの新地林道のゲートは開いていた。ただ、前回はちょっと進んだところで伐採作業中の人に止められて引き換えしたんだよな。
 
 もしかしたら今回もどこかで引き返すことになるかも知れないが、とにかく行けるところまでは行ってみよう。
 
 なんてことを考えながら走っていると、いよいよ本格的に日差しが当たり始めた!おおお、なんと美しい!やはり紅葉は陽の光を受けてこそだよ!
 
 色とりどりの山肌の中に白樺の幹が林立するこの景色があまりにも美しくて、ちょっと進んではすぐ停まるということを何度も繰り返す(笑)。
 
 澄んだ青空が照らす紅葉、そして砂利道に落ちる幹の影のストライプ。この季節の林道の良さがみっちりと詰まったこの景色を見ると、それだけでとても満たされた気分になる。
 
 紅葉の中を走ることが出来るのは、一年のうちでもほんの僅かなあいだだけ。だからなおのこと感動も大きくなるんだよなあ。
 
 しばらく進むと突き当たりに出た。この新地林道をここまで進んでくるのも、初めて走ったとき以来だから、こんな分岐があったということもすっかり忘れてた。
 
 ここから右手に上がって行くほうには、袈裟丸支線の銘板が据えられている。あ、この名前には覚えがあるぞ。そういえばこの銘板は前に来たときも写真に撮ってたっけ。ってことは、ここは左手に進めばいいんだな。
 
 そこからしばらく進むと、再び分岐が現れた。上の写真は、写真左手奥から進んできて、写真右奥か、写真手前側に進むか迷っているところ。先程の分岐と違って、ここには標識の類も無いし、やっぱりこんな場所の記憶も全く無いので、さてどうしたものか・・・。
 
 とりあえず、山の奥へと進んでいきそうな、こっち(ひとつ上の写真で言うとBAJAが向いている方)に進んでみるか。ダメでも戻ればいいだけだしな。
 
 とりあえず、こっちで合ってるのかどうかも気にはなるが(笑)、鮮やかな紅葉に包まれたダートを走るのはやはり最高に楽しい!
 
 あれ、また分岐だ・・・。とりあえずここも山の上に進みそうな右手に行ってみるか。
 
 陽の光を吸い込んで輝く木々の葉が林道をやさしく包む。あまりの美しさに目を奪われながら走っていくが、この先を進んでいくにつれ、次第に道の状態が心許なくなってきた。あ、これは間違えたな・・・。というわけで、適当なところで引き返して、直近の分岐を反対方向に進んでみる。
 
 すると、またしても突き当たりに出たが、そこにはこれらの道の行く先を示す看板が立っていた。
 
 おお!やった!無事に栗原川林道に合流したぞ!良かったー、ちゃんとは測っていなかったが、新地林道に入ってから10km程は進んじゃっていたと思うので、最悪迷って小中新地線のところまで戻るハメになったら面倒だな、ってちょっと心配していたのだ(笑)。
 
 いま走ってきた新地林道、こうして最後まで通り抜けたのは、初めて栗原川林道にやって来たとき以来となる、実に13年振りのことだった。ありがとう新地林道!紅葉もめちゃめちゃ綺麗だったよ!
 
 いよいよここからは栗原川林道を進んで行く。新地林道経由で来たので、今日はあの獣避けのゲートは通れなかったな。
 空はすっかり晴れ渡り、この先の長い道のりにも期待が持てるぞ!
 
 少しずつ標高を上げていくに連れて、周囲の紅葉も鮮やかさを増してきた。黄金色の光が溶け込んだ空気を吸い込んで走り続けていく。
 
 紅葉の栗原川林道、実に素晴らしい・・・。1年のうちのほんの僅かなこの時期に訪れることが出来て本当に良かった。
 
 さっきまで空を流れていた雲も消え去り、深い青に澄んだ空が広がっている。やっぱり紅葉は青空の下で見てこそだよなあ。
 
 どうだい!この黄金のトンネルは!陽の光を蓄えて自ら煌く紅葉の色彩が、こちらの身体の隅々にまで浸透していくようだ。
 
 アプローチに使った小中西山線の辺りでは、紅葉はまだまだこれからが本番といった感じだったが、この辺りはちょうど色付きのピークのようで、視界に入る全ての領域を眩しい暖色に染め上げている。
 
 前回3年前に来たときは、日付は11月4日、ちょうど今日から1週間経過した時期で、その時はカラマツの紅葉は見事だったものの、峠付近の広葉樹はそろそろ終わりという頃だった。今回、訪れる時期を少し早めてみたけど、これだけ見事な紅葉を見られたことは本当に嬉しかった。しかもこれだけの晴天に恵まれたことがもう最高すぎて、一人ヘルメットの中で「うほー!」とか叫びながら走り続けていた気がする(笑)。
 
 そんなウキウキ気分で走り続けていると、栗原川林道の開設について記された石碑の立つ峠に着いた。あれ?ここまでこんなに早く着いたっけ?新地林道でショートカットしてきたからそう感じたのかな?
 
 ここには国有林の看板も立ち、その背後には鮮やかなモミジも生えているので、ライダーのちょうど良い撮影スポットになっているようで、俺が来たときも、立ち去るときもそれぞれ別のライダーがここで休憩をしていた。ま、俺もそのうちのひとりなんですけど(笑)。
 
 さあ、まだまだ先は長いぞ。後半戦も景色を楽しみながらのんびりと進んで行こう。
 
Aへ続く。