@はこちら。
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峠を越えて、この先は徐々に標高を下げ始める。
ここは、道沿いの崖に特徴的な流れ込みの痕がある場所だ。
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ハーフパイプ状に抉れた印象的な場所で毎回目に留まる地点だ。紅葉に包まれたこの時期の姿も実に素敵だが、ここを見上げていると、ついこの上から岩でも転がり落ちてくるんじゃないかと怖くなる。さっさと移動しよう・・・。
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そして、その向かい側の路肩には、恐らくこの流れ込みを伝ってきた水によるものと思われる欠損があった。
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そのすぐ先には、路肩をごっそりと持っていかれてしまっている場所もあった。この辺りからだんだんと路面の雨裂や路肩の崩落などが目立つようになってきた。
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ここでは蛇行する雨裂が伸びていた。とはいえ、この程度であれば林道においてはそれほど珍しいものでもないが。
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ここは、斜面から路上に向かって多量の瓦礫が川のように流れてきた痕があった。
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これはすごいな・・・。台風などの大雨の後は、ここを猛烈な勢いで水が流れていくんだろうな。
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そして、ここは前回も立ち寄った砥沢支線だが・・・。
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最早「道」と呼ぶことも憚られる、涸れ沢のようなその姿は、前回よりも更に深さを増しているように見えた。
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そして、その砥沢支線を流れてきた水は、栗原川林道本線をも侵食し始めていて、ここから少し下の区間では、だいぶ路面が荒れてきていた。
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その溝は更に路面を深く抉り、路肩へと落ち込んでいた。これではさすがに乗用車の通行は無理だよなあ。これらは全て今年の台風の影響だと思うが、さすがにこれだけ長い林道だと、補修の手もなかなか行き届かないのだろう。
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その先では、いまも路肩を水が流れていた。ただ、ここは綺麗に道の脇に沿って流れているので、路面を削る心配はなさそうだ。
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荒れた路面にだいぶ気を取られていたが、紅葉は相変わらず美しい姿を見せている。
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ここは元々洗い越しだったのだろうが、路上に堆積した土砂を削り取るように水が流れ、普通に沢渡りのようになっている。
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ここも早いとこ補修しないと、このまま放置していたら路肩をごっそりと持っていかれてしまいそうだ・・・。
さて、そろそろ腹も減ってきたし、どこかで飯にしたいな。どこか眺めの良い場所で停まりたかったのだけど、峠を過ぎてからなかなか良い場所を見つけられないままだいぶ下ってきてしまったが・・・。
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と思っていたら、ちょっと奥まった支線の入り口のような場所があった。先を覗いてみると、周囲を包む紅葉も実に鮮やかで、これは良い場所を見つけたかも知れない!
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というわけで早速昼飯の支度に取り掛かる!ここは本線からそれほど離れてはいないが、ちょうど良い感じに死角になっているような場所で、飯にするにはうってつけの場所になっていた。それは動物たちにとっても同じと言えるようで、この周りにはあちこちに鹿の糞が転がっていた(笑)。
目の前の本線を通り過ぎていくライダーたちも、誰一人こちらに気づく様子も無く、食後のコーヒーまでここでずいぶんとゆったりとした時間を過ごした。
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そこから程なくして、再び洗い越しを通過するが、ここには毎回目に留まる堰堤がある。
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見てくれ、このユルーい顔!彼こそがこの林道のヌシ、栗原川くんである!
と、勝手に名前を付けてしまった(笑)。この壁面に空いた孔を顔と思ってしまうのは、人の脳が3つの点が集まった図形を顔と認識するシミュラクラ現象と呼ばれるものだが、それを理解したうえで、なおもこれだけ強烈なキャラクターを感じてしまうと、そのうちここから這い出してくるんじゃないか、なんて妄想をしてしまうよ。
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その先で、林道はいよいよ皇海山の登山口に到着するが・・・うおっ、ゲートが閉まってる!
・・・と一瞬焦ったが、良く見たらゲートは施錠はされておらず、中途半端に開いている状態だった。実は沼田市の公式サイトによれば、この日の時点で、追貝側からこの登山口まで、つまり今いるこの地点から先の区間が、RV車等の車高の高い車両に限り通行可能とされていた状態だった。要は、誤って乗用車がこの先(こちら側)にまで進まないようにとの措置なのだと思う。いま走ってきたこちら側は、ここまで見てきたとおりの状態ということもあって、先のサイトにも「普通乗用車での通行は不可能」と書かれてはいるのだが、バイクなら問題なく通行は可能だったし、あくまでも「不可能」なだけで「通行禁止」と言われてる訳でもないので、このまま通らせてもらうけどね。何となく微妙な気分にはなったけど・・・。
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麓の辺りではまだまだな色付きだったカラマツも、この辺りではだいぶ良い感じに黄葉が進んでいた。
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広葉樹林は、どこにいても素晴らしい輝きを放っている。
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おお、またしても洗い越しだ!しかも、今度はかなり豪快に路上を水が流れている!(写真では分かり辛いのだが 笑)
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水面に反射する光が美しくて、足元が浸水するのもお構い無しにここで何枚も写真を撮りまくった。
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ひとしきり写真を撮り終えて、一旦ここを立ち去ったものの、あまりに楽しくて、Uターンして舞い戻ってきましたよ(笑)。ここでさっきから紅葉を撮影していた人がいたのだが、(あいつ、何やってんだろう?)とか思われただろうなあ。
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この、山肌に雲の影が落ちるという情景がとても好きなのだ。それが、紅葉に染まった景色の中となるとその美しさもひとしおだ。
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道の周囲は常に鮮やかな色彩に包まれ、これだけのロングダートでも全く飽きることが無い。
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栗原川林道もだいぶ終盤に近づいて来た頃、一時は雲ひとつ無く晴れ渡っていた空に、再び雲が陰り始めた。
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本当は、紅葉は晴れた日差しの中で見るほうが好きなのだが、これだけ鮮やかな色付きのおかげで、この陰った中でもじゅうぶんな美しさを保っている。さすがだぜ栗原川。
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この栗原川林道のランドマークである素掘り隧道に到着。ここでもたくさん写真を撮ろうと思っていたのだが、さすがにこれだけ有名なポイントだとここで停車するライダーも多く、このすぐ後にも反対側からカップルライダーがやって来たので、あまり長居することなくここを通過した。
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この地点も、毎回来る度に目を奪われる場所だ。峠からかなり時間を掛けて下って来たはずだが、それでもまだこれだけの景色を見せるこの林道が、どれだけ山深いところに開削されたのかを物語っている。
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そのまま下り続けていると、再び路上に陽が差して来た。おおお!いくら陰っていても美しいとはいえ、日差しがあるに越したことはないッ!
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そんな訳で、急いで素掘り隧道まで戻って来た(笑)!
・・・んだけど、さっきのカップルライダーがまだここにいたよ。なので、隧道の中で数枚撮っただけで引き返してきた。(あいつ、何やってんだろう?)とか思われただろうなあ(またかよ!)。
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そんなこともしつつ、もうすぐ長かった栗原川林道も走り終えてしまう。名残惜しさを感じつつ下り続けていると、周囲を黄金色に染め上げた木々に包まれた区間に入った。吸い込む空気までもが黄金に染まったように錯覚してしまうこの山の中で、3年振りに訪れた栗原川林道から、まるで最後の最後で最上級のおもてなしを受けたような気分にさせられた、そんな景色だった。
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遂に栗原川を走り抜けた。小中西山線に入ってからここまでの所要時間、5時間と少々。今日は途中ではなんだかいつもよりも速いペースで走っていたような気がしていたけど、全くそんなことは無かったどころか、いつも以上に時間を掛けて走ってきたかもしれない。まあ、あれだけの紅葉の景色を見せられては、それも致し方ない(笑)。
今回は、前回訪れた時期から逆算して、今日辺りなら紅葉の見頃だろうと思ってやって来たが、絶好の天気ということもあり、期待通り、いや、それ以上の景色を見ることが出来た。
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楽しかったよ、栗原川林道!今年も素晴らしい景色を見せてくれてありがとう!また来るよ!
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栗原川林道は、2019年の台風19号で甚大な被害を受け、翌年2020年の3月に今後通行することができない、すなわち廃道化することが沼田市のウェブサイトで発表されました。
皇海山登山を計画されている方へ重要なお知らせ(令和2年3月3日)
関東随一のロングダートであった栗原川林道を走れたのはこの日が最後となってしまいました。さようなら、栗原川林道・・・。
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