希望の星、林道七ヶ岳線!
2020/08/09 福島県南会津町・林道七ヶ岳線
 
 
 
 
 
 ・・・だって・・・8月7日から通行可能、って書いてあったから・・・
 
 
 
 
 
 
 
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 ここは栃木県日光市の県道350号栗山舘岩線、通称田代山林道のゲート地点だ。見ての通り、その入り口は車両の通行を完全にシャットアウトする屈強なゲートで閉鎖されているが、何故こんなところにいるかというと・・・。
 
 去年の台風19号以降、その土砂災害によって各地の林道でも通行不可になったところが多く、どこか走れる場所はないかといろいろと調べていると、南会津町のウェブサイトに、「田代山 8月7日(金)林道仮開通のお知らせ」(画像は南会津町ウェブサイトのスクリーンショット)という情報を見つけた。それによれば、田代山への県道栗山舘岩線が仮開通というかたちで通行が可能になるとのことだった。おお、あの田代山林道が通れるようになるのか!これは行くしかないだろう!
 実は、当初の予定ではこの1週間前には開通の予定だったのだが、長かった梅雨のせいか、直前になって1週間の延期になっていた。その当初の予定だった前の週は、こちら方面の天気予報も芳しくなく、むしろ延期になってちょうど良かったかもしれない。
 実際に走れるとなれば、前回訪れてから実に11年ぶりとなることもあり、それはそれはワクワクしながら、東北道〜日光宇都宮道路〜霧降高原道路と、こちら方面へ来るときの定番ルートを通ってここまでやってきた。
 
 しかし、目の前にあるのは、ゲートで閉ざされたダートの入り口という非常な現実・・・。
 っかしーなあ、出発前にサイトを再確認しても、開通の延期とかそんなこと一切書かれていなかったんだけどなあ。
 
 ・・・と、ここまで読んで、賢明な方ならもうお気づきですよね?
 ここは栃木県日光市。開通の情報が載っていたのは南会津町のウェブサイト。つまり・・・
 
 
 
 
 
 
それ、福島県側の情報じゃん!!
 
 
 ・・・ってことに気づいたのは帰宅後の話。もしかしたら、福島側の入り口まで迂回すれば、田代山への登山口のある県境の峠までは行けたのかもしれないが、この時点ではそんなことに思い至ることも無く、もともと薄曇りだった空からは、ここに来て急に大粒の雨が落ちてくる始末。今日一番の目的地を走ることが出来ず、いきなり出鼻を挫かれたかたちとなってしまったが、最早ここにいても何の意味も無い、雨を避けるように次の目的地を目指してこの場を後にした。
 
 次の目的地へと向かう途中、ダメ元で安ヶ森林道にも立ち寄ってみたが、案の定このすぐ先で「土砂災害により通り抜け不可」との看板を見て引き返した。ここも前回のリベンジをしたいんだけど、なかなか通れるようにならないなあ・・・。
 
 雨脚は弱まったものの、いまだパラつく雨に打たれながら次の目的地へ向けて国道を走行中、3連おにぎりを見つけて記念撮影・・・。
 
 そんなこんなでようやく次の林道の近くまで来たところで、道端に錆だらけの「山火事注意」の看板を見つけた。お、未見のまといリスか!?と思ってよく見ると・・・。
 
 な、なんだこの謎キャラは?下半身の黄緑色の物体はおむつなのか?ちょっとぬか喜びをしてしまったが、まあこれはこれで悪くは無いけど。
 
 というわけで、やって来たのは福島県南会津町の林道七ヶ岳線。現時点で規制もなく通り抜けが出来る情報を得ていたので、田代山林道の後に走ろうとは思っていた。
 ここは前回、去年の11月に訪れているが、まさかこんなに短いスパンで来ることになるとは思わなかったな。まあ、ここを夏場に走るのは初めてなので、それはそれで楽しみだ。
 
 場所はここ。
 
 おや、林道の入り口を示す標識が曲がって道の外側を向いてしまい見え辛くなってしまっている。去年来たときはこうなっていなかったのに、車でもぶつかったのかな?
 
 入り口から程なく路面は未舗装に変わる。せっかくの夏なのに、曇り空のおかげで木漏れ日を味わえないのはちょっと寂しいが・・・。
 
 しかし、ここまで来て気づいたが路面が濡れていない!ここへ来るまでの道中では幸い合羽を着るほどでは無かったものの、しとしとと降る雨に打たれていたので、もはや雨に濡れる心配がないだけで本当に嬉しい!
 
 七ヶ岳線定番の展望スポットまで来たが・・・うーん、さすがに空は霞んでいるなあ。
 
 それでも、田代山林道も走れずに、その入り口ではぼたぼた落ちてくる雨に打たれもしていたので、この七ヶ岳線に入ってから雨が降らなくなったことが本当に嬉しくて、なんだか七ヶ岳がやさしく俺を迎え入れてくれたような気がして、走りながら涙が出そうになった(笑)。ありがとう、七ヶ岳!
 
 ここは前回初めて気づいた、堰堤と道を兼ねた構造物。正面から撮るとなかなかかっこいいね。ああ、ここを大水が道を乗り越えて流れていく様を見てみたい・・・(無理だから)。
 
 そりゃあ、日差しがあるに越したことはないけど、こういうしっとりした森の雰囲気もまた良いものなんだよね。
 
 ここへ来るまでは、途中で雨に打たれもして、こんな天気を恨めしくも思ったりしたけど、こんな綺麗な光景を見ちゃうともう全然許せちゃう。
 
 林道の開設記念碑のある場所までやってきた。
 
 その記念碑の隣に、七ヶ岳の登山ルートを記した看板が立っているのだが、その上のほうに描かれたキャラ、あれってもしかしてさっきの「山火事注意」の?
 
 いや、よく見たら全然違うわ(笑)。
 
 こんな長いストレートもとても素敵だ。こういうところはさすが埼玉辺りとは全然違うなあ。
 
 ここは木々が伐採され、開けた視界が印象的な地点だ・・・が、今日は生憎の曇り空で遠くの山はかすんでほぼ見えなくなってしまっている。
 
 ここが再び木々に囲まれ鬱蒼とした景色になるには、あとどれくらいの年月がかかるのだろう。
 
 それにしても・・・いやあ、腹減った!林道へ入ってからはまだ僅かだが、自宅を出発してからはそれなりに時間も経っているので、どこかいい場所があればそろそろ飯にしたい・・・。
 
 というわけで、今回も前回見つけた場所で昼飯だ!
 
 やっと飯にありつけるぞー!この抹茶鶏白湯、結構美味くて俺好みだったので、帰った後リピートしてしまった(笑)。
 
 ここからの景色、好きなんだよなあ。ただ、今回はちょっと周囲を飛び回る虫がうるさかったが(笑)。次回は晴れた日のここからの景色を見てみたいな。
 
 林道富貴沢線との分岐地点を過ぎると、一本の新しい林道が造られている場所があった。この状態を見るに、去年来たときも開設中ではあったと思うが、どうせ入れない道だし、とでも思って気にも留めてなかったのかな(笑)?
 
 道の脇に立つ杭や看板にも、この林道の名前は書かれてはいなかった。「林道専用道」とは書かれているので、作業道的な扱いなのかも知れない。
 
 そろそろ林道も後半戦。国道へ向けて下って行く。
 
 いやあ、今日は雨に降られないだけで御の字とはいえ、せっかくの夏の七ヶ岳線、晴れた空の下で走ってみたかったなあ!
 
 あの奥の川沿いの斜面が崩れているように見えたり、川に木が倒れこんでいるのは、近年の豪雨のせいだったりするのだろうか。だとしたら、この七ヶ岳線が被害を受けず、こうして何の規制も無く通り抜けられるのは奇跡的なことなのかも知れない、なんてことをふと思った。
 
 程なく国道289号に出た。林道七ヶ岳線、延長約16km、ほぼフルダートの林道が無傷で通り抜けが出来るのは、昨年の台風シーズン以来各地の林道で通行止めが相継いでいることを考えれば、実に貴重な存在となっていると言えるだろう。
 一応ここから少し国道を西に向かった先にある林道にも言ってみたのだが、やはりと言うべきか通行止めだったので、この七ヶ岳線を引き返して帰ることにした。
 
 それでは復路行ってみよう。・・・っと、お?
 
 あれは、砂防堰堤か?なんだろう、堰堤によくある、顔に見える穴が開いているようだが、ここからだと全体がどういう形状をしているのかいまひとつ良く分からないな・・・。
 
 それにしても、もともと薄曇りではあったが、さっきまでよりもさらに雲行きが怪しくなってきているような・・・。
 
 伐採地点まで戻って来た。さっきも写真を撮ったけど、戻ってきてもやっぱりこうしてシャッターを切っちゃうんだよなあ。
 
 なんて思いながら写真を撮っていると・・・ああっ!とうとう降ってきてしまった!
 
 いかん!本降りになる前に林道を出なければ!
 
 そう思って、あとはもうほとんど写真も撮らずに展望地点まで戻って来てしまった。
 
 霞んだ空に吸い込まれるように連なる送電鉄塔も素敵だ・・・。
 
 とりあえずこの後は雨に降られることも無く、無事に帰宅することが出来た。
 今日は田代山林道を走れなかったのは想定外だったけど、こうして七ヶ岳線が問題なく走れたおかげで、なんとかここまで来たことが無駄足にならずに済んで本当に良かった。次はまた秋の頃に紅葉を観に来れたらいいな。ありがとう、またよろしくな七ヶ岳線!