御荷鉾の春
2022/05/02 群馬県藤岡市〜下仁田町・御荷鉾スーパー林道-A
 
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 さあ、塩之沢峠までやってきたぞ。
 
 最近も、ここから下仁田側へ下るためにここまでは何度かやってきていたけど、御荷鉾スーパー林道をさらに西へ進むのは、もう何年ぶりになるのか覚えていないくらいだ。
 
 そんなもんだから、ここから先の西側区間も、実際どれくらいの期間に渡って通行止めになっていたのかもよく分かっていないのだが(笑)、せっかく久しぶりに通れるようになったってんだから行かないわけにはいかないでしょ!
 
 分岐に入ると程なく路面は未舗装に変わる。
 
 いいね、この看板!「走行には十分に注意」ということは、公に走って良いということに他ならないからね!無性に嬉しくなるぜ!
 そして、何故かその上の落石注意の標識は撃ち抜かれているという(笑)。
 
 西側ダート区間を走っていると、ふと道の脇に見覚えのある黄色い看板があることに気づいた。
 
 公団造林の造林地を示すこの看板。以前、長野の林道王城枝垂栗線で見たものと同じものだが、実はこの看板の右下に、小さくまといリスがいるのだ。
 
 ここに描かれたまといリスは、ポーズ自体はまといを抱え込んだスタンダードなものなんだけど、サイズに合わせてディテールが僅かに省略されているんだよね。こういう僅かな違いに喜んでる変なおじさんです(笑)。
 
 そして、その看板の手前に立つこの紅いポール。何かと思ったら吸いがら入れだった。マジか、こんな山の中に吸いがら入れとは・・・。
 
 すごいな、かつてはこんな林道の途中にまでこんなものを設置した時代があったのか・・・。
 
 そしてこちらも久々の屋敷山隧道。新緑の芽吹き始めた山肌に穿たれた孔に向かっていくこの感じに、なんだか林道を走る喜びを強く感じて、しばらくこの景色に見惚れてしまった。
 
 そして、明るい日差しの中、鮮やかな緑のカラマツの中を伸びる未舗装路。これもまた林道を走る喜びのひとつだ。
 
 このカラマツが林立する区間も、黄葉の季節に来たらさぞ綺麗なんだろうなあ。今年の台風シーズンを過ぎても何事も無ければ、また秋になった頃に来てみようかな。
 
 もちろん、この初夏の季節の美しさは言うまでもない。最初に走ってきた東側区間よりも標高を下げているせいか、そちらよりも一層緑が鮮やかに感じる。
 
 その新緑に囲まれた、緩やかに蛇行するダート道がまた美しくてなあ。ここのようなガードレールが無い区間は、より強く自然の中にいる感覚を味わえて好きなんだ。
 
 そうしてしばらくダートを進んでくると、道の外に視界が開けた地点に出た。
 
 お、ちょうど良さ気な平場があんじゃん!
 
 そんじゃあBAJA君、ちょっとそこで待っててね。
 
 っちゅうわけで、今日はここで山ラータイムじゃあ!東側区間はバイクもたくさん走っていて、飯にする場所を見つけるのもなかなか大変なんだけど、こっち側は思いの外ひっそりとしていて、いやあ、いい場所を見つけられてよかった。
 
 あの、流れる雲が山肌に影を落とす光景も、林道から見る好きな景色のひとつだ。
 ・・・流れて行くのかと思ったら、この辺りはすっかり影に隠されてしまったなあ。今日は雨の予報は無かったはずだけど、なんとなく雨の不安を感じたので、飯を食って林道を抜けたら、今日はこのまま帰ろうかな・・・。
 (実際、この後帰宅したのだが、家の近くまで行ったところでぽつぽつと雨が降り始め、家に入ると同時に土砂降りになってしまった。ぎりぎりで土砂降りを回避できて、結果的に良い判断だった。)
 
 飯を終えて再び走りだすと、そこからほんの僅かの距離でダート区間が終わった。ダートを抜けるギリギリ手前であんなに良い場所を見付けられて良かった。
 
 大仁田ダムまで来るのも、確か御荷鉾スーパー林道を初めて走ったとき以来じゃなかったかな。今日は初めて堤体の上も走ってきて、そういえばあの道の先に橋を渡ってさらに未舗装路?が続いていたみたいなんだけど、あの先ってどうなっているんだろう?ちょっと気にはなったものの近づかずに戻ってきちゃったんだけど、あの道のことを誰か教えて!
 さあ、それじゃあこのまま下って帰ろうか。
 
 帰るとは言ったけど、最後に1ヶ所だけ寄り道だ。ここは県道45号線の湯の沢トンネル北側坑口前。とは言っても目的はトンネルではなく、いまBAJAがいる位置の左側にある。
 
 それが、これだ・・・!
 
 鋼製スリットダムである!
 実はここ、初めて御荷鉾スーパー林道を走った15年前にも立ち寄っていて、もちろんその時は鋼製スリットダムなどという存在も知らず、変わった構造物があるな、くらいに思っていたのだが、最近になってふとここを思い出し、もしかしてあれって鋼製スリットダムだったんじゃ、と思い、それを確かめるために立ち寄ってみたところ、ズバリそのものだった。改めて見ると、上下2段の構成になっているのが分かる。
 
 鋼管のすぐ後ろには、荒々しい岩肌が見えている。こういったシチュエーションのスリットダムは今まで見たことが無いけど、これはかなりナイスな光景ではないか!?
 
 スリットダムを上流側から眺める。上段、下段とも今現在流木などを堰き止めている様子は見られないが、こまめに撤去がなされているのかもしれない。
 
 鋼管の表面は、日焼けのせいなのか塗装が落ちて金属がむき出しになり、さらに苔に覆われている。経年による変化が実に良い味わいを醸し出している。
 
 このスリットダム、15年前に訪れたときにも写真に納めていた。いまこうしてみると、周囲の木々も成長し、だいぶ鬱蒼と変化しているのが分かる。
 
 銘板にはしっかりと「スリットダム工」の文字が!いやあ、御荷鉾スーパー林道の西側区間が復旧したことでここのことを思い出せたわけだけど、やはりスリットダムだったことを確認出来てスッキリしたぜ!さあ、今度こそ本当に帰ろ(笑)!