初夏の秋鹿林道を走る
2022/05/29-@ 群馬県利根郡みなかみ町〜吾妻郡中之条町・秋鹿林道〜高田山林道
 
 おはようございます。ナノレカワでございます。
 
 今日は朝一で群馬県沼田市にやってきた。とある物件を見るために。
 
 ここは先日、たまたまストリートビューで見つけたおもちゃ屋さん。なぜここに来たかというと、その理由は入口上部に掲げられた看板を見て欲しい。
 
 看板の左右に、様々な玩具・模型メーカーのロゴが並んでいるが、そのどれもが今は使われていないロゴや、現存していないメーカーのものだ。いったいいつから掲げられているのだろう・・・。
 とはいえ、いくらナノレカワでもこの看板だけのためにわざわざ沼田まで来ることは無い。本当は、このすぐ近くにある、とある看板を見ることが今日の第一の目的だ。
 
 上の画像を見て欲しい。これと下の画像の2枚はストリートビューのスクリーンショットだが、画像中央部の古びた塀に、1枚の看板があるのが分かると思う。
 
  
アッ!危い!
 
 と書かれた、子供の飛び出しに注意を促すこの看板。場所はさきほどのおもちゃ屋からほんの100mほど離れた場所にある。この看板、同じデザインのものは下仁田でも見たことはあるのだが、そちらは全面に錆が進行し、イラストも退色していて、これの綺麗なものを見てみたいとずっと思っていた。ここにこの看板が残っていることを知り、今日の林道を走る前に立ち寄ってみた、というわけだ(冒頭のおもちゃ屋は、この周囲で他に目ぼしいものがないか、やはりストリートビューで探しているときに見つけた)。
 今日は本当に、本当にこの看板を見ることを楽しみにしていた。なんだったら林道を走ることそのもよりも楽しみだった、と言っても大げさではないくらいに。いよいよ念願の看板とご対面だ!・・・と思っていたのだが・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※ストリートビューと同一地点です。
 
 うおおおおおっ!なんということだ!建物が綺麗さっぱり消え去って、駐車場になってしまっているではないか!SVの撮影日が去年の11月の日付だったので、そこからこんな短期間で無くなるなんて考えもしなかった・・・やはりこんな古い看板が令和にまで残っていること自体が奇跡的なことだったんだ・・・みんなも気になった看板はすぐに見に行かなきゃダメだぞ!
 というわけで、かなーりショックを受けてテンションの下がった状態で林道へと向かうとこになるナノレカワなのであった・・・(笑)。
 
 沼田を後にして、まずやってきたのは秋鹿林道。この次に走る予定の万沢林道が、最近冬季閉鎖が開けたこともあるのだが、なにより先ほど見られなかった看板の最寄りの林道であることもあって、時期的にちょうど良いと思ってやってきた。まあ、結局看板は見られなかったわけだが・・・。
 
 今日は、いつも通る林道へ至るの道とちがうところを走っていたら、いつの間にかダートに合流していた・・・。なので、残念ながら今日は「村道 大影・秋鹿線」の標柱はお預けだ!
 
 この秋鹿林道、実は初夏のこの時期に走るのは初めてとなる。
 
 周囲は芽吹いたばかりの若々しい新緑に覆われている。木々の葉を通して斑に路面に落ちる眩しい木漏れ日が、先ほどの看板ロスのショックを幾分でも和らげてくれるようだ(笑)。
 
 そんな、初体験となる初夏の秋鹿の景色に見惚れながら走っていると、道の脇に立つ赤いポールを見つけた。
 
 吸いがら入れだ。この対応の吸いがら入れは、前回御荷鉾スーパー林道を走ったときにも見かけたが、今まであまり気にしてなかっただけで、かつては意外と普通に設置されていたものなのかも?この秋鹿と御荷鉾、どちらも群馬県のものだけど、他の都道府県にもあるのかな・・・?
 
 それにしても、今日は路上を流れる水の水量が多いな。
 
 ひとつ上の写真では分かりづらいかもだけど、近づくとこんな感じでかなり長い区間の路上を水が流れている。自宅のほうでは一昨日にかなりのゲリラ豪雨があったばかりだが、この辺りでも同様に雨が降ったのだろうか。
 
 それはそれとして、新緑に囲まれた林道の心地よさはやはり格別だ。緑の溶け込んだ空気を肺いっぱいに吸い込み、葉緑素を体中の細胞に行き渡らせるイメージを抱いて森の中を駆け抜けていく。
 
 ここは、以前紅葉の時期に来た時に、周囲を彩る紅葉と沢の流れがとても印象的だった場所だが、こうして鮮やかな新緑に囲まれた景色も実に美しい。秋鹿の中でも特にフォトジェニックな地点だと思う。
 
 流れ行く清涼な水が本当に綺麗だ。真夏に水浴びしたら気持ちいいだろうなあ(笑)。
 
 上空が開けた地点に出て、BAJAを停めてふと振り返った先の緑があまりにも綺麗だ・・・。
 
 そして道は再び緑のトンネルの中へ。基本的に、この秋鹿も次に走る万沢も、周囲はほぼ木々に覆われて、遠くまで見晴らせるような場所は無いんだけど、今日のような晴れた日に来れば、緑を透かした木漏れ日に撫でられながら走るのがとても爽快だ。
 
 ここで、この巨大な削りっぱなしの法面に惹かれて写真を撮っていると、近くでゲコゲコ・・・とカエルの鳴く声が聞こえてきた。
 
 その法面のすぐ脇に小さな流れ込みがあって、声の主はここに潜んでいるらしいのだが、残念ながらその姿を見ることはできなかった。
 
 楽しい・・・眩しい緑と木漏れ日に囲まれたロングダートを走っている、ただそれだけで次第に気分も上がってくるのが分かる。朝一の看板ロスのショックが癒されるようだ。(しつこい!)
 
 途中、なんだか良い匂いがするなあ、と想いながら走っていると、頭上に薄紫の花が垂れているのに気づいた。
 
 あ、これ藤の花かあ(だよね?)。匂いの元はこれだったか。
 
 ひたすら緑深い宇山の中を進む。周囲のどこを見ても眩しい緑に目が留まってしまう。
 
 そろそろ秋鹿も終盤だ。
 
 そこから程なく、国道353号に出て秋鹿林道が終わった。
 
 ここにかかる橋のガードレールには、「中之条営林署」と書かれたプレートが付けられている。「営林署」って文字を見ると、それだけで嬉しくなっちゃうよね?

 なるよね?なるでしょ〜。
 
 秋鹿林道を出て、次に走る万沢林道を目指して国道を北上していると、ふと右手に林道の分岐が見えた。今まで気にも留めていなかったが・・・。
 
 入口に立つ標柱によれば、高田山林道というらしい。延長は約4.5km、この距離だと行き止まり林道かな?せっかく目に留まったし、ちょっと入ってみるか。
 
 最初、(あれ、もしかしてここって舗装林道?)と思ったものの、起点から約400m地点で路面は未舗装に変わった。
 
 そこから正面方向には、ゲートで閉鎖された道が続いていたが、こちらは支線のようだ。
 
 そして本線は、左手に折り返すように続いている。こちらはとりあえず規制などはなく走れるようだ。
 
 そのカーブの先は、しばらくのあいだ実直に勾配を上げ標高を稼ぐ区間が続いている。
 
 途中、道の脇に国有林を示す看板が立っていた。
 
 起点の標柱や、支線の銘板からも伝わっていたが、どうやらこの林道は国有林林道のようだ。
 
 道沿いでは、何箇所かでこのように斜面が伐採され開けた場所があった。それにしても気になるのは、道沿いに続くこの電線だ。いったい、どこに向けて電気を引いているんだろう?
 
 どんどん先へと進んでいくと、序盤のような勾配は徐々になくなり、周囲の雰囲気も良い感じになってきた。
 
 それでも、道沿いの電線はいまだに続いている。林道の起点で、なんとなく行き止まりの林道なのかな、と勝手に思い込んでいたけれど、もしかしてどこかに抜けているのか?
 
 そして、正確な距離は測りそびれてしまったが、起点で示された林道延長に少し満たないくらいの地点で峠となり、路面はアスファルトに変わった。やっぱりこの先でどこかに抜けているのか・・・。
 
 この地点には、高田山への登山口があったが、きっとここから登る人はみんなこの先の舗装路から来るんだろうな。せっかくだし、このまま舗装路を進んでみよう。どこへ抜けるかは分からないけど・・・。
 
 しばらく下ると集落へ出た。ただ、この時点もう自分がいまどこにいるのか全く分からなくなっている・・・。
 
 その先で、道が十字路となってる地点に出た。
 
 その地点には、この周辺を描いた案内図もあったのだが、それを見てもこの先どっちへ進めばいいのかが全く分からず迷っていると、たまたま1枚上の写真に写る猫車を押した人が現れて、その人に国道へ出るにはどちらへ進めばいいのかを訪ねると、とても丁寧に道案内をしてくれた。いやあ、助かった・・・。
 その後、その道案内の通りに国道へ出たが、結局どこに出たのか、ようやく電波の入ったスマホを見てビックリ!秋鹿林道の出口から10km近くも南下した地点まで飛ばされていた(笑)!飛ばされたって、自分で訳も分からず走ってきたからこうなったんだけどさ・・・。秋鹿〜万沢間で高田山林道に入ろうと思う人がいたら、ダート区間だけで往復したほうがいいよ(笑)。
 
Aへ続く。