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続いては万沢林道。こちらも先ほどの秋鹿と同様、初夏のこの季節に走るのは初めてだ。
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林道に入って早々に、剥がれ落ちたコンクリート吹付の法面がお出迎え。こういうスケールで見ると、コンクリ吹付なんてペラッペラの紙切れみたいだよねえ・・・。
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欄干のない橋に差し掛かると、そこからは白いしぶきを上げて流れる沢が良く見える。
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この水の流れも、新緑のこの季節に見ると爽快感がより増幅されるようだ。
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そんな景観に気をよくして進んでいると、道の脇になぜか不動産屋の看板が立っているのに気づいた。なんでこんなところに・・・ま、まさか、貴様、ヤマウの一味か!?
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新緑の中で木漏れ日に照らされた水の流れって、どうしてこんなにも美しいんだろう。
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いつも思うけど、山の緑や空の青や、流れる水の煌めきを見て感情を揺り動かされるのは人間だけの事象なのだろうか、あるいはこの山の中に棲む動物たちにも、そういった感情が沸き上がることはあるのだろうか・・・。
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おーい、動物たちよぉー、出てきて話を聞かせておくれー。
・・・これだけ林道を走ってても、実際に野生動物に出会う機会ってそうそうないんだよなあ。
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それにしても、そろそろ腹減って来たなあ。去年来た時に飯にした沢がすごく良かったけど、あれ、どこだったかなあ?
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なんてことを考えながら、橋を渡るたびに沢沿いの立地を物色しながら走っていると・・・。
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お、ここ、去年の場所とは違うけど、ここもなかなか良さ気じゃね?
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沢沿いの岩に腰かけて飯の支度を始めていると、対岸にひとりの釣り人がやってきて、こちらに向かって何かを聞いているようだったが(恐らく「ここ釣れますか?」とかだったのかな?)、沢の音が大きすぎて何も聞こえなかったので、手振りで「全然わかんない!」ってことを伝えると、そのままどんどん沢の上流へ遡上して、あっという間に姿が見えなくなってしまった。
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不意の来客もいなくなったので、こっちはこっちで、沢の流れと音に囲まれてのんびりとランチタイムを過ごす。いやあ、万沢は飯にする場所に困らなくていいねえ(笑)。
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腹も満たされたところで再び走りだす。そういえばこの日は、路面の整備の結果なのか、ところどころでかなり大き目な砕石を敷いている地点が見受けられた。
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こういう地点があることは事前にツイッターで見てなんとなく知ってはいたのだが、いざ実際に走ってみると、タイヤが取られてかなり走りづらい・・・。ここは一応写真に撮ってみたんだけれど、ここなんかほんの序の口で、この先には通り抜けるのに必死で写真を撮るどころじゃない場所もあった。
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ここも怖かったなあ。築提状の上り坂がカーブしていて、その路上にゴロゴロの砕石が敷かれ、右も左も道を踏み外せば即落下という状況。さらに凄かったのは、林道終盤にあるカーブした切り通しの中に砕石が敷かれた地点。最近通った人なら分かると思うけど、あそこめっちゃ怖かったよね??
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もちろん、それ意外はとても走りやすい路面が大部分を占めている。新緑を眺めながらのんびりとロングダートを流すにはうってつけの林道だ。
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秋鹿と同様、こちらもところどころでウェッティな箇所もあるけど、特に走行に支障になるようなことはない。むしろこうしてみると、空から降り注ぐ光を柔らかに反射してとても綺麗でしょ?
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そうだ、前回飯にした万沢食堂1号店だ(笑)。やっぱりこっちの雰囲気も抜群だなあ。次は紅葉真っ盛りの時期に飯にしてみたいな。
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それに、あそこに見える、どう見ても人工的な切り欠きもやっぱり気になるよなあ。何のためのものだったんだろう。
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万沢をさらに先へと進む。周囲を囲む木々の若々しい緑が、空の青と混ざり合ってこの季節ならではの爽やかな色彩を演出している。林道を走る喜びに溢れた情景だ。
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一旦ダートが途切れ舗装区間に入る。以前よりだいぶ距離の延びてしまった舗装区間だが、今日のこの美しい緑の中を走っていると、この舗装の長さも正直あまり気にならなかった。
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そして道は再びダートへ。まあ、やっぱりダートに越したことはないよね(笑)。
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途中、小さな沢の中に、あるものを見付けて急停車。あれってもしかして・・・。
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沢の中腹に、何本かのH形鋼が突き立てられている。これってもしかして、鋼製スリットダムか?鋼製スリットダムとしてよく見る鋼管製の柱材とは違うし、規模もとても小さいものだけど、機能としては同じことをしているように見える。実際、しっかりと流木を堰き止めているように見えるし・・・。
なるほど、こんな小規模な感じで運用しているものもあるんだねえ。
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道から少し離れたところにあったので、写真だと分かりづらいかもしれないが、先ほどのものと違い、こちらは高さが2mを超えていそうなくらいのサイズ感で、これもH形鋼を並べ上部を繋いだだけのシンプルな構造だが、やはり鋼製スリットダムと同様の機能を持っているのだと思う。いやあ、面白いものが見られたな。
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万沢林道もそろそろ終盤。橋の上から望む、青空に照らされた新緑の谷を流れる白砂川がとても美しい。
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万沢を走る人はみんなだいたいここで写真を撮っていくと思うけど、まあ言っても林道なので、そうそう頻繁に車両が通るわけでもなく、のんびりと写真を撮り放題なのだ。
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万沢ストレートも抜けて、国道405号に出た。初めて走る新緑の万沢林道、堪能したよ!
さあ、最後にもう1本林道を走って行こう。
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万沢からきっかり1時間ほど走り、やってきたのは高崎市の林道三ッ丸大平線。
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県道との分岐から4kmほど続く舗装路を経て、道は未舗装に変わる。
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ただ、ここはまだ三ッ丸大平線の区間には入っていないのだが、そもそもこんな沢沿いを通る道なので、実質林道と言っても差し支えないだろう(笑)。
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奥へ進むほど、周囲の景色は林道らしさを増してくる。実際、この先の三ッ丸大平線とは地続きの道なんだけど、林道区間の前からこんな雰囲気に溢れていて、(ここはまだ林道ではない!)と思うと、何というか「一粒で二度美味しい」的な感じ?(実におたく的な発想だ・・・)
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そんな中を進み続け、いよいよ林道三ッ丸大平線の起点にやってきた。
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ここは去年の夏に来た時に、ちょうど伐採作業のためここから先に入れなかったので、ここから先に進むのは2年ぶりとなる。通行止め自体は今年の3月末で終わっていて、バリケードも道の脇に寄せられているので通行自体は問題ないはずだ。
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起点を過ぎてほどなく現れる「いそむらはし」を渡る。初めてこの橋を越えて現れた、明るい日差しに囲まれた広葉樹の森に入ったときの、なんだかとんでもない林道を見つけてしまったぞ、というワクワクした気持ちは今もはっきりと覚えている。
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今日はここに着いたのがすでに午後3時をまわっていたので、以前来た時よりも光傾き、谷に落ちる日差しも浅い角度になり。影に覆われた区間が多くなっている。
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その日差しが作り出す長く伸びた影と、西日に霞んだ空気の中で煌めく水面が、この林道の初めて見る光景を生み出している。
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この切り通しも、この林道の中で特に好きなポイントだ。光を受けて輝く新緑と、影に覆われた切通のコントラストに惚れ惚れしてしまう。
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広葉樹に囲まれ、沢との高低差も少なく、ガードレールもない道を進んでいると、より深く自然の中に身を置いている感覚に包まれる。本当に美しい林道だ。
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そしていよいよ、この林道でいちばん好きな渓谷区間に辿り着いた。
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去年、真夏の日差しの中でここの景色を見たくてやってきたのだが、生憎の通行止めでその手前の河原でラーメンだけ食べて帰ったんだよなあ。2年越しでやっと再訪できた!
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ここにこうしてBAJAといるだけで、とても満たされた気持ちになるなあ。この先は最終的に行き止まりとなるので、一旦終点まで行って、また戻ってこよう。
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あの渓谷区間から先は、以前来た時はもう少し荒れてた記憶もあった(落ち葉の下に大き目な石がごろごろしている場所もあった)が、久しぶりに走るとそういった印象はなく、普通に走りやすい路面が続いていた。
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そして、この終点標識の立つ地点から先に続く区間も、バリケードで閉鎖されているのは以前から変わらない。ここから先は今後解放されることはもうないだろう・・・。
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こうして、今までとは違った時間帯に来ると、日差しの向きでだいぶ印象も変わるのが楽しい。
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渓谷区間まで戻ってきた。ここでしばらく写真を撮って過ごした。
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時刻はもうすぐ午後4時になる。この時間帯だと、ちょうど谷に沿って西日が差して、こんなにも美しい景色が見られるというのは嬉しい発見だった。これを書いているいま、関東甲信越は梅雨入りをしてしまったが、梅雨が明けたら、去年見れなかった真夏の景色の中を走りに、またここまでやってこよう。夏になるのが楽しみだ。
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