夏の終わりの奥多摩へ
2022/09/11-@ 東京都奥多摩町・林道川乗線〜山梨県丹波山村・林道後山線
 
 いやあ・・・8月はちょっと色々あったせいで結局一度も林道へ行けなかったな・・・。月末に取った夏休みも、天気のせいで全く身動きできなかったし。
 それでも、9月になってようやく好天の週末に恵まれた。やっとだ・・・やっと林道へ行けるぞ!
 
 本日最初にやってきたのは、東京都奥多摩町の林道川乗線。ここへ来るのは去年の2月に、途中で路面凍結に阻まれたとき以来だ。
 この川乗線は、今年の7月末に復旧工事が終わるという予定を見ていて、通れるようになったらすぐにでも来ようと思っていたのだけど、結局こんな時期になってしまった。
 
 ゲートを開けて(開けたら閉める!)緩やかに登りとなる舗装路を進むと、周囲は鮮やかな緑の色彩が融け込んだ空気に包まれている。あー、こんな景色の川乗線を走るのはもう何年ぶりだろう。
 
 さらに進むと、左手の法面に大掛かりにコンクリートを吹き付けた場所があった。通行止めの最中は、この辺りの復旧をしていたのかな?
 
 山肌に沿って延びるいくつものカーブを超えて、少しずつ高度を稼いでいく。晩夏の木々が苔生した路面に落とす木漏れ日が堪らんなあ・・・。
 
 川乗線は、序盤の6kmほどはずっと舗装路が続くわけだけれど、それでも走りに来たくなる魅力がある。
 
 その理由の一つがここだ。
 
 この地点の真下には、奥多摩の名瀑のひとつ、百尋ノ滝があるのだが、その直上に、急峻な崖の中に道を通した区間が見えている。
 
 岩の窪みの部分にコンクリートを打って路盤を作ったこの地点。半ば無理やり気味に通したとも思えるような区間を、こうして外側から眺めるのも実に趣があるが、あの場所から眺める景色がまた良いんだよねえ。
 
 ここもお馴染みの景色だけど、やはりここからの眺めは何度見ても素晴らしい!特に、ここ最近は秋〜冬に来ることが多かったから、こんなに緑鮮やかな眺めを見るのは本当に久しぶりだ。これが見たかったんだよ・・・しかも、ようやくこれだけ晴れ渡った日に来ることが出来て、もう最高じゃん!嬉しすぎて泣きそう・・・。
 
 道はさらに標高を上げ、再び緑に囲まれた区間へと入る。
 
 沢が道と近づくこの辺りの区間も良いんだよねえ。そうそう、そういえば去年、路面凍結で引き返したのは確かこの辺りだったよなあ。
 
 ここから先に進むのも、もう3年以上前になるのか。あの時は、真冬に踊平トンネル内の氷柱を見に行ったんだけど、考えてみれば途中で路面の凍結も無く、よく最後まで辿り着けたよなあ。
 
 起点から6km強を経てようやく未舗装路に変わると、、程なく林道日向沢線との分岐に出た。今日はこのまま直進して踊平トンネルまで行ってみよう。
 
 う、さすがに通行止め期間がそれなりに続いていたせいか、路面が自然に還りつつある色合いとなっている。ダート区間だからまだ安心だけど・・・。
 
 波打つ巨大な法面工も、以前よりもより緑に浸食されてきている。それでも、だいぶ登りやすそうな法面だよねえ。ね、まあもさん(笑)?
 
 それはそうと、さっきからこの上空を1台のヘリコプターが旋回してるのが気になる・・・。なんだろう、この辺りで事故でもあったのかな?
 
 ダートになって2kmちょっとで踊平トンネルに到着。久しぶりにトンネルの向こうの廃道区間も見てみたいと思ったんだけど・・・。
 
 この踊平の真上で、さっきの縁がずっとホバリングしてるんだよね・・・。どうやら東京消防庁航空隊のヘリコプターみたいだけど、やはり登山者の事故でもあったのだろうか?帰宅後に調べてもとくにそのようなニュースは見かけなかったので、訓練とかだった可能性もあるけど・・・。
 とにかく、こんな至近距離でヘリが飛んでる状況で、廃道区間に入り込む気にもなれなかったので、早々に引き返してしまった。
 
 ま、今日は久々に緑に包まれた川乗の景色を見れたことでもう満足なので、次の目的地に向かおう。
 
 続いてやってきたのは、国道411豪から分岐する林道後山線。正確には後山線の起点はここから2kmほど進んだ先にあるんだけど、路面はここから100mほどで未舗装に変わる。
 ここも、最近になって通行可能になったという話を聞いて、川乗に行くならついでに走ってみようと思ってやってきた。もっとも、その「通行可能」というのは登山者向けの情報で、車両はここから2kmほど先にあるゲートまでというのは以前と変わらずなのだが、それでもその2kmほどはダートが走れるということと、ここへ来るのももう何年振りか覚えていないくらいなので、久しぶりに行けるところまで走ってみよう。
 (そういえば、だいぶ以前にここに立っていた「林道後山線」の看板、久しぶりに来たら無くなっていた・・・。)
 
 上り坂となる道を進むと、下りとなる国道との高低差が一気に開き、その国道沿いの外灯が、こちらの路面のすぐ脇に見えているのがなんだか楽しい。
 
 ここも、林道起点のゲートが出来る前は何度か来ていた覚えがあって、一度は林道終点から登山道を歩いて三条の湯まで行ったこともあるんだけど、ゲートが出来てからはすっかり訪れなくなってしまっていた。
 
 それでも、久しぶりに来ると道を覆う緑が綺麗で、やっぱりいい林道だなあ。
 
 ああ、いい空だ。8月は結局いちどもツーリングに出られなかったけど、なんだかやっと俺の夏も終わりを迎えられそうな気がする。
 
 それにしても後山線、こんなに綺麗な林道だったか。広葉樹林に囲まれているため、その葉を透かした緑色の空気が周囲を包み、その中をのんびりと走っていくのがとても心地良い。ゲートさえ無ければこの景色の中を終点まで走って行けるんだけどなあ・・・。
 
 そうして国道との分岐から約2.3kmで、後山線の起点に到着。そして見ての通り、この奥に見えるゲートのため、車両で走ることが出来るのはここまでとなる。個々から先の終点までは、あと5kmほどはあるんだけど、まあ仕方ないね。
 
 さて、時間的にもちょうどいい頃合いなので、この変で昼飯にしようと思って周囲を見渡してみると、おお、良さげな場所あるじゃん!
 
 というわけで、本日はここで昼飯といたす!林道で食べる昼飯はいつだって楽しいけど、沢沿いの場所を見付けられたときは特に嬉しいんだよなー。
 
 真夏のそれよりは幾分和らいだ日差しを浴びて輝く緑の下で、水の流れを眺めながらしばしの休憩。うーん、最高だ・・・。
 
 さて、腹も満たされたし、そろそろ次の目的地へ向かうとしよう。それにしてもこの後山線、これだけ緑が綺麗なら、秋の紅葉の頃も期待できるかもしれない。秋になったらまた川乗と併せて来てみようかな。
 
2へ続く。