2022年林道納め
2022/12/29 埼玉県秩父市方面の林道-@
 
 今年も残すところあと僅かとなり、林道の年内走り納めに行こうと思ったのだが、さてどこへ行こう?ここのところ年末年始によく走りに行っていた五日市や奥多摩方面は、つい最近も行ったばかりだし、そこそこダートを走れそうな近場の林道は、相変わらず復旧もままならない状態が続いている。
 でも、考えてみれば今年は埼玉の林道はほとんど走っていなかったなあ。県の農林振興センターなどが公式に情報を出している林道以外で、どこか走れそうなマイナー林道を、様子見がてら久しぶりに訪れてみるのもいいかもしれない。林道復旧の願掛けの意味も込めて、今日は秩父方面へ向かってみることにした。
 
 まず最初にやって来たのは、吉田久長地区にある林道諏訪の入支線。だが、起点まで来ると、以前はここに立っていた起点標識がなくなっていることに気づいた。
 
 

 
 これは、以前来た時に撮った起点標識の写真だ。パッと見てこの違和感に気づくかもしれないが、路線名として書かれた「諏訪の入支線」の「」の字と、このタイプの標識の路線名を表記するためのフォーマットとしてあらかじめ書かれた「」の字が被って、「諏訪の入支線線」となっていた。ここはぶっちゃけ、ダートを走ることよりも、この標識を見たいがためにここにやって来たのだが、標識の喪失という残念な結果を見ることとなってしまった。
 ただ、せっかく来たので林道も走って行こうと思ってこの先を進んでみると、以前は最奥まで行けた道が、起点から200mほどの地点でその先が私有地だという看板が立ち、それ以上進めなくなっていた。だから標識も撤去してしまったのか・・・?とりあえずこの道はもう立ち入らない方がいいかもしれない。
 
 次の林道へ向かう途中、その少し手前にある吉田椋神社に立ち寄り、お犬様にご挨拶。こちらのお犬様、体温まで感じられるような生命感のある造形がとても素晴らしいと思っている。
 
 埼玉の林道の復旧が早く進みますように!
 って、お犬様にお願いすることではないかもしれないけど。
 
 つづいてやって来たのは林道粟野山線。ここは今年の2月にも訪れているが、こんなすっきりと晴れた日には立ち寄らないわけにはいくまい!
 
 起点脇にある木製の標識は、何度か倒れてしまったのか上部が欠けて、電柱を支えるワイヤーにもたれ掛かるように立っていた。表面もだいぶぼろぼろになり、「粟」の字はすでに判別不能。もう満身創痍じゃねぇか・・・。だから木製はダメだって。石碑を建てろ!(?)
 
 ダート区間に入ると、閉まった路面は相変わらずだが、路上には車両が行き来した痕跡がくっきりと残っていた。
 
 この先の終点手前にはみかん農園があるけど、この痕跡はそこへの行き来だけではない気がする。この先どこかで作業でもしているのかな?
 
 と思っていたら、ああ、なるほどこれかあ。
 
 道沿いに新しい作業道が作られ、木材の伐採が行われている最中だった。ちなみに今日も作業をしていたらしく、戻るときにはこの入口に重機が停まっていた。
 
 そして起点から約2km地点、いつもの展望地点に到着。ここから見える、空の青に溶け込んだ山々の淡いグラデーションは、この季節に見るとやはり格別だ。
 
 そして、せっかく久しぶりに来たので終点まで行ってみるかと思って先へ進むと、起点から約2.8km地点で路面がアスファルトに変わった。その表面はまだ真新しく黒光りをしていて、つい最近舗装されたばかりのようだ。
 
 ああっ!ここはいつも飯にしていた場所!ここも舗装化されてしまったかあ・・・。
 そして、結局この後は終点まで舗装路が続いていた。以前から400mほど舗装区間が延長されてしまったようだ。
 
 ここもいずれ全線舗装化されてしまうのだろうか。あの展望地点まで舗装されてしまったら、もうここに来ることはなくなってしまいそう・・・。
 
 粟野山線を後にして、続いてやってきたのは作業道田の入線
 
 ひとつ上の写真でも、BAJAの右側にこの起点標識が立っているのが分かると思うけど、どこにこの道の入り口があるの?って思ったかもしれない。
 
 実はここがその入口、というか入口だった場所なんだよね。
 
 以前来た時もだいぶ廃れてはいたものの、まだ道としての痕跡は保っていて、途中までBAJAで入ったりもしたんだけど、今回はもはや徒歩でも立ち入ることを躊躇するほどに激薮と化していた・・・。でも、起点標識が残っているのを見れただけでも良かったかな。さ、次行くぞ!
 
 続いては林道大波見入線。ここはこの季節に来るとちょっと印象的な景色があったので、通れるかどうかの確認も含め行ってみよう。
 
 起点から300mほどでダートに変わるのは以前から変わらず。
 
 ただ、路面の轍が抉れ始めているように見える。憶えていないけど、これも前からかなあ?
 
 序盤はいかにもマイナー林道といった風情の杉林の中を進んでいく。
 
 そして、薄暗い杉林を抜けてくると、明るい日差しを浴びて、山側に生える木々が道に迫るように枝を伸ばし、路上はその落ち葉が一面を覆っている地点に出る。この景色がなぜかとても印象に残っていて、こんなマイナー林道だけど、冬になるとわりとよく思い出す景色なのだ。
 
 そして、起点から約1kmでの行き止まりも以前から全く変わらず。
 
 戻りがてらもう1枚。ここ、落ち葉に覆われていて見えないけど、たしか山側の路肩に側溝が開いてるんだよな。こんなところに来る人もそうはいないだろうけど、来るときは気を付けてね。
 
 続いては林道長合沢線。この起点の脇に建つ建物はディアレットフィールド醸造所といい、蜂蜜100%のお酒を醸造しているのだそうで、俺も以前テレビで観たことがある。そしてその施設は、廃校となった倉尾中学校の建物を改装したものだ。
 
 そして、中学校が廃校となった今も、その手前に架かる橋の名は「中学校橋」だ。かつてここで学んだ子供たちがいたことを、いつまでも伝え続けるだろう。
 
 その橋の下にはコンクリート製の構造物が見える。あれは魚道かな?
 
 さっそく林道を進んでいく。林道内の様子に特に変化は無いが、この当たりのストレートとか、以前来た時に凍結に難儀したなあ(笑)。
 
 そして特に問題も無く、約800m先の終点に到着。
 
 しかし、今日ここに来た本当の目的はこの先にある。車道の終点となるこの地点から少し先に進むと・・・。
 
 1本の木橋が掛かっている。久しぶりにこの橋を見たかったというのが、今日この林道に来た理由だ。
 
 もともと車両用ではなく歩道としての橋だったと思われるが、以前、といってももう9年も前になるのだが、その時はまだここまで風化が進んではおらず、辛うじて歩いて渡ることはできたのだが、いま見ているこの姿は、足を乗せた途端に橋もろとも沢に転落してしまいそうだ・・・。
 ちなみに9年前に撮った写真がこちらだが、こうして見ると全然印象が違うな。これなら歩いて渡ったというのも分かってもらえるだろう・・・。
 
 横から見るとこんな感じ。橋脚も、単なる丸太をコンクリートの基礎の上に乗せているだけなのね・・・。ここからだと橋桁を構成する丸太の隙間もいかにスカスカなのがよく分かるだろう・・・。
 
 この橋、東京電力の鉄塔巡視路のためのもののようなのだが、まさかこれで現役ではないよね?別な場所に新しい順路でもできているのだろうか?
 
 とりあえず見たかったものは見れたので引き返そう。いまは辛うじて架かっているこの橋も、さすがにあと10年もしたらもう落橋しているかもしれないな・・・。
 
Aへ続く。