冬季閉鎖明けの金ヶ岳線
2024/04/28-② 山梨県北杜市・林道金ヶ岳線~山梨市・林道乾徳山線
 
①はこちら。
 
 樫山小森川線を抜けてきた。ここからクリスタルラインを通って山梨市方面へ戻っていこう。それにしてもこの辺りはどこを切り取ってもいい景色だなあ。
 
 晴れた日のクリスタルラインはのんびり走るのが気持ちいいんだよなあ。この先で昼飯にしたい場所もあるので楽しみだ。
 
 って、あれ?ここって、金ヶ岳線の出口だよなあ?・・・た、確かによく考えてみれば位置的にはここを通過していくのか。ってか、以前もここは通過してるはずなのに、気づいていなかったのか俺・・・。
 
 (そういえば、この手前でオフ車のライダーに、「この辺にダートありますか?」って聞かれて、いま抜けてきた樫山小森川線から奥山線、金ヶ岳線に向けての道を教えてきたばかりなんだが、こっちを教えたほうが分かりやすかったな、まあ俺自身が気づいていなかったんだけど・・・笑)
 
 今日は奥山線との分岐からここまでの区間は走ってなかったし、今日は別に急ぐわけでもないし、せっかくだからここから金ヶ岳線の残りの区間も走っていくか。まあ、それほど見どころのある区間ではなかったと記憶してるけど(だからさっきは端折ったわけだが・・・)。
 
 いやいやいや、ちょっと待ってちょっと待って!?
 
 こちらも斜面が伐採されたようで、とんでもなく視界が開けた爽快な景色が広がっているんだが!
 
 そんな景色を目の当たりにしても、とりあえず残りの区間を潰そうと、一旦謎の石仏区間まで戻ってきたが、さっきの伐採地点が気になって気になって、もういてもたってもいられない・・・。
 
 というわけで、伐採された地点まで戻ってきた。
 
 結局ここが、今現在の金ヶ岳線の中で一番の展望区間となっているようだ。こ、ここをスルーしたままクリスタルラインを戻ろうとしてたのか俺は!マジでありえない失態を犯すところだった、気づいてよかった・・・。
 
 緩やかに駆け上がる道の外が広範囲で伐採され、その広々とした空間の向こうに、青白く連なる八ヶ岳の山々の姿を見晴らす。こんなに素晴らしい景色が見られることを全く想像もしていなかったので、そのあまりの感動に俺はいま震えが止まらないッ!
 
 ・・・あまりに良すぎて戻ってきちゃった(笑)。
 
 で、本当はクリスタルラインを進んだ先のとある場所で昼飯にしようと思ってたんだけど、初めて見るこんなに素晴らしい景色を見てしまっては、もうここで飯にするしかないだろう!いっただっきまーす!
 
 例えばこの金ヶ岳線の中でも、この林道を知るきっかけとなったかつての展望区間のように、時間の経過とともに木々が成長してしまい、見晴らしの良かった景色が隠されてしまうということは良くあるが、今回は伐採によって、今まで気にも留めていなかった地点が最高の展望区間になったという、嬉しい変化を目の当たりにすることとなった。
 
 Xでのつぶやきにいただいたリプによると、この金ヶ岳線の伐採がここまで進んだのは、どうやらここ1年以内のことらしい。この手前で分岐する奥山線も含めて、景色を楽しみながら走るなら今が旬と言えるだろう。特に、緑が生い茂る前の空間的な広がりを感じられる今の時期は個人的にもお勧めなシーズンだ。
 
 というわけで、飯も済ませて絶景も堪能したことで、今度こそクリスタルラインを辿っていこう。
 
 さてここは、クリスタルラインの御岳林道から荒川林道に入ってすぐの橋の上。ここから見えているもの、それは・・・。
 
 そう、鋼製スリットダムだ!先ほど、クリスタルラインの途中で昼飯にしようと思っていたと言ったが、それがこの場所だ。これを見たいがためにクリスタルラインを辿ってきたと言っても過言ではない!
 ここは橋の脇から川面に降りられるので、この砂防堰堤をじっくりと堪能していこう。
 
 鋼製スリットのある堤体の前には、さらに丸石を埋め込んだ構造があり、その上を水が轟音とともに勢いよく流れている。
 
 以前は足を踏み入れていなかった地点まで来てみると、堤体の前には滝つぼのように水が溜まり、その手前には砂浜のようになっている場所があった。うわあ、この砂浜の上で飯にするのも良かったかなあー。でも今日は後から、川面に何かを探しているようなジモティっぽいおじさんが来たり、他のライダーも写真を撮りに降りてきたりして、こんな場所にしてはずいぶんにぎやか(?)になってしまったので、結果的に金ヶ岳線で飯を済ませてきて良かったかもしれない。
 
 ちなみに、このスリットダムは鋼製砂防構造物データベースには未記載だが、現在鋭意調査中とのことで、いずれこの物件も記載されるのではないかと思う
 
 鋼製スリットダムを後にして、さらにクリスタルラインを進んでいく。
 
 今日も金峰山の五丈岩がはっきりと見えているぜ!
 
 初めてクリスタルラインを走ったときは、今日とは逆方向に金ヶ岳線に向かって走っていったのだが、その日はあいにくの曇り空で、苦行とも思える様などんよりとした景色の中を黙々と走っていったことをいまでもよく覚えているが、晴れてさえいれば本当に気持ちのいい道なんだよな。
 
 クリスタルラインをさらに進んでいくと、道の脇にまといリスの看板を見つけた。「山火事に注意しましょう」から始まる注意文の右側にリスを配したこのレイアウトのものは、これまでも数パターンを見たことがあるが、このリスのイラスト自体は見たことがあるようなないような・・・。
 
 そう思いながら、念のため写真に撮って帰宅後に確認したら、まといリス図鑑に未記載の亜種だった!これは嬉しい!久々の発見にテンション上がったわ!後ほど図鑑に記載しておきます!
 
 そんなクリスタルラインを抜けて国道140号に入り、続いての目的地、林道乾徳山線への分岐までやって来たが・・・。
 
 道の脇には「大平方面通行止」の看板が立っている・・・。乾徳山線は、去年来たときに台風災害で通行止めとなっていたのだが、今日は事前に山梨県のサイトで確認したところ、とくに規制の情報は載っていなかったのでやって来たのだが、うーん、まだダメなのか?
 そう思っていると、たまたまこの奥からオフ車のライダーが降りてきたので、引き留めて話を聞くと、どうやら林道まで問題なく進めるらしい。しかも、「支線を合わせて往復で50kmくらい走ってきましたよ!」とのこと・・・えええ?もしかして、黒金山登山口ゲートの奥まで行ってきたってこと?
 話を聞くと、たまたまゲートのところにいた山菜を撮りに来た人(林道関係者だろうか?)に、「今日は工事やってないから入っても大丈夫だよ」と言われたそうで、それで北側の遊歩道の手前辺りまで往復してきたとのことだった。な、なんと羨ましい話だ・・・!俺もそんな人に「いいよ❤」なんて言われたらそりゃ入ってしまいたいところだが、今から行ってももういないだろうなあその人・・・。
 
 ともかく、黒金山登山口ゲートまで行けるとなれば、そこまでは進んでいこう。ここは去年ゲート閉鎖されていた地点だが、今日はそのゲートも退けられ問題なく通過できる。
 
 その先で、まだ造られたばかりのような、前面をウッドパネルで覆われた谷止工を見つけた。
 
 初め、擬木かとも思ったけど、どうやら天然木のようだ。こういうのって、水が染みたりで痛んだりはしないのだろうか?特に土に接している部分なんて痛みが早そうだが、まあ大丈夫なようにしてあんのかな・・・?
 
 林道に向けて一気に標高を上げていく。いつも富士山を見晴らすこの地点では、この時間になって空気が霞んできたのか、雲に囲まれた富士山が白んだ空に溶け込むように聳えていた。
 
 そんな景色を見つつ、林道乾徳山(南)線の起点に到着。
 
 金ヶ岳線にいた頃に比べて雲が多くなってきてはいるが、日差しを遮るようなものではなく、木々の隙間から落ちる日差しが心地よい。
 
 空が広がる直線区間に入ったが、この右側の斜面には、大規模なメガソーラーが広がっている。景色としてはあまり好ましいものではないが、道沿いの木々が育ってきて、ちょうどいい目隠しになってきていた。
 
 今日は日曜で休工中のようだったが、ところどころで伐採が行われ、部分的に向かいの山を見られる場所が出来ていた。
 
 ・・・と思ったら、日曜にも関わらず作業をしているようで、普段なら向かいの山々を見渡せる高台の場所に、伐り出した材木が積み上げられている真っ最中だった。休日にお疲れ様です・・・。
 
 斜面が吹付のコンクリートで覆われた地点があった。もしかして、ここが去年の通行止めの原因になった場所かな。
 
 午後となり日も傾き始め、薄っすらと雲の広がる空から柔らかな日差しが降り注ぐ。この辺りでは木々の芽吹きもまだまだのようだが、この季節特有の空気感も好きなんだ。
 
 道の脇を沢が流れるこの地点も、道と並行する水面をはっきりと見られるのもこの時期ならではだ。
 
 カラマツ林に囲まれたストレートに来た。ゲートの行き止まり地点まではあと少しだ。
 
 ゲート前の広場に到着。雲は増えてきているが、青空に浮かぶ日差しを遮らないこういう雲は大好物だ。
 
 そして、先ほど国道分岐のところで出会ったライダーは、このゲートの奥を堪能してきたのか・・・。この時間、周りには誰もいないが、途中で何台か下っていく車とすれ違ったし、そのライダーが会った人はその中にいたんだろうなあ・・・。
 
 ああ、羨ましい・・・俺もそんなタイミングに出くわしてみたいもんだ(笑)。
 
 というわけで、誰もいないのをいいことに一人で延々とBAJAの撮影会をしておりましたとさ(笑)。
 
 乾徳山線をここまで来るのは2年半くらいぶりだったけど、拍子抜けするくらい何も変わってなかったな。さて、今年の俺の5月連休はカレンダー通りだし、次は埼玉県内のとある物件でも巡ってくるかな。