冬の奥多摩
2021/02/07 東京都奥多摩町の林道-A
 
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 日原街道を引き返し、まだ時間もあるからと、戻りがてらいくつか林道に立ち寄ってみることにした。
 続いてやってきたのは、鳩ノ巣駅の脇を進んだ先にある林道西川線
 
 この林道に来るのもずいぶんと久しぶりで、過去の記録を見ると、なんと2005年以来となるようだ・・・。
 
 本当にそんなに長いあいだ来てなかったのかなあ?なんか忘れてるだけのような気もしなくも無いが・・・。まあ、来なかった理由と言うのも、以前は奥多摩でももっと気軽に走れる林道はあって、この西川線は起点付近のこの辺りはともかく、この先では特に景色の良い地点もないので、積極的に走りに来ようと言う気にならなかった、ということはあったかもしれない。
 
 まあ、それはともかく、フラットな未舗装路を先へと進むと、途中1箇所だけ路肩にほんの僅か雪の残る地点があった。ここはそれほど標高は高くない印象だったので、日影とはいえ、ここに雪があることが少し意外に感じられた。
 
 というか、戻りがてらついでに走れればいいかな、くらいな軽い気持ちで来たこの西川線、走るのがとても楽しい・・・。これは自分でも意外な気持ちだったが、路面がフラットで走り易い線形であることも理由のひとつだろうし、この時期になんの不安もなく走れるありがたさを感じたこともあるかもしれない。とにかく、不思議なくらいに走りながら気持ちが上って行くのを感じた。
 
 そんな道を進んでくると、道は途中で下りに転じ、起点から約4km弱の地点で開設工事中のために通行止めとなった。
 
 そういえば、以前来たときはこんな下りの区間なんて記憶に無かったし、(写真は撮り損ねたが)途中にはかつての終点と思わしき少し広くなった地点もあったなあ。すっかり忘れていたような林道だったけど、ちゃんと現役の林道として延伸されてるなんて、ちょっと嬉しくなった。
 
 さて、この先がどんな情況なのか気になるので、ちょっと歩いて進んでみましょうかね。BAJA君、ちょっとそこで待てってね。
 
 重機が停めてある地点までは、ガードレールなども設置されほぼ完成しているようだったが、その先には今現在開削の真っ最中といった道があと少しだけ延びていた。
 
 行き止まりの地点まで来ると、今回の工期ではこの地点までの開設で終わる様子だったが、いずれはこの先にも道を延ばしていくつもりなのだろうか。やがてはどこかに抜けさせる計画もあったり・・・なんて考えると、ちょっと楽しくなっちゃうね。
 
 続いては、国道411号の川井の信号から分岐して最奥まで進んだ地点にある林道大丹波線にやってきた。
 
 ・・・が、現在は災害復旧工事を行っているとのことで通行止めとなっていた。ただ、工期は今月の下旬までの予定となっていたので、またすぐに通れるようにはなるだろう。
 
 大丹波線から引き返しがてら、あまり期待はしていなかったが林道真名井線にも立ち寄ってみた。すると、以前台風19号の後で来たときにあったバリケードは既に撤去され、進入を制限する看板の類なども設置されてはいなかった。
 
 そのまま進んでくると、路肩には「通行注意」の看板が。つまり、「通行は可能」ってことか。
 
 よし、これで心置きなく進んでいけるぜ。
 
 この地点、写真では分かりづらいかも知れないけど、下にいま上って来た道が見えるのが好きなんだよね。
 
 そこを過ぎてさらに標高を上げて行くと、やがて周囲の視界が開けてくる。真名井線はこの景色が良いんだよなあ。
 
 午前中は雲ひとつなくすっきりと晴れ渡っていたんだけど、午後になって少し雲が多くなってきたかな。でも、なぜか今はこの雰囲気も悪くない気がしてる。
 
 とても静かだ・・・聞こえるのはBAJAのエンジン音だけ。
 
 陽の陰った冬枯れた山の景色が、この静かな空気と相まってとても穏やかな空間を生み出している。こういう雰囲気を感じられるのが冬の林道の良さだよなあ。
 
 そう・・・路面凍結さえなければね!
 この真名井線、途中から断続的に舗装区間が現れるのだが、そのコンクリート舗装の地点に凍結部分があった。ただ、ここはその凍結も斑だったので、合間を縫うように通り抜けてきたのだが・・・。
 
 そのすぐ先で、こんどは路面一面を凍結で覆われていた。改めて見ると、左側の側溝の蓋の上にワンチャンあるように見えなくもないが、その奥が斜面から崩れてきた土砂で遮られていて、結局あそこでアウトになりそうな雰囲気がプンプンしてる・・・。
 
 パノラマで全体を見るとこんな感じ。またしても終点に辿り着くことは叶わなかったか。ただ、今日はそれでもあまり残念という感じはなく、むしろ楽しかった思いのほうが強かった。やはり久しぶりに冬の奥多摩の林道を走れたことそのものが嬉しかったからかな。
 
 さて、それじゃそろそろ引き返そうか。でも、ちょっと小腹も空いてきたからどこかでおやつに・・・と思ったら、おお、ちょうど良い場所を発見(笑)。
 
 というわけで、今日は最後にここでコーヒーを飲んで帰ろう。
 
 向かいの山の稜線の上に立つ送電鉄塔を見ながらのコーヒーは格別だぜ。ってか、鉄塔のせいかはしらんが、今日のコーヒーはやたら美味く感じるな。物音ひとつしない中、大空と白い雲と鉄塔を眺めているこの時間がなんとも言えず贅沢なものに感じた。
 
 さあ、それじゃ本当に帰ろう。
 
 今日は路面凍結で行く手を遮られたりもしたけれど、全体的にはポジティブな気持ちに満たされた、いいツーリングだったな。今日巡った奥多摩の林道は、また春になった頃にでも改めて来てみよう。新緑に包まれた山々は、今日とはまた違った表情で俺とBAJAを迎えてくれるだろう。