三峯神社 - PageB - 奥宮
 
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三峯神社 奥宮
 
 標高1,329m、妙法ヶ岳山頂に祀られた三峯神社奥宮です。
 
 祠手前に1対のお犬さまが置かれています。向かって右手のこちらが阿形。全体的な質感からも、わりと新し目のもののように見えます。
 
 向かって左手のこちらが吽形。どちらもふっくらと丸みを帯びた体形が特徴的ですが、睨みを効かせた表情のせいもあって、体形の印象をかき消すほどの凛々しさを感じさせます。その目元は、眼球を白く塗られ、瞳を黒く描かれているのが特徴です。
 
 そして、祠の右手には古びた石碑が立ち、その袂にたくさんの小さなお犬さま像が置かれています。こちらのお犬さまたちは、祠の前の物よりもずっと古くからいるようで、表面には地衣類の痕跡が見られ、部分的な欠損が見られるものもあります。
 
 こちらは石碑の台座上段に置かれた一番大きなお犬さま。お顔の造形は口吻の先に向けてすぼまって尖ったかたちとなっていて、切れ長の目元とも相まって、神獣としての威厳を感じさせるような造形となっていますが、阿吽の明確な差は無いように見えます。台座の足を掛けている突起部分にはそれぞれ「奉」「納」の文字が刻まれています。脇腹にはしっかりとあばらの表現が入っているのが見えます。
 
 こちらは台座下段に置かれた4体。両脇の2体はどちらも顔が欠けていて、どのような造形だったのかは判別が付きませんが、中央の2体は、上段のお犬さまのデザインを踏襲したもののようです。
 
 そして、これらのお犬さまには、毛並みを表したものでしょうか、体表に細かな筋の造形が見られます。それはこの一番小さなお犬さまにもしっかりと施されていて、つい見惚れてしまいます。
 
  こちらは、石碑の両側に置かれたお犬さま。左右それぞれでデザインは異なっているようで、左手のものは、手前上段のお犬さまと同様の顔つきに見えますが、脚が欠損していて石碑の台座にもたれかかるように立てられています。右手のものは、リアルなオオカミとしての造形を意識したもののようですが、表面は風化が進み、全体的にディテールが曖昧になり、左前脚が欠けてしまっています。
 
 石碑の後ろには、もう一つ古い石碑があり、その手前にもう1対のお犬さまが置かれています。こちらも相当に古いもののようでやはり風化が著しく、全体的にディテールがぼやけてしまっていますが、それでもリアルな狼の姿を意識した造形が成されていたであろうことは覗えます。
 
  その小さな石碑の背後には、オオカミではない狛犬が1対置かれています。左側の狛犬の顔部分はかけて足元に置かれていました。
 
  さらに、石碑の一番後ろにもう1体の像がありましたが、こちらは上半身がまるごと欠けてしまっていました。元はどのような姿のお犬さまだったのでしょうか・・・。