秋色に染まる路2010
2010/11/03
中津川林道〜川上牧丘林道

 いよいよ11月。今年もぼちぼち各地の紅葉の情報が耳に入って来るようになってきた。
 今日は本当は、ちょうど今頃が紅葉の見頃になっているという、栃木〜福島を結ぶ川俣桧枝岐林道へ行こうと思っていたのだが、前日夜の天気予報を見ると、桧枝岐村は何とみぞれの予報に。朝までに予報が好転することを期待しつつ、栃木へ行く予定の時刻に起床するも、やはり予報は変わらずみぞれのまま。紅葉なんて、青空の下で観てなんぼだと思っているので、そんな天気の中わざわざ出かけていく気も失せてしまい、このまま二度寝してしまおうかとも思ったが、せっかく予定の空いた日に出かけないのはやはり勿体無い。

 というわけで、中津川林道へ急遽予定変更!
 事前の情報で、紅葉の色付きは例年より少し遅めのようだと聞いていたが、中津峡まで来てみると、去年とほぼ同時期だけど、やはりピークにはあと少し掛かるようだ。

 ダートに入る前に、こまどり荘の手前でちょっと休憩。気温はめちゃめちゃ低いわけではないけれど、太陽が完全に山の上に出きっていないので、見た目はちょっと寒々しい景色。

 ダートに入り、早速現れる素掘りのトンネル。写真では全く分からなくなっているけど、坑口の上から沢の水がぽたぽたと滴り落ちていて、そこへ向かって突っ込んでいく。大したことじゃないんだけど、こういうのってちょっと楽しいね。

 やがて、道の周囲は陽に照らされた紅葉に囲まれだした。

 紅葉のピークにはあと少し、とはいえ、やはり温かな色彩に囲まれた道を走っていると、それだけで幸せな気分になって来る。

 自然の季節の変化を感じながら走る喜び。うーん、やはり来て良かった。

 去年も撮影した、橋の手前の地点で。時間が早いせいか、路面にはまだ山の影が落ちている。

 いやー、それにしてもいい天気だ。本当に今頃福島ではみぞれが降っているのだろうか・・・。

 序盤の平坦な区間もそろそろ終盤。この先は、中津川を離れ高度を上げていく。

 木々に囲まれた区間では、葉の色の溶け込んだ柔らかな陽の光が周囲を包み、気温は低いけれど、とても温かな雰囲気。

 この辺りまで来ると、周囲の山肌も鮮やかに色彩を増してきている。

 だいぶ高度を上げて、遠くの山の稜線も見えるようになってきた。

 やっぱり紅葉は青空の下に限るぜ!

 高い空に向かって飛び出していくようなこの開放感、たまりません。

 いつもの展望スポットでパチリ。深い空の蒼が最高に美しい。

 紅葉を背景に、日陰に浮き立つBAJAのシルエットにうっとりです(笑)。

 こちらも毎度ワンパターンですが。ここで写真を撮るなら陽の当たる午前中がおススメです(笑)。

 中津峡辺りの色付きの様子から、もしかしたら上のほうでもまだ葉が残っていたりするのか、と思ったけど、やはりこの辺りまで来ると白樺の葉はみんな落葉している。真っ白な幹が青空に映えます。

 峠直前のゲートです。夜間通行止めの中津川林道だけど、このゲート自体は毎日閉めているわけじゃないって、ホント?

 ようやく三国峠に到着。こんなにいい天気だけど、今日はここまで、思ったほど他のバイクや車を見なかったかな。

 三国峠から奥秩父の山々を望む。

 そして峠を越えて長野に入ると。

 一面、紅葉の落葉松が広がるこの景色。最高です、ここからの眺めは何度見ても飽きません。

 鮮やかな落葉松の中を下り、この後は一気に川上牧丘林道へと向かう。

 キャベツ畑の中を通る道の向こうには、一面を落葉松に包まれた山が。素晴らしい!
 ここで停車すると、畑に残されたキャベツの葉の甘い匂いが鼻をくすぐります。

 はい、一気に川上牧丘林道にやってきました。序盤の白樺が林立する高原っぽい景色も素敵ですね。

 ダート手前の舗装区間だけど、橙色に包まれた景色の美しさはやはり格別。

 そしてダート区間に入ると、未舗装路の表面は全て落葉松の落葉で覆い尽くされるようになる。

 最近、この林道にくると必ず写真を撮る地点で。
 足元を埋め尽くす、鮮やかな橙の絨毯。この時期の川上牧丘の風景は、神がかり的な美しさだと思う。

 あー、なんていうか、神様ありがとう(笑)。

 幹の影が、橙の路面に描き出す鮮やかなストライプ。この情景がたまらなく好きなのです。

 あぁ、なんて素晴らしい秋の色彩。ゆっくりと噛み締めるように、峠へ向けて走っていく。

 ここも毎回写真を撮る地点。去年とほぼ同じ時期だけど、去年のほうが橙が濃かったかな。

 だいぶ高度を上げて、そろそろ峠に近付いてきた。

 最近、以前よりも走りやすくなったような気がしているこの道だけど、峠付近では大きめな石が散らばり、相変わらず荒れた印象。こんな道を、登山客が乗用車で行き来するのをよく見るけど、ここを普通のセダンで通るのはなかなか大変だろうな・・・。

 峠の手前まで来ると、川上村を見下ろせる地点が出てくる。

 遥か遠くまで続く、落葉松に覆われた山々。まるで絵画のような色彩に目を奪われます。

 ようやく大弛峠に到着。相変わらず峠付近では路肩に車が列をなして駐車しているが、峠の駐車スペースで1台分ひょっこりと空いているところを見つけ、贅沢にバイク1台で停車。でも、今日はここで何するでもなく、トイレだけ借りたら即座に来た道を下っていく。

 峠から下りはじめると、股の間から何やら「コンコン・・・」と異音がしているのに気がついた。どうもタンクの辺りから聞こえてくるようだが・・・見てみると、どうやらタンクを固定しているラバーがずれて、固定がゆるくなってしまっているようだ。
 峠から少し下った広場になっている場所で、お昼がてら様子をみようとBAJAを停め、タンクの下から覗きこみ・・・アッチッ!エキパイに顎当てちまったっ!くっそー、なんだかツイてねーなあ・・・。
 と、しょんぼりしながら飯を食っていると、後から来た、オフ車に乗った方が声を掛けてきた。なんでもその方、他にXL250Rパリダカを所有しているらしく、このBAJAを見て、パリダカかと思ったけど何か違う、と思って声を掛けてきたらしい。しげしげとこのBAJAを眺めながら、やたらと「カッコイイ」と褒めてくださるので、ちょっと照れちゃいました(笑)。

 褒められてちょっといい気分になったので(笑)、気を取り直して再び下って行こう。

 復路も素晴らしい景色が続いていく。今年もこの時期に来ることが出来て本当に良かった。

 ダートを下りきり、起点付近まで戻ってきた。葉を落としきった白樺の幹に囲まれたこの景色も、趣があっていいですね。

 この辺りでは珍しく、落葉松の中にもみじが1本紛れている。落葉松一色の中に彩りを添えているこの眺めもなかなか。

 高原野菜の畑の中に伸びる道を快走していく。ああ、こんな天気のいい日に紅葉の相木川上線を走れたら最高だったろうな・・・と思いながら、続いて中津川林道へと戻って行く。

 三国峠を越えて中津川林道を下って行く。時刻はまだお昼を少し過ぎたくらいだけれど、だいぶ日陰の部分も増えてきた。

 往きにも撮影した展望スポットで、もう一度パチリ。

 山肌に落ちる雲の影が素敵なアクセントになってます。

 陽を受けて眩しいくらいに光る秋の葉。日陰の中から望むこのコントラストの美しさは、他の何物にも代え難いものがある。

 陽の光を蓄え、眩しく輝く紅葉は、なんとも気分を落ち着かせる。

 戻り際、大山沢線の起点に立ち寄ってみると、相変わらず通行止めになっているが、道の脇に「工事中」を示す看板が立っている。

 緊急整備工事・・・来年の1月末までと書かれているけど、この工事が終わったら通行規制が解除される・・・なんてことはないんだろうな、多分。

 「SAITAMA−!!」って、コバトンですけど、唐突になんだこの張り紙(笑)?

 そして、大山沢線と言えば、この旧タイプ標識。ふと、以前に飯能で見た鹿戸入線の旧タイプ標識を思い出し、裏面に回り込んでよく観察してみると・・・。

 あ、あった!「岩澤建設塗機部」のシール!この標識の保存状態の良さから、もしかしてと思ったけど、ここにも残っているとは・・・。
 え?それがどうしたって?えっと・・・気にしないでください・・・。

 中津川林道を下りきり、本日のツーリングも終了です。今年は紅葉ツーリングが出来ずに終わるんじゃないかと思ってたけど、終始絶好の天気の中、今年も大弛峠までの往復で鮮やかな紅葉を堪能することが出来て大満足の一日でした。

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 R140を引き返す途中、視界の端で脇道から出ようとする青いバイクが目に入り、(あれっ?)と思いつつも車の流れに乗って通り過ぎてしまったのだが、ミラーで後ろを見ると、その青いバイクが凄い勢いで追いかけてくる・・・。

 やっぱりKYさん@VTR250でした。お久しぶりです。 ちょっと空いた時間で走りに出てきたところだったらしい。なんという偶然!
 最近、1000Fのカウルを装備したというVTR、前回お会いしたときからだいぶ印象の変わったその姿、写真では見ていたけれど、こんなに早く実物にお目に掛かれるとは思いませんでした。 まだ仮組みとのことでしたが、初めから付いてたみたいにバッチリ似合ってましたよ。
 都合が付いたらまたみんなで走りに行きましょうと約束し、偶然の出会いに驚きつつ帰路に着いたのでした。