武州中津川森林鉄道探索 2011/05/03 埼玉県秩父市 中津川林道・他 A |
@はこちら。 |
ガク沢橋を後にし、続いてやって来たのは信濃沢橋。 |
こちらも先程のガク沢橋と同じく昭和35年竣工とある。 |
BAJAを停めて、歩いて進んでいく。この先には、本線から分岐する信濃沢支線が伸びていたのだそうだ。 |
橋の袂から少し進むと砂防ダムがあり、そこを越えるとすぐに石垣が現れる。軌道はこの石垣の上を通っていたようだ。 |
そして、この石垣の地点から対岸を見ると、沢沿いに橋脚のような構造物が見える。 |
更に、その奥の斜面には石垣が見えている。向こう岸から橋を渡して、こちら側のこの石垣の地点へと通じていたのだろうか。 |
石垣の上を進んでいくと、路面が崩れてしまっている地点があった。一応、木の橋が掛けられているが・・・この木橋、すごく柔らかいんですけど。この石垣自体、結構な高さがあるのでちょっと怖い・・・。幸い壁際にトラロープが渡してあるので、ロープを伝いながらうっかり踏みぬかないように慎重に歩いていく。 |
更に行くと、少し広くなった平場に作業小屋が建っている。ただ、見たところそれほど古いものでもなさそうなので、恐らくは車道化後に造られたものなのだろう。 |
その先には、完全に路面が流失してしまっている場所もある。人ひとりがやっと渡れるだけの踏み跡に沿ってトラロープが渡してあるので、ここでもゆっくり慎重に進んでいく。 |
そのまま進んでいくと、進行方向は岩壁に覆われ、道の痕跡が全くなくなっている。どうやらこの辺りの地点で対岸へと渡していたようだ。それでは沢を越えて対岸へと行ってみよう。 |
対岸へ来ると、更に先に踏み跡が続いている。こちら側の木々には、所々でピンクリボンが巻きつけてある。先程のトラロープもそうだが、ここは今でもそれなりに管理の手が入っているようだ。 |
踏み跡を進んでいくと、すぐに平場へと出た。 |
そして、その奥を見ると、落ち葉の間から石垣が顔を覗かせている。 |
その奥へと回り込み、反対側から撮影。一部崩れてしまっているものの、軌道がカーブをしているのが分る。その先で岩壁に行きつき、ここで終点となっていたようだ。 |
役目を終えて久しい石垣は、表面を苔で覆われ、ひっそりと落ち葉の中に身を隠している。 |
この平場に辿り着いた時ははっきりとはわからなかったが、じっくりと辺りを見回してみると、所々に石垣が連なり、だんだんと軌道の痕跡が見えてくるようになる。 |
沢の下流側から上流側を見る。石垣の並びをよくみると、沢に沿って延びていた軌道が、終点に向かって右手にカーブしていたようだ。 (上の画像にカーソルを合わせてください。) |
終点に向けて、軌道跡の上を歩いてみた。 それにしても、事前に色々なサイトで見ていた感じでは、所々で土中からレールが顔を出している場所もあったようなのだが、残念ながら自分が探した限りでは、ここでそれらを見つけることは出来なかった。結構辺りを見回してはみたんだけどな・・・。とりあえずここは引き返すとしよう。 |
先程の沢を渡った地点で、終点側の左岸から撮影。この辺りで渡していたことは間違いないと思うんだけど、橋の痕跡が全くないんだよな・・・。 |
と思っていたが、あとからこの写真(右岸に戻り終点側に向けて撮影)を見ると、「この岩」がだいぶ人工的な形をしているような・・・? (上の画像にカーソルを合わせてください。) |
だいぶ車道寄りの地点まで戻り、先程の謎の橋脚のところまで下りてみた。この辺りならもしかしてレールの1本くらい転がってるんじゃないかと思ったのだが、残念ながらここでもそれらしいものは見つけられなかった。 |
橋脚の手前から撮影。恐らくこのように、左岸の石垣部分から右岸の石垣へ掛けて軌道を渡していたんじゃないかとは思うが・・・? |
とりあえずひとしきり信濃沢支線を探索したつもりで、レールなどは見つけることは出来なかったが、だいぶ時間も経ってしまったことだし、そろそろここを引き挙げようと思い、BAJAのところまで戻ろうとしたところ・・・。 |
・・・え? (上の画像にカーソルを合わせてください。) |
うっ・・・! |
うおおおお!!出た!枕木!しかも犬釘付き!! |
ほら! |
ほらほら!!(もういいって?) |
よくぞ、よくぞ残っていてくれた!石垣や橋脚とはまた違う感動、確実にこの上にレールが延び、トロッコが行き来していたという痕跡・・・林鉄の廃止から既に52年を経て、僅かにこの1ヵ所ながら、こうしてその姿を今に留めているとは、何と素晴らしい!!もう諦めて引き返そうと思っていただけに、本当に嬉しい! |
これで、本日の目的は無事果たすことが出来た。ただ、せっかく中津川まで来たことだし、天気は今一つだけどこのまま帰るのも勿体無いので、三国峠まで走ってくるとしよう。 やがて道は軌道敷き跡を越え、オリジナルの車道区間となり高度を上げていく。 |
とりあえず峠まで行くことを目的にしたので、途中で寄り道もせずにどんどん進んでいく。やがて奥秩父林道との分岐に差し掛かったところ、チェーンゲート前に停車していたジェベルとジムニーの2人連れの人が、こちらに手を振っているのに気付いた。いつものオフ車乗り同士の挨拶だろうと思い、こちらも会釈で返して通り過ぎようとしたところ、更に手振りが大きくなり、何やら言葉を発しているように見えた。もしかして呼び止められてる?と思い、BAJAを停めてシールドを上げると、 「ナノレカワさーん!?」 |
話を聞くとお二方とも、いつもこのサイトを見てくださっているとのことだった。「よく中津川にも来てるみたいだけど・・・」って、ええ、まさに今日がその日でした(笑)。こうして、自分のことを知ってくれている方と林道で出会うなんて、本当になんという偶然!こういうことってそうそうあることじゃないので、声を掛けてもらえてすごく嬉しいです!一緒に記念撮影をし、ついでに自分も1枚撮らせていただきました。って、俺も自分のカメラで一緒に撮ってもらえばよかったな(笑)。 ---05/08追記--- ジェベルのAさんからこのときの写真を送っていただきました。ありがとうございます! |
ジェベルのAさんとパチリ。 |
ジムニーのAさん。普段はXTZ125に乗られているそうですが、この日は息子さんと一緒に車で来たそうです。 お二方とも、またお会いできる日を楽しみにしてますね! |
そんなことがありつつ、一気に三国峠に到着。しかし、だいぶ空模様も怪しくなってきたな。 |
あれ?峠の看板が新しくなってる。確かに以前のは継ぎ足しとかあってみすぼらしい感じになっちゃってたもんなぁ。 |
切り通しを越えて川上村側に出てみたが、やはりこちらもどんよりと重苦しい空模様。 |
確かに天気予報でも、今日は夜には雨が降り出すって言ってたような・・・降られる前にさっさと引き返すとするか。 |
脇の斜面を見ると、まだ少し雪が残っている。いつもより少し多めかな。 |
いつもの展望スポットも、あいにくの曇り空でイマイチな眺め。今日はもう景色は諦めてさっさと戻ろう。 |
さっさと戻ろうと言いつつ、だいぶ腹も減って来たので、奥秩父林道に立ち寄りランチタイム。ここにBAJAを停めて、荷物を持って歩いて橋の向こうのゲートの奥に入って行く。 |
ここ、中津川の本線からすぐの割に、下からは死角になっていて、休憩するのには持って来いなのだ。 で、今日の昼飯はこれ。だいぶ前に、山に行ったら食べようと思って買い込んであったのだが、久しぶりに引っ張り出してみたら賞味期限切れ・・・でも乾物だから問題ナシ! |
飯を済ませて、一気に国道まで下って来た。この後は、帰り際にいくつかの林道を再調査して帰るとしよう。 |
Bへ続く。 |