夏ならここにあるんだぜ!
2011/08/12 埼玉〜長野林道ツーリング・2日目 - @ 林道王城枝垂栗線
 
1日目はこちら。
 
 
 おはようございます。
 現在時刻は5:00AM。周囲のテントはまだ寝静まっているが、さっさと撤収して林道へと走りに行きますよ。
 
 
 サクッと手間を掛けない朝食を取って荷物の片付けに入る。
 
 
 7:00AM、撤収完了!空は今日も文句なしの快晴!今日の一本目も、初走行となる林道へと向かう。すっげー楽しみだ!
 
 
 今日はこれからR299メルヘン街道を下り、諏訪湖の西側まで一気に走って行く。
 
 
 出発から程なく、メルヘン街道最高地点、標高2127mの麦草峠に到着。真夏とはいえまだ早朝のこの時間だと、この辺りまでくるとバイクで走るには少々肌寒いくらいだ。
 
 
 その麦草峠を越えると、道はひたすら下りとなる。青い空に向かって伸びるストレートが気持ち良すぎるぜ!
 
 
 眼下に見えるあの辺りは諏訪市の市街地だろうか。清々しい空気の中で見下ろす絶景はもう最高!
 

 この後は、R299〜R152と走り、更に県16〜県254と走り継いで行く・・・が、県道に入ってからというもの、例によって分岐点を間違えたり、少々道を迷いながら走ることになってしまう。
 
 
 出発から約2時間を要して、ようやく目印のしだれ栗森林公園へと至る道へ到着。こんなに時間を掛ける予定では無かったんだが、まあ仕方ない。
 
 
 そして、程なくして遂にお目当ての林道の入り口を発見!!
 
 
 林道王城枝垂栗線である!あー、やっと着いたぁ、長かった・・・。標識によると、こちら側が終点となるようだ。
 
 
 この林道の途中には、「日本中心の標」なるものがあるそうだ。今日ここに来たのは、初めて走る林道ということに加え、ここを見に行ってみたかったというのもあるのだ。どんな道が待っているのか、早速進んでみよう。
 
 
 終点側から入るとすぐにダートとなるが、路面はしっかりと締まり、昨日走った茂来線や白石線のような流水痕なども全くなく、非常に走りやすい道が続いている。
 
 
 昨日のこともあったので、多少の悪路は覚悟してきたのだが、そんな心配は無用だったようだ。
 
 
 緑を透かした穏やかな光に包まれて、なだらかにアップダウンを繰り返す道を、夏の空気を胸一杯に吸い込みながら進んでいく。いやー、素晴らしい!やっぱり来て良かった!
 
 
 この道は、終始谷側にロープが掛けてあるのだが、どうやらこの辺りでキノコが取れるらしく、このロープによって地主が立ち入りを禁じている。やっぱあれかな、松茸とかも採れたりするのかな?
 
 
 あー、こんな天気のいい日の真夏の林道を走ることが出来て、ホントに嬉しい。
 
 
 お、カーブミラー発見。意味もなく自分撮り(笑)。
 
 
 この辺りは、ちょうど道が稜線に沿って延びているようで、周囲は木々に囲まれてはいるが、その間から射す陽の光を受けながら気持ちよく走ることが出来る。
 
 
 しばらくすると、本線から右手に分岐する道が現れた。どうやらここを進むと日本中心の標があるようだ。
 
 
 分岐から数十m程進んだ地点で、更に後方へと折り返す分岐がある。
 
 
 お、ここを入って行くんだな。早速BAJAをUターンさせて進んでみると。
 
 
 折り返してすぐに道は行き止まりとなった。そしてその一番奥に目的のものが。
 
 
 これが「日本中心の標」です。遂にやって来た、ここが日本のど真ん中なのだ!
 それにしても、もっと普通に林道沿いの目立つところに立っているのかと思っていたけど、わざわざこんな奥まった分岐を作って標を立てているとは思わなかった。どういう方法を採っているのかは分からないが、それだけ正確に座標を取っているんだろう。
 
 
 せっかくなのでBAJAを切り返して記念撮影。いつかはBAJAと、ここから最も遠い日本の端っこにも行ってみたいもんだ。
 
 
 日本中心の標を引き返し、最初の分岐を奥まで進んでいくと、行き止まりの地点に展望台がある。せっかくなのでちょっと登ってみよう。
 
 
 これが日本中心の地からみた景色です。真ん中の山がちょうど平地を隠してしまってはいるが(笑)、標高もそれなりにあるだけあって、素晴らしい眺めが広がっている。
 
 
 恐らくこっちが辰野方面かな。正面の山肌にも道のような線が見えるけど、あれはどこの道だろう。
 
 
 そしてこちらが上の写真の反対側。夏空の下に広がる山々の緑がとても美しい。
 
 
 動画でぐるっと撮影してみたけど・・・なんか変な色が入っちゃった。まあ、雰囲気だけでも味わってください(笑)。
 
 
 その展望台を引き返し、更に起点へと向かって下って行くと、やがて道は舗装路となる。1ヵ所、何故かカーブの地点でダートが残っているが、その脇に石碑が立っている。
 
 
 見ると、「七蔵寺林道開設記念」とある。・・・ここって、王城枝垂栗林道だよなぁ?道の名前が変わったのか?
 石碑の裏を見ると、竣功が昭和47年、延長が7,929mと記されている。延長を見る限り、今の王城枝垂栗林道とは異なっているようだが・・・。
 
 
 ふと、カーブの対面に目をやると、なにやら道らしきものが見える。その脇には、標識でも立っていたと思われるような白いポールが・・・。もしかして、これが七蔵寺林道?さすがにここに入ってみようとは思わなかったが・・・。
 
 
 せっかくここまで来たんだから、起点まで行っておこうと思ってこの舗装路をひたすら下って行くが、結局この後は、起点までずっと舗装路が続くこととなる。
 
 
 ようやく起点に到着。林道の総延長は14.5km程、そのうちダートが8.5km程。舗装路の区間も結構長かったなー。
 さて、起点も確認したので、ここからもう一度王城枝垂栗線を引き返していく。
 
 
 起点側から進んでいくと、ダートの切り替わりの地点に、こんな看板が立っている。
 
 
 「この先、路面悪し

 ううん、全然悪くないよ〜。とってもいいよ〜(笑)。
 
 
 ダートになってしばらく進むと、左手に石碑が立っている。往きにも見かけていたのだが、何が記されているのか、ちょっと足を止めて見てみよう。
 
 
 その石碑には、こう書かれてあった。


古里の どの山からも 雪がくる

 
 石碑の裏に記された文によると、この句は「江ほむら」という大正9年に辰野町に生まれた俳人のものらしいが、これ以上ないくらい簡素な語句のなかに、この地で生まれ、この地で生きてきたからこそ紡ぎだせたような、そんなじんわり沁み入るような深みを感じる。好きだな、この句。ここに立ち寄ってみて良かった。
 
 
 さて、再び日本中心の標への分岐まで戻って来た。さっきはBAJAの写真しか撮っていなかったことに気付いて、せっかくだからと自分の写真も撮りに行くことにした。
 
 
 全ての日本人の中で、果たしてどれだけの人がここを訪れるのだろうか。ふとそんなことを考える山の中であった。
 
 
 日本中心の標を後にして、終点側の標識によれば6km程の残りのダート区間を、噛み締めるように進んでいく。
 
 
 遂に終点まで戻って来た。初走行となる林道王城枝垂栗線、堪能させていただきました!

 この後は諏訪湖方面へと引き返し、次の目的地へと向かう。
 
Aへ続く。