紅葉の奥秩父へ
2011/10/29-A 林道相木川上線・他
 
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 中津川林道を峠まで上り切り、時間はまだ昼少し前だったが、ここのところちょっと忙しいこともあって、体力を温存しておきたかったのと、この後の定番コースである川上牧丘林道が現在通行止めとのことで、今日は中津川を走ったらそこで引き返そうと思っていた。ただ、そろそろ腹も減ってきていたので、三国峠を越えてこの先を下って行くと、確か途中にすぐに行き止まりとなる支線があったはずなので、そこで昼飯を食べてから引き返そうと思い、先へと進むことにした。
 
 
 峠からの舗装路を下り、林道相木川上線の入口まで来てみると、珍しいことに今日はゲートが開いている。こ、これは行くしかねえ!
 
 
 ・・・と思ったが、良く見るとゲートの足元、高さ20cm程の位置にワイヤーが渡してある。何だ、この弱々しい自己主張は・・・。っていうか気付いてよかった。これ、気付かずに突入してたら、下手すりゃスキッドプレートにでも引っ掛けて転倒してたかも知れない。
 
 
 
 そのワイヤーをゆっくりと踏み越え、早速林道へと入ると、初っ端からこの景色!そういえば秋の相木川上線を走るのなんて、もう何年振りになるだろう。ここのカラマツの紅葉(というかこの場合は黄葉か)は本当に見事で、秋になるたびに走りたかったのだが、ここ最近はずっとゲート閉鎖が続いてたからなあ。本当に嬉しいぜ。
 
 
 初めのカラマツの林を抜けると、少しだけ広葉樹林の中を抜けていく区間に出る。普段はゲートで閉鎖されているために、落ち葉は車両に踏まれることもなく路面を覆い尽くしている。
 
 
 更に奥へと進むと、目の前には一面カラマツに覆われた山が姿を現す。同じカラマツでも、川上牧丘とはまた違った景色が見られるこの相木川上線。そうそう、この景色が見たかったんだよ!残念ながら川上牧丘のほうは今現在台風の影響だかで通行止めとなっているようだが、思いがけずこっちを走ることが出来て本当に良かった。・・・さっきまでもう帰るつもりでいたのに(笑)。
 
 
 こうしてバイクを停めて立っていると、吹き抜ける風の音だけが微かに響く中を、針葉樹の落ち葉がさらさらと雪のように舞い落ちていく。本当に綺麗だ・・・。
 
 
 青い空と橙の山肌のコントラストがあまりにも綺麗で、一気に走りぬけてしまうのが勿体無くて、少しペースを落としながらのんびりと進んでいく。
 
 
 このカラマツは、かつて明治時代に建材として利用するために川上村一帯に植林されたという。それが秋になるとこれだけ独特の景観をもたらすことになったのは、思わぬ副産物だったのではないだろうか。
 ちなみに、軽井沢はもとより、東北〜北海道、果ては韓国やヨーロッパに至るカラマツも、実はここ川上村の苗木が元になっているのだそうだ。何気に凄ぇんだな川上村・・・。
 
 
 道の脇にはススキも茂り、これ以上ないくらいに秋の風情を漂わせる。
 
 
 んー、最高だぜ相木川上線。
 
 
 そういえば、所々で土砂が崩れて路面を覆っている地点が何箇所かあった。バイクでなら問題なく通り抜けることは出来るが、4輪での通行は無理そうだ。ここがゲート閉鎖になっていたのは、「松茸山の保護」が理由になっていると思っていたが、こういう路面状況も理由の一つになっていたのかな。
 
 
 落ち葉の路面に落ちる、木々の影が描くストライプ。この季節ならではの景色にまたもウットリ。

 さて、そろそろどこか適当な路肩を見つけて飯にでもしようと思ったが、そういえばこの先を進めば、川上村を見下ろせる眺めのいい場所があったことを思い出し、そこまで行くことにした。
 
 
 到着しました!
 
 
 さあ、さっさと飯にするぞ。あー、腹減ったー!
 
 
 ここからの景色を眺めながらのんびりと麺をすする。下のほうからなにやらカンカンと音がしているが、今日はこの先で伐採でもしているのだろうか。
 
 
 鮮やかなカラマツに囲まれての、実にのんびりとした昼食。あー、ホントここまで来て良かった。
 
 
 飯も済んだし、この先を更に進んで通り抜けすることも考えたが、今来た道の復路の景色も見たかったので、起点へ向けて引き返して行くことにした。
 
 
 ああ、本当に素晴らしい。今年もなんとか紅葉の季節を走ることが出来て良かった。
 
 
 久々の紅葉の相木川上線、堪能させていただきました!最高ッス!!
 
 
 中津川林道まで戻ってきました。あとは一気に下って行きます。
 
 
 今年もありがとう中津川林道。また来年の春に!
 
 
 帰り際、森林科学館に立ち寄ってみると、目立たない場所にひっそりと立つ「森林科学館からお知らせ」なる掲示板に気付いたが、そこに、「林道通行情報」なる表示が。ここから現在通り抜けが出来るのは中津川林道だけか・・・上野大滝線も久々に通ってみたいけど、復旧すんのかな?
 
 
 さて、これで今日は帰るつもりだったが、最後に1か所だけ寄り道をすることに。で、やって来たのは小鹿野町にある林道釜の沢伊豆沢線
 
 
 起点標識も、色付いた柿の実に囲まれて、紅葉とはまた違う秋の風情がいっぱいです。
 さて、今日ここに来た訳は、以前この界隈を探索したときに、この釜の沢伊豆沢線から分岐する支線を一つ取りこぼしていたらしいことに、後になってから気付いたため、その残り1本を潰しに立ち寄ったという次第。
 
 
 起点からしばらく進むと、旧タイプ標識のある林道布沢線がある。ここでも「飛び出す旧タイプ標識」をやろうと思ったのだが、残念ながらピンボケしてしまった・・・。
 それはどうでもいいのだが(笑)、ここからあとほんの少し進むと、目的の林道が分岐するはず。以前取りこぼしたという事は、それほど目立たない分岐なのかと思い、慎重に辺りを見回しながらゆっくりと進んでいくが・・・。
 
 
 ・・・ん、これか?あまりにも怪しい分岐点なので、気付いておきながら一回通り過ぎてしまったのだが、地図上の線形を見てもここで合っているように見える・・・というか、ここくらいしか分岐する箇所もないので、恐らくここなんだろう。
 
 というわけで、ここが林道釜の沢線・・・のはず。

 はず・・・なんだが、この見た目、にわかには信じがたいぞ。
 
 
 ・・・確かに、今までだってこんな廃道同然のような林道を見てこなかったわけではないが、しかし、これはあまりにも・・・。
 
 
 見てみい!入口にだって登山道を指し示す看板が立っとるやないけ!
 
 
 とりあえず、このままBAJAで進入するのはいろんな意味で気が引けるので、まずは歩いて先へと進んでみることにしよう・・・。
 
 
 むむ・・・入っていきなりコレですか・・・。どうみても車道規格には見えないんですけど。
 
 
 もしかして、自動車道としての林道が出来る以前の、牛馬なんかを使っていた古い時代の林道の名残りなのか・・・?
 
 
 入口の看板にもあったとおり、ここから徒歩50分以上も登山道としてこんな道が続いているようだし、明らかに車道としては使われていないようなので、ここはもう引き返すことにしよう。
 
 
 しかし、やはりあの道が林道だということがどうしても認め難く、他にそれらしい道があるんじゃないかと探して進んでいるうちに、結局終点まで来てしまった。

 ・・・これが良くなかった。
 
 
 終点から起点へと引き返す途中での事。上の写真は、とっさに引き起こしてしまった後だけど、このコーナーで突然すっ転びました。BAJAの左側のアスファルト上に、白く引っ掻いた跡が見えるが、あの先端の位置からここまで滑ってきてしまった。
 突然後輪のグリップが無くなり、スーッと横滑りするように倒れ込んだので、一瞬何が起きたのか全く分からなかったのだが、BAJAを起こすために路面に立ちあがると、一見何の変哲もないアスファルトの表面が、オイルが乾いた後のように、濡れてはいないがヌルッとした感触があり、ブーツで立つだけで足の裏がつるつると滑りやすくなっている。しかも、局所的にではなく、この一帯がそのような状態になっていた。もしかしてアスファルトから何か滲み出しているのか?実は、終点に向かっているときにも一度リアが滑ってヒヤッとした思いをしていたので、気を付けてはいたのだが・・・。そんな状態なので、こけた場所を見ても何のスリップ痕なども残っていない。
 とりあえず引き起こしたBAJAを観察し、被害状況を確認すると、右側のフロンとフォークの先っちょとライトガード、ナックルガードとサイドカバー、ミラーの裏の樹脂パーツに微かに擦り傷が付いた程度。そもそも大した速度も出していなかったので、思いっきり滑って来たような感じがした割には、それほど大した被害はなかったのが不幸中の幸いか。
 
 
 結局一番酷かったのがコレ、デニムの右ひざに派手に穴を開けてしまった。幸い二―シンガードをしていたので、身体には傷一つ付かなかったが・・・走るとここから風が入って腿がスースーするんだぜ。
 
 
 クッソー!こんな道、二度と来ねぇよ!!

 というわけで、微妙に冴えない終わり方だけど、今年の紅葉ツーリングの模様をお送りしました。あとはもう少し経ったら近場の林道でも紅葉が見られるといいかな。