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えー・・・今日はうっかりカメラの感度を何故かISO1600に設定したまま撮影してしまいました。以前も同じことをしたことがありましたが、今日はとうとう最後まで気付くことなく終わりました(笑)。初めて行った林道だったのに、最悪でござるよケンイチ氏・・・。なので当レポは、少々薄らぼやけたお見苦しい画像でお送りすることになることを予めご了承ください・・・。
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分かってはいたことだが、梅雨時の天気予報ってのは本当にあてにならないもんだな。つい昨日まで、今日の予報はお陽様のマークも付いたそこそこいい天気になるってハナシだったのに、朝起きって見ると空はどんよりとした重苦しい雲に覆われている。天気予報も一日曇りに変わってるし・・・。まあ、雨さえ降らなきゃいいやと思って秩父へ向けて車を走らせるが、進む先の奥秩父の山々は、天辺をすっかり雲に覆われ稜線が霞んでしまっている。本当はもっと先の目的地まで行くつもりで出て来たのだが、あの空を見ていたらそんな気持ちも萎えてきてしまい、今日秩父まで来たもう一つの目的だけ済ませて帰ろうか、とすら思い始めた。だけど、せっかくここまで来たんだし、目的地を変えて軽く走って行こうかと思いなおし、R140から大血川地区へと向かう道へ進みだした。
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林道大血川線の起点を越え、フィッシングセンターを少し過ぎた地点で分岐する道。
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東京大学秩父演習林林道、東谷林道だ。ここは通年ゲートで閉鎖され、もちろんオートバイで入って行くことは出来ない。でも、ゲートの前に何か見えてますね・・・?
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はい、今日も自転車を持ってやって来ました。先日、まあもさんのレポで見て以来、もうこの奥が気になって仕方なかったのだ。それでも今日ここへ来ることは予定外のことだったのだが、来たからにはきっちりと終点まで登り、更にはこの奥で分岐するという要倉沢林道も合わせて見てくるとしよう。
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さあ、初めて通るこの東谷林道、いったいどんな道が待っているだろうか。
・・・とりあえず言えることは、いきなり急勾配な坂道が続いているということだが・・・。
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道は終始、沢に寄り添うように延びている。静かな山の中に響く、沢の水の流れていく音が耳に心地良い。
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ふと道の脇に、小さな看板が立っているのに気付いたが・・・。
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え!ここって電話通じるの!?と思ってスマホを見てみたら、本当に電波入ってるよ。R140沿いでも入らないところがあるっていうのに。やっぱり大学の管理地内ってことで整備が行き届いてるんだろうな。
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この林道、常に道の脇に沿う渓谷の景色がとても印象的だ。先日走った奥秩父林道も素晴らしい景色だったが、この渓流沿いの景色は、それともまた違った良さがある。今日は生憎こんな空模様だが、真夏の晴れた日にでも来たらかなり気持ち良さそうだ。
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そしてこの東谷林道の路面だが、コンクリートで舗装された区間がたびたび現れる。つまり、それだけ急勾配の区間が多いということに他ならない。先日の奥秩父林道が終始フラットで楽々進んで行けたのに比べ、今日は初っ端から自転車を押しての登りが続き、早くも全身汗だくですよ・・・。
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東橋という名の橋を渡ると、そこから右手に斜面を流れ落ちる細い滝が見えたので写真を撮ってみたのだが・・・。
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・・・うーん、写真にしてみたら何だかサッパリだな(笑)。
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そのすぐ先で印象的な切り通しがあったので振り返って撮影。背後には真っ白に霞んだ空が・・・。
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再び道の脇に看板が立っている。一つは先ほどと同じ携帯の電波を示すものだが、もう一つは道の進路を示している。
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今いる林道から右手に逸れるように延びるのは、ケンカ平歩道というようだ。なるほど、まあもさんはここから歩道に入って行ったんだな。だが、ナノレカワとしてはこのまま林道を進みます(笑)。俺もいずれはこっちも行ってみたいが。
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ほぼ徒歩の登坂を続けてヘロヘロの身体を、道の脇の渓谷に癒されながらチビチビと進む。この沢沿いで昼飯にでもすればさぞ美味いだろうが、まだそんな時間じゃないんだよね。
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深い森に囲まれた、本当に綺麗な景色だ。ここは晴れた日に訪れて、改めてこの景色を観てみたいな。
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空には真っ白な雲が低く垂れこめ、進む先の山々に纏わりついてその姿を覆い隠そうとしている。もはや今すぐに降り出してもおかしくなさそうな空だが、そんな中でも気持ちのテンションを維持できるのは、ここが初めて通る林道だということに他ならない。
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少しフラットな区間に来たかと思ったが、またすぐ先にコンクリート舗装の急坂が・・・頑張れ俺(笑)。
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水の透明度はこれ以上無い程に高く、まさに清流という言葉がぴったりの流れに思わず目を奪われる。
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ああ、改めて眩しい陽射しの中でこの景色を観てみたい。
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や、やっとコンクリ舗装の激坂を登りきったぞ!当然自転車は押してきたんだけど(笑)、それでもキツイ!
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この先はちょっとだけ勾配が緩く見えるが、どうせあのカーブの先はまたずっと登りなんだろうな(笑)。
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源兵衛橋という名の橋に来ると、その橋の上にバリケードが立ててあるが、そこには何やら張り紙が。
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「橋梁老朽化」・・・。実は起点のゲートにもこの橋から先は通行止めという張り紙はあったのだが、こういうことだったのか。ま、まあ人ひとり+自転車1台くらい通っても大丈夫だろ・・・。
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源兵衛橋の先で、切り通した岩の間をコンクリ舗装の道が延びていく。
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その切り通しの手前には、苔生した岩が横たわっている。渓谷の景色も素敵だが、こういった苔に覆われて視界一面が緑に覆われた景色も凄くイイ!
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道を覆う眩しい緑はどこまでも鮮やかだが、その先の空は時が経つにつれてその霞の度合いを増していく。今日はもう少し良い天気になると期待していたんだけどな。
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ん?こんなところに分岐が?まさかこれが要倉沢林道?
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だが、この道は石垣の坂を登ってすぐに途切れてしまっている。どうやら植林地へのためのアクセス路のようだ。
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その坂を登りきったところに、2枚の看板が立っている。そのうち一つは植栽地について記したものだが、その植栽年度は大正2年と書かれている。西暦でいうと1913年、今からちょうど100年も前のことだ。東京大学秩父演習林が発行した『科学の森たんけん4 秩父演習林の歴史』によると、秩父演習林としての創設は大正5年のことらしいが、それに先駆けて植栽された、演習林の歴史の中でも最初期のものなのだろう。
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おお!作業用のモノレールだ!いいなあ、これ一度乗ってみたいんだよなあ(笑)。レールはここから下っているようだが、一体どこへ続いているんだろうと進む先を見てみると・・・。
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橋だ!レールが橋を渡って沢を跨いでいる!しかもどうやらレール専用だ。作業用モノレール線用ガーダー橋か・・・これはアツい!このときはこの写真だけ撮ってそのまま先へと進んでしまったのだが、どうせならあそこまで下ってもっと良く見てくればよかったと軽く後悔・・・(笑)。
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更に登りは続く。路面には落石が散見されるようになってきた。道の脇が削り取った岩肌のため、岩が崩れ落ちて来やすいんだろう。
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少し頭上の開けた区間が続いていたが、その先で右手の斜面が杉林となっている地点がある。左手の広葉樹の領域は天然のものなのだろうか、この全く異なる植生の対比がユニークだ。
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おお!この東京大学の山火事注意の看板、久しぶりに見た!入川軌道跡の散策以来だ。このシンプルなデザイン、好きなんだよなあ。
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この少し前の地点で道が二股に分かれ、沢のほうに下る場所があったのだが、その路肩に何故かレールが横たわっている。森林軌道のものだとは思うが、何故こんなところに?とりあえず今はまず終点まで登り、帰りにでも見てみるか・・・と思っていたら、帰りはうっかり見落として下ってしまった・・・。
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それにしても、いい加減登りがしんどくなってきた。気温はそれほど高くはないのだが、ずっと登り続きで身体がオーバーヒートしそう・・・。そろそろどこかで休憩しないと、と思っていたところ、教育用として使われているらしい炭窯があったので、ちょっとここで休憩させてもらうことに。
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休憩を終えて再び進みだすと、路上一面に栗のいがが散乱していた。今日は一度も動物の姿を目にすることは無かったが、ここは動物たちにとっていい餌場となっているんだろうな。
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起点から登り始めて40分程経った頃、左手の斜面の上に何やら白い人工物が見えた。
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路肩のガードレールに、コンクリートで舗装された路面。明らかに車道規格として造られたこの道・・・来た!恐らくここが要倉沢林道との分岐点だ!起点付近に路線名を示す標識のようなものは見当たらないが、ここまで他に分岐する車道は無かったし、ここが要倉沢林道で間違いないはずだ。その存在を知ってからずっと気になっていた要倉沢林道、やっと来ることが出来た!
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だが、まずはこのまま東谷林道を終点まで辿って行こう。分岐点からすぐ先に、クイナ沢橋という橋が掛かっている。道はこの橋を越えて、谷を挟んで180度折り返すように延びている。
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あ、この橋の欄干、森林軌道のレールが使われている。後から画像を確認したら、先ほどの源兵衛橋の欄干もやはりレールが使われていたが、この東谷林道で軌道が使われていたことはないはずなので、入川辺りから持って来たのかな?『科学の森たんけん4 秩父演習林の歴史』によれば、この東谷林道の開設は昭和35年度から始められたらしいが、それより前の昭和29年に、入川軌道と滝川軌道のレールを、北海道演習林から移管されたものに交換しているらしいので、これはその時に出た廃レールを使ったものだろう。さっき路肩で見たレールも、その時の余りなんだろうな。
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クイナ橋を渡り、更に先を目指す。この先はどこまで続いているんだろう。
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クイナ橋を渡って僅か20m程だろうか、谷に遮られるように、道はスッパリと途切れていた。起点をスタートして約45分、どうやらここが東谷林道の終点のようだ。
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終点の先には、谷を跨ぐようにロープが掛けられ、この奥には登山道が続いているようだ。
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林道の終点から谷を見下ろすと、クイナ橋の下から続く沢が流れているのが見えるが、その中に何やら動く物体が見える・・・。
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釣り人だ。この東谷の渓流は、釣り人にはそこそこ知られた存在らしいが、まさかこんな山奥で人の姿を見るとは。復路でも一人、山歩きの人とすれ違ったが、この東谷林道、結構人が足を踏み入れているんだな。
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それじゃ東谷林道の終点を引き返して、今度は要倉沢林道に行ってみるか。
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Aへ続く。 |