再発見された林道を実地踏破!
2013/09/22 埼玉県秩父市・林道上野山線・他
 
 中津川林道が、先日の台風18号の影響で通行止めになっちゃいましたね・・・。世間はせっかくの連休だし、ちょっと遠くまで足を延ばしてキャンプツーリングでも行ってみたいところではあったが、あれだけ猛威をふるった台風の直後に遠出して、現地で足止めなんてことになったらあんまりだし、なによりも今日は早起きが出来なかった(笑)。なので、今日は昼近くのかなりのんびりした時間から出掛けることとなった。
 
 やって来たのは秩父市久那の県道72号線沿い、平仁田公会堂の向かい側から分岐するこの道が今日の目的地だ。
 この道の入口に、一つの古びた林道標識が立てられている。
 
 これがその標識だ。これはナノレカワが「旧タイプ」と読んでいる林道標識なのだが、埼玉県内に現存する他の旧タイプと比較しても損傷の度合いが激しい。それもそのはず、この標識は今まで道の脇の藪に埋もれていたらしく、今年の春頃に草刈りが行われた際に掘り起こされたそうだ。つまり、今年になって改めて林道として「再発見」された道なのだ。
 ちなみに標識や支柱の文字情報はすべて失われてしまい、ここから路線名を窺い知ることは一切出来ないが、地元住民への聞き取りにより林道上野山線という名称が判明した(詳細はこちらを参照)。
 で、前回訪れたときは生憎の曇り空だったので、改めて標識の写真を撮影しようと思って何枚も撮ったのだが、帰宅後にそれらを見返していると・・・。
 
 (↑画像にカーソルを合わせて下さい。)
 
 お・・・おおおっ!僅かに残った標識表面の緑色の塗料の部分に、林道の「道」の字の一部と、「線」の字の糸偏の一部、更には上野山の「山」の一部と思わしき箇所までが微かに残っている!これは前回気付かなかったことだが、まさかこんな一部分だけでも文字の痕跡が残っていたとは!これは素晴らしい!やっぱり晴れた日に再訪して良かったー。
 
 ・・・え、さっさと先へ進めって?ふぁい・・・。
 
 ちなみにこの上野山線、現在では市道147号線に編入されていて、厳密に言うと既に林道ではありません(笑)。林道としての存在が忘れられていても仕方の無いことではあるが、むしろこの標識が撤去されずにこの地に残っていたのが奇跡のようなことだと言えるだろう。こうして林道標識(しかも旧タイプ!)が発掘され、かつて林道として開設された道だということが判明した以上、一度は走っておかなければなるまい!
 
 起点からすぐの地点では、道の脇に鳥居が建ち、その足元には曼珠沙華が咲いている。鳥居の奥には祠があり、何を祀っているのかまでは分からないが、この地に住む人のぬくもりを感じるような風景だ。
 
 そのもう少し先では、武甲山を見ることが出来る。
 
 更にそのすぐ先で道は180度ターンし、急勾配で一気に高度を上げていく。
 
 道沿いには外灯が設置され、ここが集落へ続く道だということを実感させる。
 
 更には離合のための退避所も。さすが市道だ。
 
 再び市街地を見下ろせる地点に出るが、ここを境に道は山の中へ吸い込まれるように延びていく。
 
 ん・・・何だろうこの小屋は?今はもう使われてはいないように見えるが、何のためのものなのかさっぱり分からないぞ・・・。
 
 やがて道のピークまで来ると、その先に平仁田の集落が見えてくる。
 
 その集落を過ぎて、起点から1.2km程の地点でようやく道は未舗装となる。前回来た時もこの地点までは入ってきているのだが、ここから先は未踏の区間となる。
 
 ダート区間に入ってもまだ民家があるために、道沿いには電柱が立ち景色としての林道らしさは薄い(←だから林道じゃねぇって)。
 
 でも、更に進むとだんだんと林道らしくなってきた。
 
 先ほどの集落を通過してきている所為か、景色はだいぶそれっぽくなってきてはいるが、感覚としてまだなんとなく林道らしさが希薄な気がするけど、こういう感じも嫌いじゃないぞ(笑)。
 
 突然舗装路の分岐が現れたが、どうやら私有地へ続いているようなので、ここは大人しくスルー。
 
 それよりも、そのすぐ先にあるこの分岐が気になる。とりあえずどう見ても本線は左手っぽいが・・・。
 
右手に折れるこの道、かなりの勾配で下っているが、どこかへ抜けてたりするのだろうか。
 
 まずはこの本線を進んで、あとでこの分岐も下ってみるか・・・と、この時は思ってたんだけど・・・。
 
 暗渠を渡る地点で。木々の間を縫って射す陽の光がなかなかいい雰囲気。
 
 起点から既に2km程は来ているが、思っていたよりも長いな。そういえば秩父市役所でこの道について尋ねたとき、この道は抜けている。と言っていたんだが、こんな未舗装の道で本当に抜けているのだろうか?
 
 その先で、道の勾配は一気に下りとなる。やっぱりこれは抜けてるのか・・・。
 
 やがて起点から2.5km程で・・・。
 
 舗装路に出た!市役所の方が言っていた通り、やっぱり抜けてたんだ。で、この舗装路、下って行けば元の県道に出るだろうけど、この上って何があるんだろう?そう思って上って行ったら民家に行きついてしまった。久々にやっちまったな(笑)。
 そういえば、さっき見つけた分岐に戻ることなく、このままここを下ってしまった。結局あの道はどこへ通じていたんだろう?また近くに来た時にでも寄ってみるか・・・。
 
 下りの舗装路を抜け、もとの県道まで戻ってきた。この後は、前回グリーンライン本線を辿ろうとしたときに走りきれなかった部分を通って帰ることにしよう。
 R140からR299に入り、横瀬町で次の林道へ向かおうと進んでいると・・・。
 
 おおっ!棚田の一面に広がる、黄金色に色付いた稲穂と、その稲の間を縫うように咲く、紅い曼珠沙華の花のコラボレーションが素晴らしく美しい!
 
 しっかりと籾を実らせた稲穂が、一足早い秋の風情を感じさせてくれる。今日も山の中ではメッシュジャケットでも汗をかくくらいだったけど、季節は着実に移り変わっているんだよなあ。
 
 いやー、素晴らしい景色だな。前回上野山線に行こうとしたとき、ここも通る予定だったんだけど、あの日はゲリラ豪雨で途中で引き返してしまったために、ここを通過することなく終わっていた。今日この景色を見れたってことは、それはそれで結果オーライってことだな(笑)。
 
 その棚田のすぐ脇に起点があるのがこの林道丸山線。ここは埼玉版のかなり初期にアップしているのだが、その頃はかなりざっくりとした内容だったため、今後アップする予定の丸山支線、及び丸山分線にリンクさせるために新しい記事を更新しようと思い、改めて記録しに来たという訳だ。
 
 起点から入ってすぐの地点で、先ほどの棚田越しに武甲山を望む地点がある。残念ながら空はだいぶ霞んできてしまったが、これで快晴だったらさぞ見事な景色になっただろうな。
 
 道沿いには丸山鉱泉がある。そういえば、写真には撮らなかったが、このすぐ先には何とスナックもあったりする。舗装路とはいえ、林道にあるスナックって相当珍しいよな。あー、やっぱ撮ってくれば良かった(笑)。
 
 
 所々で停車を繰り返し、埼玉版のための写真を撮りながら進んでいく(笑)。
 
 起点から約11.5kmの舗装路を経て、奥武蔵1号線に接続する終点に到着。久しぶりに走ったけど、丸山線ってこんなに長かったんだっけ・・・。続いてはここを左折して奥武蔵1号線の起点へと下る。
 
 白石峠まで下ってきた。ここが林道奥武蔵1号線の起点となる。今度はここから終点まで辿って行こう。
 
 この看板、好きなんだよなあ(笑)。
 
 こちらでも所々で写真を撮りながら、起点から約5.4kmで終点に到着。
 
 前回も休憩した刈場坂峠だが・・・。
 
 今日も空は雲に覆われてしまった。さすがに今日は雨が降ることは無いと思うが、最近はグリーンライン周辺に来るたびに雲の多い天気になってしまうな。
 これで前回と合わせて奥武蔵グリーンライン本線は辿れたので、今日もここから林道苅場坂線を下って帰るとしよう。その苅場坂線を下る途中、ハーレーの集団に追い付いてしまい、国道に出るまでだいぶゆっくりとしたペースとなってしまった。それにしてもそんなバイクでよくこの道を下ろうと思ったよなあ。まあ、その前にグリーンラインを走ってきたことが凄いけど(笑)。
 
 今日は行きも帰りも巾着田の曼珠沙華渋滞でだいぶ時間を取られてしまい、軽く上野山線まで行っただけのつもりだったのにこんな夕暮れの時間になってしまった。だけど、巾着田まで行かなくたって曼珠沙華は見られるんだぜ!まあ、規模は違うけどね(笑)。というわけで、帰りがけに地元の土手を軽く走ってきた。
 
 こんな写真、こんなトコじゃなきゃ取れないよね(笑)。